【設楽悠介】インターネットの問題を解決するブロックチェーンという技術【前編】
近い未来、第四次産業革命が起きるらしい!!
Wikipediaによると、
ロボット工学、人工知能 (AI) 、ブロックチェーン、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、量子コンピュータ、生物工学、モノのインターネット (IoT) 、3Dプリンター、自動運転車、仮想現実、拡張現実、複合現実などの多岐に渡る分野においての新興の技術革新を特徴とする。
らしい。ふむふむ。これだけでも未来感がすごい。
ロボット・・・AI・・・ブロックチェーン・・・
ブロックチェーンてなんだ??
ロボット→知ってる。よくSFマンガに出てくるしアトムとかドラえもんみたいなね。
AI→知ってる。これも映画とかマンガでさんざん見てきた!というかアトムとかドラえもんもAI使われてるよね!
ブロックチェーン→??
この並びに入ってくるほどの技術なのか? 他の技術の方が全然凄そうだけども。。。
この疑問を解決すべく、
「ブロックチェーンは確実に世界を変える技術だ!!!」
と全身全霊を賭けて社会に発信する、ブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」編集長の設楽悠介氏に取材をしてきた。
取材の結果、
ブロックチェーンこそ第四次産業革命の命運を担う技術なのでは!?
と思う程だったのでぜひワクワクしながら読んでほしい。
設楽悠介
幻冬舎「あたらしい経済」編集長/コンテンツビジネス局局次長
幻冬舎のブロックチェーン専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で新規事業やコンテンツマーケティングを担当。幻冬舎コミックス、エクソダス等の取締役も兼務。またエン・ジャパンの新規事業「pasture」のアドバイザーも務める。個人活動として「風呂敷畳み人ラジオ」等の数々のビジネスコンテンツの発信やオンラインコミュニティを運営。著書に『「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』(プレジデント社)。
ツイッター: https://twitter.com/ysksdr
ブロックチェーンはインターネットをさらに進化させる技術
ブロックチェーンの話をする前にインターネットがなかった世界を思い出してみよう。
「家にいても買い物ができるようになる」
「場所を選ばず映画が観られるようになる」
というようなことはインターネットが生まれる前は、リアルに想像できていた人はいなかっただろう。なによりその頃はインターネットがなくても私たちは生活し、生きていけたのだから。
しかし今では、ネットは私たちが生きるのになくてはならない技術になった。
私たちはインターネットを通して買い物をしたり、映画を観たりすることもできる。いわば、空気のような存在になった。
そしてブロックチェーンも、近い将来そういった空気のような技術になると設楽さんは確信しているそうだ。
ブロックチェーンが広まった未来
そんなブロックチェーンが世の中に浸透した未来を想像してみよう。
と言っても、なんだかよくわからないと思う。
設楽さん曰く、ブロックチェーンには使うことで、特定の管理者がいなくてもみんなが信頼して使うことのできる、誰も改ざんしたり悪さをしたりすることができないシステムが作れるという。
そしてそういったシステムが実現できるからこそ、みんながトラストレス、つまり信頼しなくても安全に使えるシステムが作れるため、多くのサービスが自動化していけるとのことだ。
どういうことなのか、もう少し詳しく聞いてみた。
例えば今多くの人たちが使うシステムは、誰かが管理しているもの。日本円であれば日本銀行が発行して、銀行がそれを管理している。私たちが貯金したり、振り込みをしたりするときは銀行のシステムを使うわけだ。ネットで買い物をするときはAmazonをはじめとする企業がその仕組みを管理しているし、SNSで発進するときはFacebookやTwitterなどのプラットフォームが私たちのデータを管理しているわけだ。
もちろん現在私たちはそれらの管理者を信頼して、それらのサービスを使っている。
それはそれで便利なものだ。
でもその管理者がサービスをやめてしまえば、当然そのサービスは使えなくなってしまうし、仮にだが管理者が不正をしても、見破ることができない。
今私たちが使っている便利なインターネット上のサービスは、つまり管理者を信頼しないと使えないサービスな訳だ。
インターネットは私たちに様々な可能性をもたらした。ただその結果、生まれたのはGAFAを代表する巨大プラットフォーム企業による独占状態だったわけだ。
彼らが私たちのデータやマーケットを独占していることに、今世界中で問題意識が高まっている。
一方ブロックチェーンを活用すればそのような問題を無くすことができる。
特定の会社や管理者がいなくても安全に使えるプラットフォームをみんなで管理して運用して使うことができるようになるわけだ。
ブロックチェーンと聞くと、どうしてもビットコインに代表される仮想通貨というイメージが強いと思うが、その技術の適応範囲は金融に限らない。
私たちの周りにある様々な技術に組み込まれていって、それらの技術をより発展させるものになるのだ。
みらいのはなし
もうちょっと先の未来まで、妄想の幅を広げてみよう。
このブロックチェーンが今のインターネットのように普及していけば、より私たちの生活はテクノロジーによってより向上するはずだ。
ブロックチェーンとAIなどのテクノロジーと連携して私たちの生活の様々なモノに埋め込まれると、多くのサービスが自動化していけるようになる。
例えば自動運転の車を乗り捨てた後に、その自分の車が勝手にガソリンスタンドまで行き、給油してガソリン代を支払い、さらに遠い山上駐車場まで行って駐車料金を払って停車する、というようなことがブロックチェーンの支払いの承認などを自動化できれば実現可能だ。
これはそんなに先の話でもないかもしれない。
さらに妄想を広げると、例えば冒頭の漫画で表現したような軽症の病気にならないような仕組みを構築できるかもしれない。
体内に埋め込んだIoTデバイスが体調の変化を察し、例えば風邪の初期症状を自動検知、その症状が病院に送信されて主治医のAIが診断し、処方された薬がドローンなどで届くなんてことも可能だ。
本来なら診療も処方も本人や医師の確認が必要なことだが、それをプログラムに任せて自動化することだってできるわけだ。
さらにあらかじめ特定の薬などの化学物質も安全に体内に埋め込んでおくことができれば、体の中で細胞のように勝手にテクノロジーが病気の治療をするようなことができるかもしれない。
この時代の人間には少し早過ぎた話だったかも知れないな……
ということで、次の章では、現在でもイメージしやすいブロックチェーンできることについての話を設楽さんに聞こうと思う。
漫画構成=八神ちさ(@yagamichisa)、神代徒華(@rakugaki_toka)
取材・文=齋藤春馬(@st_hal_)/編集=井田峻平(@ida_pei)、伊勢村幸樹