週刊少年ジャンプ2023年2号感想!
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第1位:SAKAMOTO DAYS
四ツ村さん、マジか。かつて語った殺し屋の理念を覆すほどの恋をして、家族を持って、確かにそれは弱みになった。妻も息子も心から愛していたはず。だけどいざその弱みを振りかざされたら、プロとして切り捨てる。愛する妻に、弱みそのものに裏切られ、自分の幸せが虚構だったことを知る?
「プロとして家族を殺せ」と命じられて、プロ意識と家族愛の狭間で苦しむ展開は(それはそれですごく苦しくて良いのだけれど)割とあるあるだと思う。東京喰種の店長の過去とか。けど、四ツ村はそうじゃなかった。プロ意識と家族愛だけじゃなく、今まで自分が騙されていたという困惑も、信じたくない気持ちもあっただろう。先述の「よくある展開」ではたいていの場合組織(命令)を裏切り家族とともに逃げる(そして失敗する)が、四ツ村の場合は、命令より優先するはずの家族がいなかった。虚構だった。
彼はどんな感情で妻を殺したのだろう。
終わらない葛藤と困惑に苛まれ、壊れてしまうかもしれない。あるいは、怒りと絶望の混ざった、やり場のない激情を妻にぶつけ、感情的に殺したかもしれない。実際、そういう展開もあっただろう。しかし、このSAKAMOTO DAYSという作品の四ツ村という男は、どこまでもプロだった。あくまでも冷静に、冷徹に。仕事に徹した。我々はそれを、「狂ってる」というのだろう。
いやぁ、素晴らしい作品だわ。
第2位:ギンカとリューナ
世界観の掘り下げをバトル中にサラッとできるのは構成力が優れてる証拠よね!バトルのただのごり押しじゃなくて相手の能力を推し量る頭脳戦の側面とそれに則った戦略の構築、俄然面白くなってきた!
ギンカから学んだこと、過去のギンカの行いがヒントになるってのもギンカの株を上げると同時にリューナがまだ未熟であることを示していて良い。主人公然とした性格のわりにあまりにリューナが強すぎると感じていたから、こういう強敵との会遇で実践経験における伸びしろが浮き彫りになるのはストーリーにめちゃくちゃ奥行きがでると思う。最後とりあえず逃げるって判断ができてるのもすごいけど、アネモネとベネッタが枷にならないか心配やねえ。特にアネモネはまだひと悶着ありそう。
杖を使わないのはただ才能って線もあるけど、闇の魔術の謎、ヘラの魔術の仕組み、まだまだ明かされてない設定があるからわくわく。
第3位:逃げ上手の若君
吹雪の発破がすごくよかった。やっぱ若君は優しくて、敵にも情けをかけそうになるけど、それでは士気はあがらない。そこが説得力あるんよね。部隊が戦場である以上、どうしても優しさは枷になるし、あんまり無茶にねじ込むと安っぽいお涙頂戴展開になってしまう。それを諫める郎党がいて初めて若の優しさは映えるのだと思う。
そして今川、いい最期だった。なんだかんだ部下に慕われていて、その繋がりが今際に今川を狂気から引き戻したのかな。
上杉も底が見えなくていいね。勝ちにこだわってるようには見えないし、負けたこともなんとも思ってなさそうな余裕が不気味。兵も多く死に、何より今川という大物を失っているのに、まるで今回は小手調べといったような悠々とした撤退。こいつも直義には陶酔してるのかな?斯波くんが可哀想だ…