miniコラム~わかった「つもり」、伝えた「つもり」から、その先へ~byみやもと
みなさま、おはようございます。
2018年に人マネに参加させていただいた、宮本と申します。
過去参加メンバーの二番手で、しかも井田さんの次ということでかなり緊張しております…。
もし、お時間よろしければ、お付き合いくださいませ。
【人マネの真髄とは】
人マネは、年5~6回、研修会が行われます。東京で全部の参加自治体が集合することもあれば、近隣の自治体で集まって研修会を実施することもあります。まるまる1日、開催回によっては2日連続で終日幹事団からの講義を受けたり、複数自治体でディスカッションを行うなど、非日常の空間で自らが所属する組織の在り方を検討する場となります。
そして、研修会にて与えられた課題について、次の研修会までにいろいろな手法の調査などを用いて現状を分析しながら、バックキャスティングの視点で枚方市の在りたい姿を導いていく。
これを繰り返し、1年間研究を続け、研究が終わってからもそれらを実践していく。
これが、人マネたるもの、「人マネの真髄」であるといわれていました。
そう説明を受けていても。そして、何度も講義を受けても。
研究会への参加回数を重ねれば重ねるほど、「もやもや」が増していく状況でした。
研究って、課題を解決するために行っていくもので、深めていくことで解決方法が見えてくるようなイメージがあります。…いや、私はそう思っていました。
しかし、これがとんでもない間違いでした。
研究を深めれば深めるほど、「もやもや」が増していき、深い沼にはまっていくような印象がありました。
【2018年といえば…】
私たちが参加した2018年は、大阪北部地震と台風18号による被害が発生した年でもありました。
右も左もわからない状態で研究会に出向き、取り組み始めた矢先の地震発生、そして台風18号の甚大な被害、そして更なる台風上陸により研究会が中止となるなど、イレギュラーなことばかりとなり、その都度2018年のメンバーで途方に暮れたことを思い出します。
研究を深めていく模索の段階での「もやもや」
在りたい姿へのバックキャスティングの段階での「もやもや」
そして、地震や台風などの災害対応などにより浮かび上がった組織への「もやもや」。
重たかったり、厄介だったり、ため息が止まらないような、本当にいろいろな「もやもや」にがんじがらめにされながら、そして日々の業務も災害モードのまま、メンバーで集まる時間を作り、たくさんの「もやもや」と向き合いました。
【ピンチから気づきを得る】
研究を行っていた中で、とても思い出深い出来事がありました。
人マネには1泊2日の『夏合宿』というものがあり、それまでの調査等分析により、今後どのような実践を行っていくのかというプレゼンテーションをする場があります。ところがこの合宿の予定日付近に、大きな台風が来る予報が出たことにより、事務局より合宿の中止、そしてプレゼンテーションを動画で撮影して送付するようにとの指示がありました。
我々2018年メンバーでいろいろと工夫してプレゼンテーション動画を撮影し、原稿も送付。
数週間後、その資料等を見てくださった幹事団からの講評動画が送られてきたのですが、その内容に愕然としました。
自分たちが伝えたいこと、講評を頂きたかったところがきちんと伝わっておらず、思ってもみないポイントでたくさんの指摘をいただいたのです
正直、へこみました。
でも、へこんでても仕方ない。
より大きくなってしまった「もやもや」と一緒に、すごく嫌な気持ちで(幹事団の皆様、すみません…)動画を何度も見直して、…思ったことがありました。
同じ時間枠で行える双方向のコミュニケーションであれば、タイムリーに意見交換や質問ができるけれど、タイムラグがある場合は、受け止める側のバイアス(偏り・思い込み)が作用する。
その場で質問を受け付けられないし、訂正をすることすらできない。
…オンタイムでやりとりすることって、「ぜいたく」なんだなあ…。
そして、大いに反省しました。
「伝わっている」と勝手に解釈して、伝えるべきことを伝えられていなかったことに。
自分が思っていることを、余すことなく伝えられているのか。
相手が考えていることを、しっかりと受け止めて反映できているか。
相手に「わかってもらっている」つもりになってしまって、伝えるべきことを伝えきれていないのでは。
相手に「話ができている」つもりになってしまって、言わないといけないことすら言えてないのでは。
これは、日々のコミュニケーションにも当てはまることです。
例えば、怒っているような口調で話をすれば、その相手は警戒しますし、穏やかな口調で話をすれば、相手も穏やかにコミュニケーションが取れると思います。いわば「鏡の関係」。
同じように、自分が話していることを相手がどのように受け止めているのか。
そして、伝えたいことがちゃんと伝えられているか、受け止めてもらえているか。
そんなことに気を配りながら、大切に伝え、しっかりと聞いていくことがコミュニケーションの真髄だなあと、改めて強く強く感じました。
わかった「つもり」、伝えた「つもり」の怖さ。
上司が分かってくれない!部下の理解が悪いんだ!と負の感情を全面に出してしまうと、相手は委縮してしまったり、より大きな怒りを持ってしまったり、相互理解を図るためのコミュニケーションが出来なくなってしまうこともあります。
より良いコミュニケーションができるように、どんなことをしていけばいいのか。
そんな視点からの「もやもや」との対峙もしました。
そこから、2018年メンバーで考えた、コミュニケーションをとっていく相手を「知る」大切さ、ジェネレーションギャップを「知る」大切さに繋がったような気がします。
(上の図は、2018年度メンバーで検討したことをどう実践していくのか、その具体的手法を提案した時に活用した図になります。これはジェネレーションギャップ部分にかかる提案です。)
2018年メンバーとして、いったん活動は終止符を打ちました。
けれど、人マネの幹事団や事務局からは「ここからが本当の研究の始まりなんだよ」と、最終回の時に繰り返し話されていました。
そして、それは本当でした。「もやもや」はずっと続いています。
すっ、と解決できる力量は持ち合わせていないのは申し訳ないですが、「もやもや」が続くというのは、何かに引っ掛かり続けているということ、疑問を持ち続けているということ、そして、それらを『解決していきたい』という気持ちが続いている証拠なのかな、と思っています。
なので、自分なりに、考え続けて行動化していこうと思っています。
【最後に】
コロナ禍の中始まった2020年メンバーは、ずっとZOOMで研究会をしていると聞いています。コロナ対応もある中で研究を重ねることとなり、本当に大変だと思います。
私たちも、2016・2017年メンバーの先輩たちにたくさん助けていただきました。どんな役にたてるかわかりませんが、少しでも今年度のメンバーのお役に立てればと思っていますので。
そして、人マネメンバー以外の皆様にこうやって文章で発信できる場所が出来たことは、とてもうれしいです。ひとりで「もやもや」していると、どうしても凝り固まってしまうのです。考えをこうやって外側に発信して、いろんな意見をいただいてブラッシュアップしていく。その過程に少しでも多くの方から忌憚のない意見を頂ければと思っています。
ひきつづき、どうぞよろしくお願い致します!
それではみなさま、今日も頑張りましょう!!