水に濡れたら視力が上がる
今から十数年前の僕が30代前半の頃、アパートの1階に住んでたのですが、深夜に家に遊びに来てた彼女が天井から水がこぼれてる事に気付きました。
徐々に漏水の勢いが強くなって行き、すぐに部屋が水浸しになるのですが、あわあわしてるだけの僕に彼女が指示してくれて、電化製品を先に非難させる事に成功しました。
少しして2階の女性が走って降りて来て、風呂のお湯を溜めて流したら漏水したとの事で詫びてくれて、その人の彼氏が消防車を呼んだとの事でした。
僕は知識が無いので消防車?と思いましたが、この場合は消防車でもよかったみたいで消防士や警察が駆けつけてくれました。
家の中は漏水の影響で停電したし畳もぐちゃぐちゃになってしまい、めちゃくちゃですが、そこまで行くとふざけたくなる性分なのか、家の中で傘をさして記念写真を撮ったりして警察にちょっと怒られたりしました。
もう部屋には住めるような状態じゃないし深夜だし寒いし、しかも僕は貧乏だったのでホテルとかも泊まれないけど、不幸中の幸いで彼女がそこそこ給料いいとこで働いてたので、タクシーで彼女の家に行って泊めてもらう事になりました。
朝方4時か5時くらいに、彼女の家の近くのファミレスで温かいものを食べました。どこの店で何を食べたのか全く覚えてませんが、とにかく不幸を経ての温かい食事に幸福を感じました。
ただ、次の日から電気工事や畳の張替えに立ち会ったりで、バイトも休んだりバスタオルが全部ダメになったりと色々と大変でした。
2階の彼氏の方も手伝ってくれるのですが、なんとなくソリが合わないというか、畳をはがしたりの作業を向こうが張り切るので、そのペースに合わせないといけないのが辛くて、一人でゆっくりやりたいなぁ…とか内心思ったりもしてました。
ただ、ここから不幸中の幸いの第二弾・保険が50万弱も出るというじゃないですか。
僕の人生的には、最高のまとまったお金が入る事になった訳ですが、彼女に何に使いたいかを問われて、いざそんな大金が入るとまったく想像出来なかったけど、あ!と思って、
「レーシック手術を受けたい!」
と言いました。
当時、レーシック手術は13万~20万弱したはずだけど、ずっとそんなに使える金無くて、でも眼鏡やコンタクトがずっとめんどくさいし少しづつお金かかるのも嫌だったので、これだ!と思いました。
レーシック手術は怖かったけど、視力が回復して、眼鏡やコンタクト生活からも解放されて、結果的に漏水してくれてラッキーでした。
それから少しして疎遠になってた先輩から電話があって、最近どうしてるのか聞かれたので一連の流れを話したら、
「なんで、漏水したら視力が上がるんだよ!」
と風が吹けば桶屋が儲かるみたいな事を言われたのでした。