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スタンフォードで世界の壁に絶望しよう-アメリカ探訪②

第二部

さて、アメリカ編第一部に続いて第二部をお届けします。
前回は全体的な日本とアメリカの違いを書いていましたが、今回はスタンフォードとOpen AI編です。

第一部を読んでない方はこちらからどうぞ。

ピンポイントですが間違いなく今の世界最先端を見てきました。
スタンフォード大は現地の某大学のビジネススクールの方のご縁でガイドしていただき、Open AIは上司の人脈でまさかの最前線バリバリの人と一緒に朝食をとらせていただきました。

どちらもリアルを目の当たりにしてきたからこその気づきがありました。

ちなみに、そもそもこれからの世界で「日本人」という切り口で話すことが正しいかは検討すべきですが、日本語で書いている訳ですし一旦日本人視点で書いていきます

スタンフォード大を見て自己投資のチープさを思い知る


グリーン学部出有名なスタンフォードのSchool of Sustainability

さて日本人でも誰もが一度は聞いたことがあるであろう「スタンフォード大学」。

World University Rankings 2023では世界第三位の大学として名を連ねています。
ちなみに東大は39位、京大は68位なところを見るといかにこの3位が桁違いなのかはわかるかと思います。

単に大学内を歩きながら説明を聞いていただけにも関わらず、あまりのスケールによく言う「自己投資」なんて言葉のチープさにうちのめされてしまいました。

① すべてが規格外すぎて日本の物差しでは測ろうと思ったのが馬鹿だった

まず物理的なスケールの大きさからすると、スタンフォードが所有する土地の面積は約33平方km。杉並区と同じくらいの大きさです。

何を言っているかよくわかりません。主要なスポーツ施設は全部ありますし、ゴルフ場18Hもあるらしいので本当に訳わかりませんね。

これだけ広い土地を所有しているため、敷地内に全寮制の寮が建ち並んでいるのはもちろん、SAPやテスラといった超有名グローバル企業へオフィス貸しなどもしており、土地収入もとんでもない額があると聞きます。

学費は学部生で6万ドル。円にすれば約800万。
1年間に800万も払って世界中から超優秀層が勉強しに来るわけです。

一方でもちろん資産運用などもしているので、一説によると50年は何もせずとも運営ができる状態ということもあり全米でも超トップクラスのお金持ち大学です。

最近は21世紀のコンピュータサイセンスとも呼ばれるSustainabilityの学部を10億ドル(1300億円)の投資を受けて新設しています。

まあ結論何が言いたいかというと、日本の大学とは桁が2つも3つも違うわけです。

物理的な大きさも、そこに動くお金も、集まる人のレベルも、何もかもが世界トップということです。

毎日牛丼の大盛り+50円に悩んでいる時間も額もあまりにも惨めに思えてしまいました。

② 世界トップの工学部(Engineering)

Engineeringとデザイン思考。
対比関係にあるわけではないですが、やっぱり今のビジネス界のホットワードにこの二つは入ってきます。

スタンフォードももちろん工学部は世界トップクラスです。

こちら工学部の建物内にあるサポート企業一覧(特に左側)ですが、本当に世界に名だたる企業が出資しまくっていることがわかるでしょう。
トヨタ、NECなどがなんとか入っていてGDP世界第三位はまだ保っていることがわかります。


GAFAMをはじめとして、有名企業が寄付やサポートをしている

実際の建物の中というと、授業でもない学生が集まり真剣な顔してディスカッションする学生であふれています。
少なくともカフェみたいなところに100人以上が集まり、各々思い思いの話をしていました。

僕は東大や早慶の大学内を歩き回ったこともありますが、こんな光景見たこともありませんでした。

グーグルも、Netflixも、インスタもこのような人たちの集まりから生まれたんですよね。

彼らはもちろん起業する人も多いわけですが、わかりやすい指標として新卒1年目から2000万円弱くらい稼いでいくわけです。

行かないとわからないですが、明らかに熱量が違う。
そしてその熱量に応える環境も人もいる。世界のトップ人材が集まる大学に、世界トップレベルのお金が集まり、少し外に出れば世界トップ企業の人や投資家とすぐに会える。

そりゃ世界を動かすサービスがうまれるわけですよ。

③ 真の価値を生み出すデザインスクール

Engineeringと並んで今世界的に注目されているデザイン思考。
そんなデザインを学ぶ場所こそd schoolと呼ばれるデザインスクールです。

デザイン思考については本当にざっくり言えば、「真に課題となっていることは何か・顧客が本当に求めているものな何かということを起点にしてサービスやプロダクトを作っていく」考え方です。

同じチームだった方が、
「エンジニアは今ある技術の延長線上に革新的なサービスを作ろうとするけど、イノベーションはデザイン思考抜きには絶対に作れない」
といっていて、すごく共感しました。

だからこそ、このスタンフォードでもd schoolが設立されているわけですし、有名なんですよね。

僕はこのd schoolを一つの学部だと思っていたのですが、実はこの授業はすべての学部生に開かれているそう。
もちろん医学部や工学部と行った理系から、経営学部といった文系の学部までです。

ただ、一つだけ受講に条件があります。それは、

各学部で上位25%の成績を修めていること

つまり、超絶優秀な中でもさらに優秀な人たちが集まってデザイン思考を勉強している。

それも座学ではなく、超本格的なプロジェクト的な形式で、ものすごく具体的な課題に対してサービスを提案していく中でデザイン思考を学ぶ形です。

例えばインドの社会問題でもあった未熟児の低体温症に劇的な変化をもたらし、WHOによって世界中に展開された体温維持装置である「Embrace Infant Warmer」もここから生まれています。


Embrace Infant Warmerの原型(正面上段)

エンジニアリングもデザイン思考もできる世界のトップ人材が集まるこの環境は、今の日本では存在しない環境でした。

日本がすべてダメと言っているわけではありません。

明らかにレベルが違うという事実がそこにある

ということです。

もちろん日本人でも優秀な人はとてもたくさんいますが、その力が花開くチャンスには明らかに差があります。

日々自己投資とか思いながらある程度お金や時間をかけてきたつもりでした。もちろん投資だけでなく、最近は行動もできるようになってきました。

ただ、年800万も学費に払い、超優秀人材と毎日のようにディスカッションしてゴールに向かう数年間を過ごす彼らを目の当たりにして、もはや自己投資の定義から見つめ直さないといけないと気づきました。

今も色々と悩んでいますが、少なくとも同じような投資の仕方であれば、一生彼らの下位互換でしかないということだけは明確に見えました。

今まさに世界を作り上げる人は同じ人間とは思えなかった


全く関係ないですが、ナパワインは超絶おいしかったのでおすすめです!!

スタンフォード見学の翌日には、なんと今まさに世界を作り替えようとしているOpen AIの方と朝食をとる機会をいただきました。
今後繰り返し書くのもあれなので、仮にAさんとしておきましょう。

Aさんはもうあり得ないほどガチの中の人で、元テスラのAIトップと元グーグルのAIトップを隣に置き、毎日バチバチOpen AIのアップグレードをしているそうです。

おそらく今世界で最も優秀でアツい人たちが集まっている組織のど真ん中にいると言っても過言ではない方とお話しする貴重な時間でした。

① 東大もSONYも面白くない

僕が話を聞いて衝撃だったのが、「東大もSONYも面白くない」という発言でした。
Aさんは基本的にシリコンバレーを中心に働いていますが、日本だと過去に東大やSONYと関わる機会もあったそうです。

そこでは「日本で仕事していた時間はつまらなかったし無駄にすら思えた」とのことです。

日本の大企業の中でも先進的なことをしているSONY、日本のトップ層が集まる東大。
そのどちらに対しても何の躊躇もなく「つまらない」と切り捨てられたことに、一瞬固まってしまいました。

Aさんは別に日本が嫌いなわけではありません。
むしろ仕事が落ち着いたら一度日本に住むことを考えているとまでおっしゃっていました。

ただ、やはり優秀な人たちが本気でぶつかり合ってゴールに向かって物事を進める今が圧倒的に楽しいらしいのです。
それこそが仕事の意味であり、自分が一番楽しいと。

一方日本人は、圧倒的に「具体性と主体性」がない。
向かうべきゴールもなければ、勉強や仕事をするにしても主あまりにも体性がない。
このような人たちに囲まれている日々は耐えられないとおっしゃっていました。

東大生に何かを教えている時も彼らはアイデア無しで聞いているだけだし、SONYもやっていることが全然つまらないと。
具体性と主体性」を何度も繰り返しており、サンフランシスコツアーで最も印象に残っています。

具体性と主体性
具体性と主体性

大事なことなので再度二回書きました。
海外から見て今日本人に最も足りないものは「具体性と主体性」です。

② やっぱりシリコンバレーはエンジニアが尊敬される世界

日本だと営業や業務の方がサービスを形作り、ITがそれに合わせるという形が多く見られますが、シリコンバレーはやはりエンジニア第一主義という側面が強いです。

中間でマネジメントするのではなく、やっぱり何かを具体的に生み出せる人が一番偉いという文化があるそうです。
なぜなら、結局は「ものを作れない」と価値を提供できないと考えられているからです。

だからこそ「日本は圧倒的に文系が多すぎる」とおっしゃっていました。
特に理系の女性の少なさは異常であり、やはりこの人口比が上がらない限りはイノベーションの中心にはなれないと。

ただ一方で、「生半可なエンジニアはAIの登場によって一掃される」ともおっしゃっていました。
Aさん自身もすでに自分で書くコードの8-90%はChatGPTに書かせていて、残りの部分を自分で書いているそうです。
指示待ちプログラマーはほとんどいらなくなる未来がすぐそこまで来ています。

プログラマーに必要事項を伝えられるレベルの知識さえつけば、今後簡単なシステムはすべてAIと作れるようになります。

だからこそ、文系でもプログラミングは絶対に習得すべきだと身にしみて理解しました。

③ グローバル企業ではあり得ないくらい日本人が少ない

スタンフォード大も含めですが、やはり中国や韓国からはどんどん人が海外に出ているのに対し、日本人は圧倒的に少なくなってきていると聞きました。

そしてその原因は窓口となっている「」の少なさだと。
何を言っているかというと、世界に出て行くためには実際に世界に出ている人と話す必要があるということです。

日本企業に勤める先輩の話を聞いて「この会社いいな」と思って就職していくのが日本でもあるあるだと思いますが、この先輩の位置に海外で活躍する人がいないことが問題だということです。

やっぱり人に突き刺さるようなきっかけはシリコンバレーであっても「人」であり、日本人はその「人」があまりにもドメスティックになっています。

このままいくと、今ですら少ないからより海外に出て行かなくなり、さらに窓口が少なくなりさらに出て行かなくなる、という負のスパイラルが発生します。

日本が急速に海外との競争力を落としている今、もはや開拓者が必要になってきています。
そしてその開拓者を多く排出するためには、そもそも海外に目を向ける人の母数を増やすべきです。

しかし現実は真逆で、日本企業でもやはり人材を海外に出すのは金融や商社程度で、メーカーなどからはほとんど出なくなってしまったとも聞きました。

世界から見た日本の孤立感は、今の指標ではなく将来を見るとよりやばいことをより実感する話でした。

まとめ

さて、今回のまとめはシンプルです。

こんなnoteなんて読まずに一旦海外に行け

ということです。

正直なところ、僕の書いている話も、実際に体験するのと文字で見るのはもはや別物です。
自分で書いてて何ですが、読むだけではもはや意味ないです。

おそらく一度スタンフォードを見に行った人には少しは意味あるかもしれませんが、行ったことない人にっては本当に意味がないと思います。

このツアーを通して気づきましたが、僕らがコロナで失ったものは「行動力」ではないでしょうか。

コロナでネットのつながりが爆発的に加速した結果、ひとつの画面から世界のあらゆることを「疑似体験」できるようになりました。
僕らはその「疑似体験」が「リアルな体験」だと勘違いしてしまい、実際の行動を起こしにくくなったんのではないでしょうか。

だからこそ、一度外の世界を目の当たりにしたとき、あまりの違いに驚愕し、疑似体験に盲目になっていたことを後悔します。

ちなみにお伝えしておきますが、僕は上司に出発の3週間前に、
「タクトパス君アメリカ行かない?自費だから30万くらいはかかるんだけどさ」
と言われ、0.5秒で「ぜひ!」と答えました。

旅行用に準備していた貯金なんてもちろん皆無でしたが、会社内でもかなり偉い上司のツテの恩恵を受けながら、普段は絶対遭遇することのない海外のあらゆるシーンを体験する。

このチャンスの方が30万なんてお金よりも圧倒的に価値があると信じて外に出ました。

もちろん、これからの行動でこの選択を正しかったということにしていくわけですが、今のところは行って良かったとしか思っていません。

何も準備していなかった僕でも出れたんですから、誰でも思いさえ持って少し準備すればすぐに見に行けるはずです。

まずは今すぐこのnoteを閉じて、Sky Scannerのサイトへどうぞ!


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タクトパス
読んでいただきありがとうございます!僕の経験がみなさんの生活を少しでも前に進めることができれば最高です!サポートしていただいたことでできた経験はもちろんnoteに投稿します!