基礎を身につけるためには基礎から身につけてはいけない
基礎は大事だからこそ実戦から始めた方がいいという矛盾
何事も“基礎”は大事です。
こんなこと誰でも知っています。
一方で、基礎ってそんなに簡単に身につけられません。
というか、大人は「基礎が大事だ」とは耳にタコができるほど教えてくれるのに、「どうすれば基礎をしっかり身につけられるのか」は教えてくれません。
ということで、
✅基礎はどんな過程を経て身につけられるか
✅どんな基礎にも共通する身につけるコツはないか
を野球をしながら考えていました。
人が何かを学ぶ場面では絶対に通らなければならない基礎だからこそ、よりうまく基礎を身につける方法があれば必ずこれからも役に立ちます。
基礎の重要性を言語化して理解する
基礎が何かを身につけるときの土台となることは自明です。
基礎があって初めて応用ができるようになります。
例えば英語学習では単語と文法がセットで基礎になります。
もちろん、大量の英単語だけを知っていれば、英文を解読することは可能でしょう。
文法だけ知っていれば英語という言語を理解し、言語学的な側面から有用な知識を身につけることができるかもしれません。
しかし、この二つが組み合わされば、できることは格段に増えます。
読む・書く・話す・聞くはもちろん、海外に友達ができ、入ってくる情報幅も広がり、英語に似た言語の習得も楽になり、などと爆発的にできることが多くなります。
つまり、基礎はその先の選択肢を広げるための段階です。
将来様々なことをしたいと考えているほど、基礎が重要になります。
ただ正直な話、基礎がなくても多くの能力を身につけているように見せることはできます。
情報発信なんていい例です。
かつて情報を発信する媒体の中心は新聞であり、ラジオであり、本や雑誌でした。彼らは自ら足を運び、自ら入手した情報を世に発信していました。
しかしインターネットやSNSが普及した現在では誰もが発信者になれます。
その人がどんな人であれ、それっぽい情報を発信して人を集めることができるようになっています。
そんな情報の溢れた社会で、自らの経験を発信している人はどれほどいるでしょうか。
「自ら確認してから発信する」
という基礎を固めて発信している人はどれほどでしょうか。
※僕のnoteは学生生活で得たことをまとめているだけなので全て経験を元に書いています笑
この基礎がなければ、発信する情報は周囲と同じようになり、次第に価値はなくなっていくでしょう。一方で、この基礎がついている人は、その人の人生の魅力が詰まった唯一無二の情報を発信し続けられるでしょう。
つまり、基礎は能力を長く維持するための土台でもあります。
ということで
基礎を身につける
=将来の選択肢を広げつつ能力を維持する土台を身につける
ということです。
漠然と基礎が大事だと思うよりも、なぜ大事かを深く認識した方がより基礎の重要性に気づくことができます。
基礎を身につけるためには
さて、まずは基礎の重要性を書きましたが、これは誰もが認識してい他と思います。ただ少しだけ言語化して深掘りしただけです。
本当に重要なのは、基礎を”どうすれば身につけることができるか”です。
大抵の場合は
基礎をしっかり固めてから実践する
という流れだと思います。
それはそうです。
だって先ほども基礎なくしてその先に進めないと説明したわけですから。
学校なんてこの流れの賜物です。
新しい数学の単元は必ずと言っていいほど
基礎問題①を解く
→応用問題①を解く
→また別の基礎問題②を解く
→応用問題②を解く
→①②を組み合わせて初めて解ける問題③を解く
と言った順番で問題を解けるようになっていきます。
基礎の基礎から固めて、最後に難しい問題を解けるようになります。
しかし、この流れには欠点があります。
ここに身につける側の観点を付け足してみましょう。
基礎問題①を解く(ゴール見えない)
→応用問題①を解く(ゴール見えない)
→また別の基礎問題②を解く(ゴール見えない)
→応用問題②を解く(ゴール見えない)
→①②を組み合わせて初めて解ける問題③を解く(ゴール見えた!)
つまり、基礎を身につける段階では最終的に解こうとしている問題がわかっていないのです。
ここで問題となるのが、“人間はゴールが見えない状況で頑張ることが苦手な生物”だということです。
みなさんも経験があると思いますが、ゴールが見えるところで頑張る時と、見えない時で頑張る時は、どちらがより頑張れるでしょうか。
また、どちらが楽しいと感じたり、充実感を持って取り組むことができるでしょうか。
間違いなくゴールが見えている時だと思います。
このように考えると、学校で経験する基礎の身につけ方は決して良い方法だとは言えません。あれほどまでに基礎の重要性が強調される教育の場において、基礎が学びにくい方法になっています。
基礎を身につける最短かつ最強の方法
となると答えはシンプルです
僕が考える最短で最強の基礎を身につける方法は学校の不足分を補えばいいのです。
つまり、
実践してから基礎を固めることを繰り返す
という流れにすればいいのです。
まずは失敗してもいいので実践してみる、その後に基礎を固める、そしてそれを繰り返すというものです。
理由は単純です。
実践を経験しなければ、基礎を活用するゴールをイメージすることができないからです。
野球では、春〜秋で実戦を経験し、冬はその反省を活かして基礎トレーニングを行います。
一度基礎を身につけたら終わりではなく、毎年冬に基礎を練習し直します。
もちろん練習しなければ基礎を忘れてしまうという側面もありますが、実践を通して感じた基礎の足りない部分を毎年補っているのです。
この考えで基礎づくりに入ると、自分の真の課題に気づき、辛い基礎練習も試合で活きることに確信を持ちながらモチベーション高く取り組むことができます。
実践から基礎を考えることで、
・そもそも足りない基礎は何か(=既に十分身につけている基礎は何か)
・今練習している基礎は実践でどんな役割を果たすのか
が明確にわかるようになります。
だからこそ、まずは実践を通して基礎の必要性を実感する必要があるのです。
もちろん厳密に言えば基礎の基礎くらいは理解しておいた方がいいです。
数学の問題も四則演算ができなければゴールを見てもそこまでの道順は分かりませんから。
基礎の基礎→実践→基礎→実践→基礎→実践→基礎→…
と実践を繰り返しその都度基礎を修正していくことこそ、最短で最強な基礎の身につけ方です。
そして何より、この方法は楽しいです。
辛い基礎の段階が、目標達成へ一歩ずつ近づいている充実感溢れる段階に変わります。
まとめ
さて、今回もまとめていきます。
① 基礎=将来の選択肢を広げつつ能力を維持する土台
② 基礎は大事だが、もっと大事なのは基礎を身につける方法
③ 実践を経験してから基礎を身につけるのが最強の方法
僕が16年間やってきた野球なんて基礎の基礎の基礎から始まります。
挨拶一つからボールの投げ方まで、基礎の基礎を徹底的に叩き込まれます。
しかし、選手が大きく成長するときは決まって実戦の中で何かを経験したときです。
・ギリギリホームランに届かなかったから体作りし直す
・押し出しで負けたから投球フォームから作り直してコントロールを高める
・大事な場面でエラーしたから簡単な打球から何千球と捕球練習をする
などなど、実戦を通して初めて自分の基礎の足りなさに気づき、それを克服するために無我夢中になることで一回りも二回りも成長します。
基礎がつまらないのであれば実践から始めてみてください。
そこで初めて基礎の大切さに気づき、知らぬ間に基礎を徹底的に身につけるように努力する自分になっているはずです。