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名門校から学ぶ勝ち続ける組織の条件

毎年毎年予選があるのに、なぜ甲子園に名を連ねる高校は同じ高校ばかりなのでしょうか。


なぜ名門校は名門校であり続けられるのでしょうか。

選手が毎年入れ替わる学生スポーツにおいて、勝ち続けることが至難の技であることは想像に難しくありません。

名門校と呼ばれる学校に共通していることはなんなのでしょうか。
今回は彼らと戦い間近でその力を実感したからこそ気づいた彼らの力の源を考えていきます。


そもそも名門校って?

本題を書く前に、名門校と言ってもだいぶざっくりしているので、少しイメージしやすくします。
※高校野球ファンの方は飛ばしていただいて大丈夫な章です笑

PL学園、大阪桐蔭、智弁和歌山、横浜、中京大中京、早稲田実業、

こんな高校名を聞いたことはないでしょうか?

これらは高校野球を知る人間であれば誰も名門校と認める高校だと思います。
全くファンでない人であってもニュースなどで見たことがあるのではないでしょうか。

名門校と呼ばれる高校は昔も今も甲子園をはじめとして、全国大会で勝ち星を積み重ねている高校のことです。

現在の全国高校野球は前身の全国中等学校優勝野球大会が1915年に開催されてから、100年以上の歴史があります。

早稲田実業は第一回大会から出場していますし、名門中の名門と言えそうです。

大阪桐蔭は史上初の甲子園春夏連覇をしていますし、智弁和歌山の高嶋元監督は甲子園での通算68勝で歴代トップです。

PL学園のKKコンビ、横浜の怪物松坂大輔選手等、名門校の逸話を挙げたらキリがありません。

つまり、名門校とは”何十年もの間全国大会で勝ち続けた高校”を差します。

そして、これらの名門校の特筆すべきところは、「何十年も」という部分です。

高校野球をはじめとして、学生スポーツは選手の入れ替わりが非常に早いところが特徴です。

どんなスター選手だとしても、その高校でプレーできるのは3年間だけです。

にも関わらず何十年も勝ち星を重ね続けることができるということは、おそらくその高校の“組織としての力”に秘密があると考えることが自然ではないでしょうか。

今回のnoteはその組織力にフォーカスしていきます。

名門校の組織力の秘密

では、その組織力とはどんなものでしょうか。

一口に組織力と言っても、文化、人、理念、体制、価値観、チームワークなどなど、あらゆる要素によって構成されています。

その要素の中で最も重要な要素となるもの。
それは、

当たり前の基準

です。

当たり前の基準とは、そのチームにとっての常識がどのレベルにあるのかということです。

例えば東大生があれほどまでに勉強できる理由として、彼らの生活習慣に勉強が含まれているからに他なりません。トップクラスの人は風呂に入るのと同じように毎日勉強しています。

大半の人から見ればクレイジーにしか見えませんが、それが彼らにとっての常識なのです。

毎日学校で勉強し、帰って予習復習し、テスト前には何時間も試験対策する。これが彼らの常識なのです。

しかし、当たり前の基準を引き上げるということは非常に難しいです。
おそらくあなたが想像しているより10倍くらいは難しいと思った方がいいかもしれません。

なぜなら前述にもある通り、

“当たり前=常識”

であるからです。

よく「常識を疑え」みたいなフレーズを耳にすると思いますが、実はこれがめちゃくちゃ難しいわけです。

僕が思うに、自分の常識はその常識を覆す何かを経験する時に崩れますが、こんな経験はなかなか起きません。

みなさんも「これ私の家だけの常識だったのか!」みたいな経験があると思います。

それと同じで、常識というものは周囲との差異を自発的に見つけることが難しいのです。

ただ、常識を変えることが難しいからと言って諦めるわけにもいきません。
それでは、何を変えればいいのでしょうか。

名門校のここが凄い

ここで名門校の登場です。
彼らの当たり前の基準は他の高校と何が違うのか。
そこを紐解いていきます。

① ゴール設定が「日本一」

まず一つ目はゴール設定です。

一つ目であり、かつ全てを包含すると言っても過言ではありません。

ゴール設定はその組織の常識の源泉になります。

日本一を目指すチームと県大会出場を目指すチームでは常識が全く違います。

日本一のチームは日本一野球に時間をかけるし、日本一野球のことを考えるし、日本一の名に恥じない私生活を送ります。一方で県大会出場のチームは野球だけでなく進学のために勉強もするし、学校の行事にだって精力的に取り組みます。

どちらが良くてどちらが悪いというわけではなく、ゴール設定が違えば行動も全く異なるということです。

あなたの場合もそうだと思います。

学生時代収入をあげようと思ったら高収入のバイトを探していたと思います。
しかし、社会人になり収入をあげようとするなら、社内政治や転職に目を向けるのではないでしょうか。

これは学生という未就労者から、社会人いう就労者へ立場とともに常識が変化したためです。

常識が変わったからこそ、あなたの行動も変わったのです。

また、これは目に見える部分だけでなく、そのチームの価値観や雰囲気にも直結します。

そして名門校のゴールはほとんどが「日本一」です。
もしかしたら全チームそうかもしれません。

本気で日本一を目指すという経験は、簡単に私たちの常識をぶち壊してきます。
どんな分野であったとしても、日本一を目指すということは生半可なことではありません。

強い組織になるために具体的なことをするためには、まずゴール設定をすることで根底となる価値観を作り出す必要があります。

② 歴史を背負う

名門校と言えば歴史が古い高校ばかりです。
それぞれの部に、先人たちが残してきた伝統や結果が存在します。
もちろん直近の先輩たちとの経験もあります。

現役の部員はそれらを背負って戦うわけです。

言い換えると、自分以外のことに対しても責任を負うということになります。
自分たちが不甲斐なければ、先輩たちが積み上げてきた歴史に汚点のようなものを残してしまうのです。

ここで注意したいのは、歴史を持つことが必要だと主張したいということではないということです。

僕が言いたいことは、

自分以外にも責任を持つ環境

が必要だということです。

自分だけの責任を負うことと、自分以外の責任を負うことでは、圧倒的に後者の方に責任を感じます。

責任が大きくなればなるほど、人は目標を意識するようになります。
その目標は名門校であれば「日本一」なわけです。

つまり、名門校の選手は(先輩たちの)歴史や伝統を背負うことで、常に目標と対峙し続ける環境でプレーすることになります。

冒頭で人が入れ替わると勝ち続けるのは難しくなると書きましたが、この“歴史”においては、入れ替わるからこそ強化されるような気もします。

③ 圧倒的な結果

最後が結果です。

名門校のほとんどは先ほども話した通り「日本一」が目標な訳です。

全国14万人を越える高校球児の大半が夢舞台だと思う甲子園に当たり前のように出場するのが彼らです。

もちろんチーム内でのレギュラー争いも激しく、甲子園のグラウンドでプレーできるかは努力次第ですが、そもそもチームが甲子園に出場できるレベルでなければ可能性は0です。

目標の「日本一」を達成できなかったとしても、甲子園に出場するという経験だけで人生の一つの糧になることは間違いありません。

やはり人は何かを得るために頑張り、そしてそれを得たときに達成感や幸せを感じる生き物です。

特にモノではなく経験は何にも代えがたい貴重なものとなります。
そのゴールが自分の手が届くところにあればきつい練習も乗り越えることができます。

先の見えない中で努力することは難しいですが、達成したい目標に対して必要な努力量がある程度でもわかるだけで人のモチベーションは大きく変化します。


以上の①〜③から名門校は

① 今まで自分が経験したことのないゴール設定をすることになり
② 歴史を背負ながらそのゴールを常に向かい合い
③ 圧倒的な結果で報われるためにゴール達成への努力を続ける

という組織ということになります。

そして、この過程で①の「日本一」になるために必要な常識を選手に身につけさせるわけです。

まとめ

さて、今回もまとめていきます。

① 強い組織は“当たり前の基準”が高い
② 「当たり前の基準=常識」であり、これを変えることは非常に難しい
③ 名門校は“当たり前の基準”を高めるための環境が作られている(だから強い!)

もちろん名門校はその高校によってそれぞれ特徴があり、強さの秘訣もそれぞれ存在すると思います。

そもそも入学の時点で有望な選手が集まっているということもごもっともです。

しかし、高校3年間は人間が飛び抜けて成長する期間でもあります。
成長次第でどうにでも変化できる期間だけに、その中で勝ち続けるためには絶対何らかの共通点があるはずだと思います。

そして僕なりにその共通点を導き出したものが今回の内容です。

ただ、何よりも強調したいことは

今の自分の“当たり前の基準”は何か?
そしてその基準はなりたい自分に適しているのか?

ということです。

みなさんもぜひ考えてください!

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タクトパス
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