多様性溢れる社会での自分の軸
こんにちは!
タクトパスです!
先日少し散歩に出かけたら、外でランニングしている人の多さに驚きました。体を動かしたくなる本能はあるんだなと、スポーツをしている身として少し嬉しくなりました。
そんなこんなで、今日は大きな組織であればあるほど強調される、多様性について少し書こうと思います。
多様性が認められた社会
現代は多様性に溢れています。これは誰の目からも明らかでしょう。
人類の歴史の中で、多様性が自分たちを豊にすると気づいたからこそ、多様性が重んじられる社会が形成されたのだと僕は考えています。
しかし、日々その違いが原因で人生が貧しく感じることもあります。
日々の自分の価値観とは異なる事象に対する小さな違和感から、大きくなれば戦争にまで発展することもあります。
大学の授業でなるほどと思ったことは、「戦争は現代に近づくにつれ、正義が複雑に絡まっている」ということです。多様性が広がった社会では、一概に「正しさ」を見極めることが難しくなってきているということでした。
だからこそ僕たちも、ときに答えのない壁にぶつかることがあります。
僕が在籍する野球部でも、多様性による壁が生じることが度々有ります。特に野球を含めたチームスポーツでは、部員数も性質上おのずと多くなり、意見を一つにまとめることは困難を極めます。100人いたら、100通りの考え方があるわけです。
多様性ってそもそも必要なの?
冒頭で多様性がある社会について少し触れましたが、そもそも多様性が必要だと思わなければ僕らが悩んでいる意味がありません。
なので、多様性の大切さについて一度整理したいと思います。
多様性の大切さを既に知っている方は、ここの部分は飛ばしてもらっても構いません。
僕は多様性に関して、
①組織を活性化させる
多様とは人の数だけ価値観・考えがあるということです。つまり常に何らかの異なる考えが存在することになり、その違いは何かを始めるきっかけになります。逆に、同じ価値観・考えで満たされた組織は、現状に満足し思考を停止しがちになります。
②組織を強化する
①で述べた価値観・考えの多様性は、何かを成し遂げるときに、パフォーマンスの質を高めます。様々な視点をぶつけ合って導き出した結論やパフォーマンスは、世の中のあらゆる場面に対応できるもの、つまり死角の少ないものになります。多様性の中から生まれたパフォーマンスの質は高く、それはそのまま組織の強さにも反映されます。
③組織に属する全員に輝くチャンスがある
組織は基本的に目指すべき方向性を持っています。昔であれば、その組織と異なる考えを持っている人は排除されたでしょう。しかし、多様性が認められることで、逆に異なった考えが脚光を浴び、組織に貢献できるチャンスを得ることができるのです。これまでは異端とされていたような人でも、組織・社会に貢献できるチャンスが広がったのです。
という主要な3つのメリットがあると考えています。
もちろん、人によってこの他にもメリットを見出せる人もたくさんいるでしょう。そう思った人であれば、多様性の持つ力がより大きいと感じていると思います。
多様性には人々の秘めた才能を開花させ、その力にさらに磨きをかける可能性があります。現に、僕が属する野球部でも、常に僕が想像もしていなかった考えで溢れています。自分一人では決して気づけない視点からのアドバイスで、何度より良いアイディアが出たかわかりません。多様性があるからこそ、自分を含め世界が豊かになっていくのです。
しかし一方で、冒頭のように多様性によって発生する問題もあります。
多様性が重要だと言葉で分かっていても、人は自分と違うものに居心地の悪さを感じたり、ストレスになったりします。意見が対立し、収拾のつかなくなる場合もあります。
違うからこそ得られる恩恵と、違うからこそ生じる亀裂が確かにあることは事実です。
多様性がゆえの対立
僕が所属する野球部は部員数が100人を超えますが、その中でミーティングを開くと(さすがに全員参加のものはほとんどありませんが、、、)、当然ありとあらゆる意見が出ます。学生のスタッフたちが事前にミーティングの大まかな方針を定め、議題を絞ってくれていますが、それでも思いもよらない方向に議論が発展することもあります。
これも、多様性があってこそです。それによって、荒削りだった考えは洗練され、より良いものになります。全く新しいアイディアが生まれることもあります。ミーティングが発展すればするほど、生み出す価値は大きくなります。
その一方で、全く相容れない意見が対立することもしょっちゅうあります。完全に反対な意見であればいっそのこと別世界の考えだと納得できますが、方向性は似ていても意見が全く異なる場合が一番厄介になります。
例えば大学野球部での上級生の仕事を考える時に、
・個人で活躍するチャンスが少ない分、サポートに徹することでチームに貢献する
・これまでの経験を生かして自分の強みを絞って磨き上げ、プレーでチームに貢献する
といった意見が出たとします。
この二つは「チームに貢献する」という方向性は一緒でも、その方法が異なります。こういった場合が最も難しいのです。
多様性の対立で最も大切なのは「受容」
では、例のような対立が生まれた時に大切なことは何でしょうか。
僕は、多様性による対立が生じた時は、その後に出た決定を「受容」することが最も大切だと思います。
なぜなら、この二つのどちらかが正しいかに答えをつけるのは正直無理だからです。
もし仮に答えを出したとしても、100対0でどちらかが正しいことにはほとんどなりません。
これまで見てきた中には、チームのサポートに徹して未来の戦力である下級生を育て優勝に導いた先輩もいれば、不器用ながらもバッティングを磨き最後の公式戦でサヨナラヒットを打った先輩もいました。どちらも間違いなくそれぞれの場所でチームに貢献していまいした。
答えがないからこそ、議論する時は率直な意見をぶつけ合い、決まったことは納得して受け入れる。この過程を経て、多様性の良さが活かされます。その場限りの同意ではなく、自分の中で受容することまでを含めて、初めて多様性を大事にしていると言えます。
逆に、いくら議論を重ねても、その後の行動に繋がらない・行動の質が落ちるようでは意味がありません。人は誰しも疑問や疑念を抱えては全力を出せません。せっかく質の高いミーティングをしても、それが実行できなければ全てが水の泡です。
だからこそ、たとえ自分と異なる意見であっても、決まったからには受容することが最も大切になります。
自分の軸を“細く”・“強く”
ここまで、多様性の良さ、受容の大切さを書きましたが、これまた頭でわかっていても実際に行うことは難しいです。
そこで僕は、自分の軸を”細く”・”強く”持つことをイメージしています。
自分の軸とは言葉の通り、自分の軸です。軸というと想像しづらいかもしれませんが、ここだけは譲れない、一貫しておきたいと強く思う部分です。芯とも言えます。
ただひとつ注意しておきたいのは、”細く”・”強く”の”強く”はそのままの意味です。軸がブレやすい人は、信頼を集められません。一方で、”細く”はこだわりを捨てるということではありません。”細く”を意識してその人の個性が失われてしまっては本末転倒です。僕が言いたいのは、“余計”なことを削ぎ落とすということです。
その“余計”の最も代表的なものが感情です。人の感情は素晴らしいものであり、豊かであればあるほど刺激的な人生を形作ることができる一方で、何かを受け入れる時には障害になることもあります。
ひとつ例を挙げてみます。
「遅刻をしないための対策」を考えるミーティングがあるとしましょう。そこで、朝が弱く何度も遅刻してきて、周りにも迷惑をかけているA君が
「同じ寮でペアを決めてしまって、起こしあえば遅刻はなくなるんじゃないかな?」
と言いました。
この記事を読んでくれているあなたは解決策として良い案かと思うかもしれません。しかし、メーティングに参加しているメンバーの立場になると、「どの口が言っとんねん!」と、議論以前に聞く耳を持つ人が少ないでしょう。おそらく別の意見について深く話され、選択肢として除外されていくことになると思います。
では言い方を少し変えて、
「今まで遅刻が多くて本当に申し訳ない。自分でもいろいろ試してみたけどなかなかうまくいかなくて、、、それで、最近同じ寮の〇〇と毎日起きてるか確認しあうようにしたんだ。そうしたら遅刻しなくなった。だからこれを部全体でやるのはどうかな?」
と言ったらどうでしょう。
もちろんA君の言い方に問題があったことが明らかですが、この言い回しであれば誰もが納得するのではないでしょうか?別案があったとしても、この案としっかり対比して議論ができる土台は作れたと思います。
つまり、意見にかかわらず、感情の状態によって受け入れ方が変わるということです。同じ意見でも、受け入れる側の感情によって理解度が大きく異なることは往々にしてあります。
何か違うと感じた時こそ、その原因が論理的に説明できるものなのか、それとも感情によるものなのかを冷静に判断することが大切です。
それをイメージしやすくする思考法として、僕は自分の軸を”太さ”で考えています。
太い人同士であれば頻繁にぶつかりますし、細い人同士であればなかなかぶつかることなく理想的なコミュニケーションが取れるのだと思います。
まとめ
今回は多様性について話してきましたが、要点は以下の3つです。
① 多様性があることは組織にとっても自分にとっても良いこと
② 「受容」することで多様性は活かせる
③ 自分の軸を”細く”・”強く”することで、多様性の中でも活躍できる
僕自身、まだまだ接する人の量も少なく、真の意味での多様性を経験していないかもしれません。しかし、少なくとも100名を超える部に在籍しているだけで、これだけのことが見えてきます。
また、今回は多様性について書きましたが、同質性にも様々な側面があると思います。それについてはまたどこかで触れられたらなと思います。