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【本物】ウニの代わりにビジネスを味わった鮨屋

1本20万円の白ワインを隣のおばちゃんが普通にくれる世界線ってどこにあるか知ってますか?

ちなみに僕は知らなかったです。つい1週間前までは、、、

ということで投稿不定期が定常化してしまったタクトパスです。
ただ、大学生の頃から「豊かな人生のためにもこれだけは言語化しておいたほうが良い!」と思った内容は他の記事にも残しているので、気になる方は是非読んでみてください。

拙い文ではありますが、誰かのためになればと思って毎回書いてます。
※先に断っておきますが、今から書くことはあくまで僕の主観です。
みなさんにイメージしてもらいやすいように、また僕がより説明しやすいように店名を出させていただいておりますが、今回の内容は僕が経験したことです。

「鮨屋のサービスを100として、鮨を握る作業ってどれくらい大事だと思う?」


「ここ私がよく行く店だから、明日ここに19時にしましょうか!」
そんな軽いノリで大学の大先輩からラインが送られてきました。

そのお店こそ

松乃鮨

100年以上もの歴史のあるお鮨屋さんです。
https://matsunozushi.com/


このお店で四代目のYoshiさんに鮨を握っていただきました。
ただ、ホームページにも記載されていますが、このYoshiさんちょっと僕の頭じゃ理解が追いつかないような人です。

持っている資格として、

・フグ調理師免許
・ソムリエ資格

と記載されています。実際にワインもメインの飲み物として提供していましたし、一流の職人さんは食全般に対してやはり理解が深いんだなとこの辺りはまだ理解できます。

問題は経歴です。

・海外文化とホスピタリティーを学ぶためにプロスキーガイドとして欧州/北米に4年間在籍
・Gサミットで鮨を握る
・バッキンガム宮殿でゲストとしてロイヤルファミリーに向けて鮨を握る

はい、来ました、よくわかりません。

鮨職人さんなのにプロスキーガイド?
ロイヤルファミリーと会話しながらお鮨を握って提供したことがある?
日本語で書かれているのに、とりあえず理解はできません。

その他にもよくわからないスケールの話を聞きましたが、正直空想の世界の話かと思いました。

とりあえずここで言いたかったことは、Yoshiさんという間違いなく一流の方の握ったお鮨をいただく機会があったということです。
そんなYoshiさんに色々と質問をしていた中で、逆に一つ質問されました。

「寿司屋のサービスを100として、鮨を握る作業ってどれくらい大事だと思う?」

鮨屋さんは仕入での目利きが大事だし、魚一匹捌くにも高い技術がいると聞いたことがありした。
なので握るだけなら「20-30くらいですか?」と答えてみました。

すると、
「実際は2か3なんですよ。正直握るだけなら僕が教えれば3ヶ月でできるようになります。ただ、鮨を握る作業って本当に表面でしかなくて、その裏に仕入や仕込、雰囲気作りからお鮨を出すタイミング、お客さんとの会話まで、あらゆることが揃って初めて鮨を出せるようになるんです。そしてこれらは全て積み重ねであり、準備なんですよね。」と。

この話を淡々と、でも骨の髄まで染み付いているように語るYoshiさん。
僕みたいなひよっこでも一流の片鱗が見えました瞬間でした。

例えば僕の先輩は年配の方だったので、僕の半分くらいのペースでお寿司が出てきます。

隣のカウンターの人には貝を”握り”で出していましたが、僕らの方では”つまみ”で出していただきました。
カウンターの足元には奥行きが作られていて、ビーンっと足を伸ばしすことができました。
お手洗いに立てば、席に戻る際に必ず椅子を引いてくれます。
もちろん後ろに予約なんて入ってないので、好きなだけゆっくりできます。

年齢や性別、その人の嗜好や当日の様子によって握る鮨も違えば、そもそものサービスの種類も違う。

言葉を選ばずに言えば、旅館のような落ち着く雰囲気で、食べたい時に好きなだけ極上のお鮨が出てきて、自分の知らない世界の話を聞けて、時計なんて一度も見なくて良い。

そんな世界がそこにはありました。

でもこれって、最初にYoshiさんが説明してくれた「準備」ありきで作られているんですよね。
一朝一夕でできているものではなく、Yoshiさんのこれまでの人生、引いては松乃鮨の100年を越える積み重ねによって実現されている訳です。

おそらく僕が見えていたのものYoshiさんのサービス100の内5か6くらいでしょう。
でも、あの言葉にはしがたいあまりにも濃すぎる4時間の裏には、僕らが全く想像できない準備がなされているのです。

隣のお客さんは日本一のワイン仕入業者さん

さて、ここまでYoshiさんの話ばかりしてきましたが、少し自分の席から周りを見回してみましょう。

少ないカウンターといえど、他にもお客さんが座っています。
今回隣に座っていらっしゃった方が、Yoshiさんが日本一と認めるワイン仕入業者の社長さんでした。

その方から聞いた話はどこまで外に出していいか分からないので詳しくは書けないですが、普段の生活では全く入ってこないような情報ばかりでした。

イメージをつけるために一つだけ出すとするならば、
「日本って海外に比べて良いワインも安く出してるから、中国の富裕層はこぞって日本にワインを飲みにきてる。だから、ただでさえワインの購入で競り負けて日本に良いワインが入ってこないのに、何とか手に入れても日本人の手に届かなくなっている。」といった話もありました。

日本の物価安をありありと実感したとともに、すぐ隣に存在する中国との圧倒的な差を感じざるを得ませんでした。

こういったところで、本物を実感できるチャンスが日本ではどんどん減少してるなぁと思ったりします。

ちなみに、この社長さんからはボトルで20万円ほどのワインを普通にお裾分けいただき、とても美味しくいただきました。この辺りも普通のお店では決して遭遇することないぶったまげた経験でした。

その他にも、周りの方の会話が断片的に聞こえてきましたが、どなたも経営や何かしらで成功されている方ばかりのようでした。

経営の哲学を語っている方もいれば、先週までのヨーロッパ周遊の話をしている方もいる。あらゆるジャンルの聞いたことない話が展開されており、「人から情報が集まるってこのことか」と実感しました。

世界で戦える鮨

さて、もう一つ書き残しておきたいことは、「鮨は世界に通用する素晴らしいものだ」と言うことです。

これから日本が世界と渡り合っていくに「観光」が一つの鍵になると信じてやまないのですが、鮨は間違いなくその中心にいると思います。

例えばハワイの回転寿司なんて、普通のネタが1皿$4($1=¥140の今だと560円⁉︎)が普通と言われたりしてますよね。

それこそYoshiさんもこの点に重きを置いていました。

プロスキーガイドとして海外を回り、Gサミット、バッキンガム宮殿、などの壮々たる場所で鮨を握っていたのであれば、間違いなく実体験で鮨の価値を実感されています。

そのYoshiさんが鮨は世界に通用すると言っていたので、間違いないと確信しています。

ただ、そのポテンシャルを日本人はしっかり発揮できているのでしょうか?
そもそも鮨だけでなく、日本の魅力を余すことなく世界に伝えられているのでしょうか?

最近はドンキホーテが海外で寿司屋を広げ始めていたりもしていますが、まだまだ可能性は無限大に広がっていると思います。

例えばYoshiさんが実際に行っているのは、鮨の一日体験ツアー。
・朝から参加者と一緒に市場の仕入れを回り、日本式の市場やとれたての魚を楽しんでもらう
・昼に実際に鮨を握る体験教室
・そしてクライマックスの夜には、Yoshiさんが握る最高の寿司を楽しむ

もちろんVIP向けではありますが、もはやこれは鮨だけでなく、”鮨を中心とした日本文化”を楽しんでもらうように作り込まれています。

今後日本を観光で盛り上げるためには、食べ物、文化、自然、などそれぞれに分けるのではなく、全てを統一した総合格闘技的戦い方が必要です。
その戦い方をまさに体現されていました。

Yoshiさんの話から、鮨の素晴らしさはもちろん、日本という国がこれからどうすべきかがストンと腹落ちしてハッキリ見えるようになったのです。

結局本物に触れることが原体験になりやすい

よく何かを成し遂げるには「原体験」が大事と言われます。
別に僕はまだ何も成し遂げていないので、この言葉が正しいかはわかりません。

がしかし、これだけ多くの経営者などが同じような発言をしていることを考えると、あながち間違いではないと思っています。

ではその原体験ってどうやって体験できるのでしょうか?
これは人それぞれだと思いますが、確率を上げる方法の一つとしてはやはり「本物に出会う」ことだと思っています。

こだわり抜かれた鮨の味
心地よい時間と空間を作るためのハード&ソフトのサービス
経営者が集う情報の質がおかしいカウンター
海外の人が真に求める体験

など、たった3時間の食事だけでありえないほどビシビシに刺激を受けました。

友達と酒飲みながら明日には忘れるような話をする3時間。会社で残業する3時間。どれも同じ時間であるにも関わらず密度が圧倒的に違います。
別に友達と飲むことだって必要ですし、仕事だって忙しいから残業だってします。

ただ、「本物に触れる時間」こそやはり一番大事であり、少しお金がかかっても意図的に作り出すべき時間だと再認識しました。

この時間こそが自分の人生を豊かにしてくれる経験になります。

もしかしたら想像よりも実際の経験が下回り、ショックを受けるかもしれません。逆に刺激的すぎて人生が180°変わるかもしれません。

どんな結果になるにせよ、それは「本物を経験」することで出会える初めての世界であり自分の財産です。

いつもと同じことをするのではなく、一歩別の世界に足を踏み入れてみる。
これだけで自分の人生の幅は広がり豊かになり、ある人はその経験こそが「原体験」となり飛躍的な活躍をしていく。

そんな感じがしています。

まとめ

まとめというほどのことではないですが、一応今回僕の経験の中で大事だと感じたポイントを3つ置いておきます。

・日本の鮨は世界レベルで美味しい
・日本は魅力であふれているが、それを伝えるにはまだまだ不十分
・お金、時間をかけてでも本物に出会いに行け

一つ心残りとしては、こんなに美味しいお鮨だったのに、ウニが出てこなかったことです。ウニとても好きなのですが、、、

まあでもこれは次回までのお楽しみと言うことにしておきます!

実は、この経験もあって、本物を体感するために8月には3週間ほどヨーロッパに行ってきました。日本との違いや日本のポテンシャルについても実際に経験して考えたので、これはまた別記事で出します!

それではまた!

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タクトパス
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