ムードメーカーの影響力はどうやって作られているのか
影響力のある人物ってどんな人でしょうか。
政治家?トップアスリートやアーティスト?それとも大企業の社長?
おそらく誰もが知っているような有名人は影響力があると言えるでしょう。
しかし、少し考えてみてください。
“影響力”ってあまりにも漠然としすぎていないでしょうか。
その有名人たちの影響力は、僕たちの人生に一体どれほどの影響を与えているでしょうか。
僕が思うに、有名な人は「社会に大きな動きを作ることができる」影響力を持っています。でもこれって、実は自分の人生には大きな影響がないことがほとんどではないでしょうか。
もちろん「社会に大きな動きを作る=大きな仕組みを作る」ことができるわけで、僕らの生活様式はその影響を受けています。
しかし、僕たち自身にとって“人生が変わるような影響”とは、主観的なもの、言い換えれば心が大きく動くようなものではないでしょうか。
人生は主観で見た経験の積み重ねの結晶です。
小さい頃の貧乏生活だってそのまま貧乏暮らしを続ければ嫌な思い出ですが、自分の心が変わる転機を経て豊かになれば貧乏時代は武勇伝になります。
つまり何が言いたいかというと、
“自分の人生を一番左右する”影響力は何か
を見極めることが大切だということです。
有名人の影響力より、両親からの愛や、恋人からの想いが自分の人生に与える影響の方がよっぽど大きいと感じませんか?
明らかに自分の力ではコントロールできないような大きな影響力を気にするより、自分の身近にありかつ自分の人生を大きく変える可能性を秘めた影響力に目を向けた方が良いと
いうことです。
自分に最も影響を与えているものは何か
ではその目を向けるべき影響力はどのようなものでしょうか。
結論から話すと
自分に最も近い5人が持つ影響力
ということになります。
これはかの有名な「5人の法則」ですが、野球というチームスポーツを16年続ける立場からすると自然とこの答えにたどり着きます。
僕のチームでは
「自分の半径2mの雰囲気を変えろ」
という言葉をよく使います。
特に劣勢に立たされている場面では、4年生が激を飛ばしながらこの言葉を使います。
この言葉は自分の影響力の範囲を的確に表しているなと常々感じます。
野球はチームスポーツでありながら、個人がチーム全体を変えることが難しいスポーツでもあります。
それを知らずにチーム全体を変えようとエネルギーを使ってもうまくいきません。なぜなら、一度に大量の人を変えようとすると、一人当たりに与えられる影響力が小さくなるからです。
ムードメーカーと呼ばれる選手もいますが、実は彼らも一人でチームの雰囲気を変えているわけではありません。ムードメーカーはきっかけを掴めば良い雰囲気づくりができるキーパーソンを何人か把握し、そのキーパーソンに影響を与えることでチーム全体の雰囲気を変えているのです。
イメージとしては
1人から全員へ
ではなく
1人から3人(キーパーソン)へ→3人から9人へ→9人から全員へ
という段階を踏んでチームの雰囲気を変えていきます。
逆転ホームランなどを打てれば一気に雰囲気を変えられますが、そんなものは簡単に打てません。だからこそ流れを変えるためにはまずは「自分の半径2m」、両隣にいる仲間に集中してエネルギーを注いで雰囲気やマインドを変えます。
これは野球の話ですが、これは全てに通じると思います。
つまり、自分が影響を与えることができるのはものすごく近くにいる人だけであり、影響を受けるのも近くにいる人だけということです。
ネットではなくリアルなコミュニティを重視する
このように考えてくると、リアルで繋がれるコミュニティがものすごく重要になってくるという結論に達します。
よくSNSのフォロワーはものすごく多いのに実際に交流するメンバーが固定されている人をかなり見ますが、これはものすごくもったいないと思います。せっかく繋がれる可能性がある人がそれだけいるのに、なぜ会いに行かないのかと思います。
近くにいないと影響を受けないのですから、いくらSNS上で繋がっていても自分に良いことはほとんどありません。いろんな人に実際に会って初めて、真の意味で影響を与えあえる関係になれるのだと思います。
最近オンラインサロンが流行っていますが、これもリアルで人に繋がることができるというところが大きな魅力ではないでしょうか。今まで繋がることができなかった影響力ある人に近づけるチャンスが溢れていることがメリットなんだと思います。
僕自身この間気付いたのですが、インスタなどのフォロワーよりもラインの友達の方が1.5倍くらい多いです。仕事柄の影響もありますが、実際に会う人に価値を置いてきたからかもしれません。
ラインの友達は実際に何か用事がないと増えないことがほとんどです。一概には言えませんが直接の繋がりがある人がこれだけいると思うと少し自信になったりもします。
少し話が脱線しましたが、要点としては
リアルで影響を受ける人がどれだけいるか
そしてその影響を与えてくれる人たちはどんな人たちなのか
を一度整理してみて欲しいのです。
その人たちによって自分の人生も大きく左右されます。
もちろん僕も近くにいる人のことはものすごく意識しています。
最近で言えば、10月のドラフト会議で先輩後輩、そして何より同期からプロ野球選手が生まれました。とても喜ばしいと同時にものすごく刺激を受けまくっています。
プロ野球界とは名声やお金が溢れる大舞台です。ついこの間まで一緒に野球をしていた仲間が、数万人もの観客の前でプレーして、夢や感動を与え、数千万・数億というお金を受け取っていくのです。
そんな夢舞台で活躍する彼らから受ける影響は正直言葉に表しがたいほどです。野球に対する姿勢や人間性はもちろん、その舞台に立つ凄さを誰よりも知っているからこそ、彼らに負けていられないと強く感じます。
彼らが練習する時間よりも長く僕もやるべきことをやって、彼らに追いつけ追い越せで頑張ろうと心の底から本気で思います。
これも間違いなく彼らが近くにいる存在だからです。
どこの誰かも知らない人がプロ野球選手になっても自分の人生に影響は皆無でしたが、いざ仲間がプロ野球選手になると、自分でもよくわからないくらいのエネルギーが体内から湧き出てきたのです。
改めて影響力とは何かを考えさせられる経験でした。
まとめ
それではまとめていきます。
① “影響力”とは何か、自分にとって大事な“影響力”は何かを考える
② 人は近くにいる人から最も影響を受ける
③ 影響を一番受けるだろうリアルなつながりをもう一度見直してみる
もちろんプロ野球選手のように、遠く離れた存在でも時に誰かの人生を変えることはあります。しかし、その人の価値観だったり、ビジョンだったり、人生の歩き方には必ず近しい人の影響が入ります。
だからこそ、良い影響を与えてくれる人と一緒にいたいと日々考えています。逆も然りで、近しい人に良い影響を与えられるような人間になろうとも思っています。
何はともあれまずは「自分の半径2mの雰囲気を変える」ことを意識して生活していくことが、良い影響力を惹きつける秘訣なのではと思います。