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「となりの山田さん」を終えて
公演を終えて1か月。
BumpyBoxの3周年記念公演。ちょうどコロナ禍が始まるやいなやの時に設立した劇団。順調満帆ではなかった。設立して初回こそ公演がまだできたがその後、延期や客席減、感染症対策、中止、降板、ネガティブな事をポジティブに変えてと思い込ませてやってきた日々。
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そして本当なら昨年の3月に2周年記念としてやる予定だった公演。
この公演に1年半、かけた。辞めようやかと何度も思った公演。「呪われてるんじゃないか」と本気で考えた事も。
ようやく公演まで辿り着いた「となりの山田さん」。久しぶりに書いた長編台本。いつか書きたいと思っていた生活弱者が加害者になった際の事件もの。それに今の大っ嫌いな時勢を絡めた。ネット社会の不条理さに思い込みの怖さ。想像する事を止めた時代。観る人によって立場によっておそらく賛否が分かれるだろうとか覚悟して書いた。そして車椅子の自分が出て違和感のないよう作る事。自分だから書ける作品にする事。
舞台の絵的に恰好いいもの。昔やっていた劇団を思い起こし作った。
キャストは当初より大幅に変更を余技なくされた。でも今ある資源、役者を資源というのはいかがなものかと言われるかもしれないが僕は役者は素材、資源と思っている。今、ここで出来る最高を当てたつもり。演技力、技術、能力、才能はバラバラだったが役者、芝居なんて嗜好品。
何をやっても意見は出る。好き嫌いはある。だって作ってるのも人間、演ってるのも人間、観るのも人間。そこにこだわりすぎたら舞台なんて出来ない。
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そして「となりの山田さん」が出来上がった。
オープニング
オープニングはどうしてもやりたかった画格。
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本編でのイメージシーン。ここの稽古が予想以上に大変だった。声を前に出す、飛ばす。感情を入れすぎない内容に演出。位置取り。照明音響には拘った。場展の照明音響も恰好いい。当初よりかなりイメージが変わったオープニング。
シーン1
奥様3人衆。
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本編の始まり。大事なシーン。めちゃくちゃ稽古した。智子さんが芝居初。声の出し方からすべてかなり苦戦したがこの人の前向きオーラがなかったらきっとこのシーンが盛り上がらなかった。川地を立たすには海野、池崎が盛り上げなければならない。川地が立たなければ海野、池崎が立たない、兎に角その事を演出時に沢山話し稽古をつけた。理想通りまではいかなかったが大好きな3人のシーン。
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シーン2
大柳のターン
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当初は宇嵜がやる予定だった大柳。西村君はどうしてもやりたかった役者の一人。めちゃくちゃ恰好いいです。長台詞でしたが演出要求をしっかり租借してくれる、大柳の熱意と執着する異常さをしっかり出してくれました。音はあえてロック調。恰好いい。
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シーン3
山田家
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4人の白い人「ゆういちろう」「まいみ」「しょうた」「まさる」。こちらは当初6名の予定を4名に変更。個性を出した役作りと連携。すっしーの凛としたゆういちろう、裕麗君のすかしたしょうた、ユウジの暴れるまさる、カナさんの不思議ちゃんなまいみ。一番稽古したシーン。ここがうまくいかないとこの舞台は壊れる。そんなプレッシャーを稽古中、ずっと言ってたなぁ。
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シーン4
再び奥様
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大柳刑事と対峙する奥様達。そこにJun演じる「山田涼子」が登場。このシーンも何度も何度も稽古したところ。中盤に向けての重要シーン。泣き演技になってしまうJunへ何度もダメ出し。奥様達の動きもだいぶつけたところ。
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シーン5
天涯のターン
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大切なシーン。大ちゃんが元々やる予定だった役。うじゃのプレッシャーは凄かったと思う。大柳とはまた違った長台詞。
稽古中も悩んで悩んで自分の天涯を作っていったと思う。重要な役。
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山田家へ。
結構、カオスなシーン。このあたりから登場人物が多く板に登場する。演出で配置や動き、神経をつかった。ようやく「山田正樹」「愛子」が色々語りだす。山田さんの正体、ゆういちろう、まさる、まちいみ、しょうた、×××・・・そんなシーン。
まさる、しょうた、まいみの動きも何度も稽古演出。そして川地登場。僕自身の芝居はいつも演出全てつけてからなんで自分の登場シーンはいつも椅子を代役で動かしてやってた。
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シーン6
川地のターン
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泣き芝居を排除して川地をつくった栗谷。
稽古を何度も何度もして本番、恰好いい川地になった。音も舞台ならではで考えました。
シーン7
海野と池崎、再び大柳
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衣装と共に変化する池崎と海野。音羽ちゃんは声色だけではない演技にチャレンジ。過去一、怖かった。智子さんがリアル智子で可愛い。大好きなシーン。
シーン8
大柳、天涯、山田家へ
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ここから怒涛の展開。
演出も一番、力を入れました。
が、やはり自分の稽古は後回し。人数が出る芝居は位置取りや見栄えをかなり考えた。
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そして何より長台詞の応酬が始まる。
演出も楽しいがやっぱり演じるのが本当に楽しかった時間。演じてる時に戦ってるって久しぶりに感じた時間。
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照明も凝ってもらいました。
正樹を演じる上で「普通」を意識しました。普通である事の切なさ。普通でいたい切なさ。自分で書いた脚本だけど、切なかった。
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群小。照明が素晴らしい。
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そして終焉へ。
小野ちゃんが本番にいい演技を持ってきてくれました。稽古2週間前に演出でめちゃくちゃ怒ったところをきっちり直して持ってきました。
愛子、素敵でした。
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エピローグ
ラストは瞬きをしないよう、不自然な感じを出したかった。
お客様から色々なお声を頂いたラスト。
自分的には好き。
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3年目にして初の劇場公演。大林さんの照明、シンゴの音響も素晴らしく自分のやってもらいたい照明、音響で舞台がやっと出来た。
小道具受付のまーちゃん、ミクちゃん、尾崎さんにもようやくこの景色を共有出来たのがほんとに嬉しかった。
車椅子でやっても違和感のない役を自分で書けた事、決して抒情的にならず、物語を紡げた事。
まだまだやりたい芝居はあるけど、次に繋がる舞台が出来たと思う。
沢山の感想を頂いた。考察、続編希望、こんな嬉しい事はない。
シアターエートーでまた演りたい。また頑張ろう。
Photo by 「写心家アキラ」
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こちらの舞台は4月30日まで配信観劇しております。
是非、ご覧頂きたい。
宜しくお願い致します。
配信観劇購入はこちらから💁♂
https://bumpybox.thebase.in/
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![圓井寿夫/マンドン](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56292498/profile_d73ea3dc82d24f204b1889f838308f36.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)