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オリンピックに考える
スポーツとビジネスの共通点
会社のプレゼンにSir Clive Woodwardが来られたことを書いた。彼は元ラグビーのコーチでもあり、またロンドン2012でTeam GBを率いたオリンピックのリーダーでもある。彼を含め、私が学んだCorporate AthleteのJim Loehrなど、スポーツ出身でビジネスにおいて組織やリーダーシップのコンサルをやっている人は多くいる。
私自身が、そもそもスポーツとビジネスには共通点が多い、と思っているのもあり、Corporate Athleteのトレーニングを自分が受けて以来自分も習慣的にスポーツに取り組んでいるのもあり、スポーツ選手が大好き。勝手に共感している。
さらには、人のパフォーマンスを上げる大きな要素が社会、特に経済発展を遂げている途中の社会(戦後の日本、新興国など)においては、頑張ることが収入アップにつながりやすく、人のモーチベーションが上がりやすいのに対し、今の日本のように経済成長が右肩上がりとは行かず、若者が必ずしも収入アップを簡単なモーチベーションにしにくい社会においては、純粋に頑張れることの代表例の一つがスポーツであり、だからすごい人がスポーツの世界に出てくる(例えば大谷翔平)と勝手に思っているくらいである。
ドラマに溢れたオリンピックは面白い
当然、オリンピックも面白い。へたくそスイマーとしては、人間離れした競泳はいつ見てもわくわくさせられるし、毎月のTT(タイムトライアル)でも全然結果が出せないのに、あの大舞台で大幅に自己ベストを更新してメダルを獲得する人たちを見ていると、本当にすごい!!と鳥肌が立ってしまう。
金メダル候補が2回戦くらいで敗退することもあれば、最後の大逆転でやはり東京大会以来の金メダルを獲得することもある。一流選手であれば、大舞台は逃さない、と簡単にくくることもできないドラマが毎日続出。
一般人のトライアスロンのレースでさえ、レースの振り返りを読めばドラマがあるんだから、ましてやオリンピアンなら。
メダルだけでなく、マイナースポーツで圧倒的な日本一をキープし、5回もオリンピックに出たカヌーの羽根田卓也選手のような人もいる。メダリストとして活躍する羽根田選手のおかげで初めてこの競技を知った私みたいな人間もたくさんいるに違いない。
競技種目に考える
個人のドラマが面白いのももちろんだが、競技種目の選定にも毎回考えさせられる。ちょうどオリンピックの直前にイタリアでソフトボール女子のワールドカップファイナルが行われ、日本がアメリカに決勝で勝ち、上野選手がMVPに輝いた、というニュースをやっていて「これがオリンピックならもっと話題になったのに」というコメントがあった。まさにその通りだと思う。ソフトボールは今回のパリ大会では種目から外れ、ロサンゼルス2028大会では戻ってくるらしい。どこの国でやるか、ということも選定に関わっているのだろう。実際東京大会の時の種目選定を調べていたら、
「東京2020大会では、東京が提案した野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技全てがIOCに採択され、追加競技として実施することになりました。」
との記載を東京都のポータルサイトで発見。
今回のパリで初めて採用になったのが「ブレイキン」 なんとそのルールとは:
男女各1種目が開催され、16名のBボーイ(男子)と16名のBガール(女子)がそれぞれ1対1で対戦する。選手は、6歩などのフットワーク、ウィンドミルなどのパワームーブ、フリーズなどの要素を巧みに組み合わせて演技を行うが、DJの流す曲のリズムやビートに即興で動きを合わせて個性あふれる演技をしなければならない。史上初となるオリンピックメダルをかけた熱いバトルに注目が集まる。
とのこと。そもそも大会自体はあったからこそ、選抜選手がいて、審査ができるんだろうけれど、今までオリンピックを見ていた側からするとびっくりなスポーツ。
さらに、前回の東京大会で採用となったスケートボード。男子は前回、今回と堀米優斗選手(2024年現在25歳)だが、女子は前回の金メダルが当時13歳の西谷椛選手(最年少メダリスト)今回が14歳の吉沢恋選手と、このスポーツって、体が小さくて成長する前の人にしかできないんじゃないか??と思ってしまった。本当にそういうスポーツを、がちでプロがいて、何年もやってきた人たちが戦うオリンピックに採用すべきなのか??ともやもやしてたら、吉沢選手がメダル受賞インタビューで、「年を取ったらできない、と思われているスポーツを自分が大人になっても続けることで広く楽しめるものにしたい」というような主旨のことを言ってて、14歳にしてすでにこのビジョン、さらには、大局観、と感動してしまった。
ブレイキンのShigekixの半井重幸選手も言っていたが、種目をやっている人たちにとっては、一気にその種目の知名度や多くの人への関心が寄せられる、という点で、オリンピックに採用されるということは本当に意味のあることなので、こうやって新しいスポーツが採用されていくということも、オリンピックを持続していくうえで大切なんだな、と思えた。
無くなった競技
ついでに無くなった競技を調べてみたら、これも結構受けた。
しかも、前回万国博覧会と一緒に行われた1900年のパリオリンピックに特に珍競技が多かったらしい。釣り、とか、他の競技の選手が出ていた綱引き、などがなくなるのはもちろんだが、結構な競技が「地味だったから」で無くなっているのも納得できる気も。それで行くと、競技人口はそこまで多くないだろうけれど、今回はベルサイユ宮殿で行われた乗馬なんかは普段競技に親しみがなくても、花がある!ベスト3かも。かくいうトライアスロンだって、オリンピックディスタンスというのがレースタイプの名前になっているくらいだ。
パラリンピックの楽しみ
そしてオリンピックが終わったら今度はパラリンピック。ありがたいことに周りにパラリンピアンの知り合いがいるということもあり、東京でもパラリンピックがあったおかげで、パラのレースを見る機会も持て、さらには今年はパラ陸上のボランティアもさせていただいたので、パラが本当に熱い!これこそ、「勇気」「強い意志」「インスピレーション」「公平」の4つの価値を広く伝える素晴らしい大会だと思う。今回はどのくらい見る機会があるかな。