面倒すぎるシェアオフィス|森と都市をつなぐプロジェクト vol.1
水源林を守る|間伐材で出来たシェアオフィス|TENTO
2020年最初のnoteの投稿です。
本年もよろしくお願い致します。
昨年末、僕らの2Fのシェアオフィス空間「TENTO」に興味を持っていただいた方とお話をする機会があり、そういえばきちんと言語化をしていない!気づき、どんな経緯で生まれたのか、どんな場にしたくて作ったのか、もろもろ振り返りをしてみようと。
国土の3分の2が森林の日本。
そして、その4割が人が植えた人工林で、現在それらの木々が高齢に達しかかり、有効活用が待った無しの状態。
大変だったけど、いろいろなことを気づかせてもらったこのプロジェクト、横浜で暮らし、働く僕たちが、今このタイミングでローカルの森林環境を詳しく知る機会となり、本当によかったと思ってます。
関わったみんなが、このプロジェクトで何がしかの成長の機会にさせてもらったはず。できるだけシンプルに、伝えられるか挑戦してみました。(と思ったら長くなったので3部構成で!)
◎シェアオフィス・マスマスについて
◎TENTOについて
横浜馬車道にあるシェアオフィス&コワーキングスペースのマスマスに2015年春に増設されたシェエアオフィス。神奈川県の最西端山北町の間伐材を使ったシェアオフィスで、以外と知られていないけれども横浜の水道水の5分の1は山北町から流れる酒匂川から取水されている。横浜と山北は水でつながる町なんです。
詳しい情報はこちらから(プロジェクトサイト)↓
そして、このプロジェクトを強力に推進していただいた、横浜の建築家ユニットIVolli architectureさん。彼らが「ローカル・地域」をテーマにしたWebマガジン『コロカル』に詳しいプロセス&経緯もまとめてくれていますので、こちらの記事も合わせてご覧いただけると、より深く伝わるはず!
はじまり|山北町との出会いは偶然に
はい、ラブストーリーは突然に。
(知らない人はググってください)
そもそものきっかけは、2014年はじめに2Fの既存空間の方のシェアオフィスが埋まり、関内イノベーションイニシアティブ代表の治田から「空いている奥のテナントにシェアオフィスを増設したい」と言うアイデアを聞いて、「いいですね!」と答えたところからはじまります。
ただ作るのなら、既存スーペースとは違い、【地域とつながる】【クリエイティブな空間】にできたら、マスマスの幅も広がっていいのでは?と考えていまいた。
ちょうどその頃、2014年にマスマスではFAAVO横浜という「地域」×「クラウドファンディング」をコンセプトにしたサービスをスタートさせたばかりで、“クラファン横浜”というイベントを自主開催、横浜でクラウドファンディングに挑戦してみたい方々を集めて、説明会をやっていたんです。
このFAAVO横浜に、山北で使われない木材をバイオマスやペレットにして活用させたい!と活動されていた福島さんが起案者として相談に来られたんです。
毎回、いや起案者さんの現場に伺うのはイレギュラーな対応なのですが、お話を伺った際に「ぜひ山北での活動を実際に拝見したい」とお伝えして、3ヶ月後の6月の晴れた日にマスマスの入居者でもあり神奈川の森林インストラクターの渡辺さん、前述の建築家ユニットの永田さん・原崎さん、そして大工の劉くんなど、大所帯で山北を訪れることになります。
山北町という町の存在を改めて認識したのも、その時。
横浜の子供たち(いまはどうなのでしょう、僕らの時代だけ?)は、山北町にある三保ダムを見学する遠足があって、あーあの三保ダムのある町かー、というのが最初の出会いでした。
人口減少|神奈川の東と西で大きな違い
はじめて訪れた(正確には小学生以来)山北町。JR御殿場線の山北駅を降りると小さなロータリーがあり、ハイキングに出かける観光客もちらほら。
若干さみしいイメージを持ってしまうような駅前ではあります。
訪れてから知ったのですが、訪問年の翌年に山北町にある3つの小学校が統廃合され2つになったり、人口減少と超高齢化社会の波が、同じかながわで確実に起きていることを知ります。
小学校や高校など、地域に学校がなくなると一気に町に元気がなくなっていくと地方では良く聞く話。
面積は神奈川の中では横浜に次いで2番目に広い、224.61km2。
現在人口9,600人ほど。
かたや人口、360万人。
そんな高齢化と人口減少が押し寄せる山北町。
総面積の9割が森林であるこの町に、最高にロックでcoolな林業従事者の皆さんとの出会いが待っていました。
間伐って?|長い年月をかけて成長してきた木をきちんと使う社会へ
僕らが福島さんに連れられて、はじめて山北町を訪れた時、森林組合にも立ち寄り、山北町森林組合専務 池谷さんをご紹介していただきました。山北の森のこと・森林組合の仕事について、詳しく僕らにわかりやすいように丁寧に教えていただきました。
・間伐といっても、間引いて捨てるのではなくて木材として活用できる
・現在木材需要の低下により、木材価格の下落がすごい
・山を持つ森林保有者が小規模、零細により、保有者を把握できないことも
・山北も土砂災害が数年前に発生し、山の管理保全も必要
そんなお話の中で、たまたま数日前に山から切り出したばかりの丸太があること、その丸太の使い道を探していることを聞き、見に行ってみるかい?とお誘いいただいたのです。
↓ 池谷さんと僕たち
実際に土場と呼ばれるスペースに足を運ぶと、数多くの丸太が平場に山積みになっていました。これらの丸太はキャンプファイヤーの薪にするくらいしか道がないこと。何か使い道があれば提案して欲しいと。
その日は、お礼を言ってそのまま横浜に戻り、数日後にIVolli architectureの二人にも相談して、あの丸太で今考えているシェアオフィスを作れないか、真剣に考えてみようか!となったのです。
今思えば、その時僕らは実際に丸太から、どうやって木材・材木になるのか、そのプロセスの大変さをまったく把握していなかった。
完全に素人。
でも、だからこそ、このプロジェクトがスタートできたのでしょう。
続きはVol.2で。
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