見出し画像

2024.7.9~13 北海道 礼文島・利尻島

これまでTumblrでブログをやってたんですけど、まとまった日記を書くには引用やリンクが付けづらかったり、スマホだと文章が途切れて表示されたり(致命的すぎん?)と勝手が悪かったので、こちらに引っ越します。

どこで書くかしばらく迷ってたんですけど、ひとまずnoteにします。
でも、noteは水が合うかわからんのと、見た目もカスタムできないので、良い環境があればまたどこかに引っ越すかも…

Tumblrは続けるし、過去の旅行記↓もあります。(例の表示崩れがあるかもしれんのでPC推奨)Tumblr、雑多に色々残せるから好きなんだけどね…。


出発準備

旅行に行く直前の6月末を最終出勤に、新卒から勤めていた出版社を退職しました。で、前々からとにかく遠い所に一人で行きたいと思ってたんですけど、6末まで普通にがっつり仕事があって余裕がなく事前計画は全く無し。パッと行けて治安面も安心な国内、北海道か鹿児島か…と考え、最終的に夏がベストシーズンの北海道に決定。興味のあった礼文島と、せっかくなので隣の利尻島へも行こうと思い始める。

7月後半だと世間の夏休みと被るので、行くならお盆前までが良さそうだけど、準備が…本当に行くかどうしようか…とか思ってた矢先、たまたま会った友人がまさしく礼文島と利尻島の一人旅経験があって、おすすめの場所や宿を教えてもらえたので(グッドタイミング、ありがとう…)これはもう行くしかないと決意。その時点で出発予定の1週間前くらいになっていたので急いで足と宿の手配にかかる。

で、本格的にアクセスを調べ始めると、これがなかなかシビア!

稚内〜礼文島〜利尻島MAP。島、結構遠いぞ
引用元:https://kokkyo-info.go.jp/island/hokkaido/area01/

伊丹空港→羽田空港→ANA乗換で稚内空港へ→バスで稚内フェリーターミナルへ→フェリーで礼文or利尻島へ

関西出発でフェリー使用のルートだと上記になるんですけど、稚内行きの飛行機や、稚内空港からのバス&フェリーの本数が超少ない。
礼文↔︎利尻間のフェリーのこともあるので、ちゃんと計画立てないと乗り換えミスったら途中で詰む感じだった。

さらに、離島なので宿泊先は少ない上、ネットの予約サイトに載っているホテルはほぼ全て満室(そもそも電話予約のみの小さな宿が多数)!

僻地で宿なしは流石にやばいので、観光協会のHPで民宿やゲストハウスを調べて電話をかける。飛行機の空席具合(これも満席直前)と、何日目にどちらの島の宿を抑えられるかで全体のスケジュールも自ずと決まってくるので、各アクセスの時刻表を睨めっこしながら慎重に予定を組んだ。
あと、トレッキングもしたいし結構寒いっぽい?ので、急遽アウトドア用の軽いジャケットなどを買ったり、シューズを母から借りたり数日で準備。

今までいろんな旅行や遠方取材の手配をしてきたけど、急ごしらえだったことを差し引いてもちょっとハードル高めな印象でした。
ちなみに利尻島には空港があるので、フェリーに乗らずに新千歳空港を経由して利尻島まで行く手段もある。今度機会があればそっちもありかも。(今回はフェリーに乗りたかったんじゃ〜)

7/9(火)出発

朝10:00ごろ、伊丹空港。羽田空港行きのANA便に乗り込み旅が始まる。

伊丹空港にて。久しぶりの飛行機、ANAに乗るのはさらに久しぶり

11:15羽田着/12:40羽田発→14:30稚内空港着

羽田空港に到着。ペッパーが一人前に働いていた
稚内空港行き便の時刻を確認し、昼休憩へ
羽田空港内のち〜ちゃいスタバ

めちゃくちゃ余談だが、スタバのアプリには訪れた店のスタンプを集められる「マイ ストア パスポート」という御朱印帳みたいな機能がある。羽田空港のスタバはゲート内にあって当日飛行機に乗る予定がある人じゃないと行けない店なので、だから何やねんという感じではあるが記念にコーヒーを買い、スタンプをゲットした。

これがそのスタンプ
いよいよ羽田空港を出発!わ〜い!

移動時間の長い今回の旅、飛行機やフェリーの中では色々と本を読んで過ごしていた。Kindleでぽちぽちと買っては読まずじまいだった積読たち。こういう時間が欲しくて自分は北海道まで行くんだという気持ちになる。

↑主に読んでたもの。写真家の星野道夫氏が、自身のアラスカの暮らしぶりや、厳しい自然の中で生きる人・動物たちの営みについて手紙形式で綴ったエッセイ。元々、旅先で読みたいと思っていた本。めちゃくちゃ良かった。


稚内空港が近づく。明らかに植生が違う

14:30過ぎ、稚内空港に到着。飛行機が少し遅延したので、トイレ休憩もそこそこに空港前のバスターミナルへ急ぐ。

稚内空港のバスターミナル
乗り込んだバスの車内から遠ざかる稚内空港を見る。
小さな空港やね…
稚内フェリーターミナルに到着。周辺には何もない。
中は結構広くて綺麗。

初日は利尻島に宿泊する予定なので、利尻島の玄関口である鴛泊(おしどまり)港行きフェリーのチケットを買う。チケット代、片道2,990円。

ターミナルの壁に貼ってあった地図で、位置関係を再度確認。樺太の近さに驚く
乗る予定のフェリー・サイプリア宗谷(そうや)
中に入ったら思ってたよりかなり広くて綺麗!
雑魚寝スペースもかなり綺麗!

16:40 稚内フェリーターミナルを出発。
鴛泊港までは所要1時間40分ほど。この間、また本を読んだり、ぼーっとしたり、ターミナルで見つけた観光パンフレットなどを見ながら明日以降の予定を考えたりしていた。

宗谷海峡

船の外に目をやると、どんより暗くて冷たそうな海の景色が広がっている。
大小たくさんの島がある瀬戸内海の見慣れた風景とは全然違って、ここは本当に何もなくて、自分の知らない遠いところまで来たんだという実感が湧いてきた。

18:20 利尻島・鴛泊(おしどまり)港に到着

ようやく利尻島に到着!伊丹空港を出発してから早8時間以上が経っており、この時点でもう結構ヘトヘトである。いや本当に体力と時間がないと行けない場所だよ…

港入り口の正面にあるお店はすでに営業時間が過ぎていた
本日の宿、港近くのゲストハウスを目指す。後ろの山の地形すごない?
(後々知るが「ペシ岬」という場所でした)

利尻島では、前述の友人に教えてもらった「うみねこゲストハウス」に宿泊。直前の問い合わせにも関わらず奇跡的に?連泊で空いていて、しかも港近くでアクセス良し。お値段も個室なのにリーズナブル。礼文島はすでに泊まれる宿がなかったので、ここが無理だったらどうしようという感じのスケジュールだった。本当に素敵な宿でした。

チェックイン後、ゲストハウスの方に夕食の手段を聞くと、近くの居酒屋に行くかセイコーマートで何か買ってくるか…とのこと。いくつかおすすめの店を教えてもらって行ってみたが時間が遅かったせいか入れず、セイコーマートで軽食を買って戻る。

セコマ限定のメロンサワー、美味しかった!

ゲストハウスは1階に談話室があって、宿泊客とスタッフの方たちが一緒になってお喋りをしていた。
話の輪に入れていただき、年齢も性別も出身地も行き先もばらばらの、この日たまたま居合わせたメンバーで盛り上がって楽しい時間でした。普通のホテルとかだと中々こういう交流しづらいのでこういうところに泊まって良かったなと思う。(別にみんなで喋らないといけない雰囲気とかは全くなく、部屋でゆっくりしてる人ももちろんいた)自分が全然知らない、古き良きユースホステル文化の話とかも聞けて面白かった。

これからの3日間の予定はほぼノープランなので、皆さんのおすすめを聞き、知恵を拝借しまくる。明日は天気が良さそうなのでサイクリングをしようと思っている という話をすると「せっかくなら利尻島を一周したら?」とおすすめいただく。曰く、電動の自転車だったら全然余裕とのこと。

利尻島の地図。海沿いにはサイクリングロードが整備されている。
スタート地点は北側の「鴛泊」となる
引用元:https://hokkaido-labo.com/area/douhoku/rishiri-island

利尻島は、島全体が大きな山一つ…という感じで、まん丸な島の中央に標高1,721mの「利尻岳」があり、公道はその外周にしかない。つまり島を横切るようなショートコースもなく、一周するか途中で引き返すかの二択である。じゃあせっかくなので一周しようと思い、翌日は自転車を借りることにして就寝。(この決断により、私の足は後々どえらいことになる)

7/10(水)利尻島にて、電動ママチャリで60kmを駆ける

普通にゆっくり寝てしまって、10時半ごろにゲストハウスを出発。時計回りに島を一周しながら、道中のビュースポットに立ち寄るスケジュール。

宿泊していた「うみねこゲストハウス」。
朝遅くなったので電動ロードバイク?は無くなっており、電動ママチャリをレンタルしました。
車道をしばらく進み、最寄りの入り口からサイクリング専用ロードに入る
晴れてきたし、人が全然いないしめちゃくちゃ気持ちい〜!
ちなみにこの時7月上旬だけど、気温は20度あるかないか位で、風もカラッとしておりかなり過ごしやすかった。
左の端に見えているペシ岬が朝のスタート地点である。
曇っていた昨日と違い、海も青々としていた
スタートから1時間ほどで「姫沼」に到着。
ちょっと雲が出てきてベストビューではなかったのかもしれないけど、穏やかな場所でした。
次のビュースポット「オタトマリ沼」まで、ひたすら海沿いの一本道を走る!

このあたりからひたすら自転車を漕ぎ続ける。よくよく考えたら島一周て60kmくらいあるので、これやれんのか!?電動ママチャリなら全然余裕って本当か!?と思い始めるも、寄り道する場所もないのでとにかく漕ぐ。

オタトマリ沼が大体コースの真ん中くらいなんですけど、まだ15kmある
道中、左手は常にこの景色。美しすぎ。
海の方ばかり見ていたけど、ふと右を見ると利尻岳が目前に!肉眼だともっと迫力あった
振り返ってもこの景色である。最高
道中のセイコーマート、人がいる安心感。
このとき13時半くらい。飲食店を探して入る余裕ななく、軽食を買ってパパッと食べた。

なんせスタートが遅かったせいで、このペースだと日没までに戻るにはちょっと急がないといけない感じになっている。それにしても、走ってきた道は時々車が通る程度で本当に人を見かけない。フェリーに乗った時はあんなにたくさん人がいたのにみんなどこに行ってるんだと思った。

この時点で20km近く自転車を漕いでいるが、まだコースの半分にも到達していない。

ようやくオタトマリ沼に着いた〜!やった〜!
またしてもこのタイミングで雲が多くなってしまったが、穏やかなので無問題
オタトマリ沼は利尻島の中でもメインスポットの一つ。
観光バスも止まれる広めの駐車場に、土産屋、レストランなどが揃っていた。
レストランにて追加で軽めの昼ごはん。焼きホタテ美味しかった…

休憩もそこそこにサイクリング後半戦。オタトマリ沼を14時半すぎに出発。日が暮れたら真っ暗の利尻島、18時頃には鴛泊に帰っていたいと思うと、あと約3時間ちょいで約30kmを駆け抜けることになる。間に合うか!?

北の果てで薄れゆく岸田さん
「仙法志御崎公園」周辺に辿り着く。さっきまで見えていた利尻岳にがっつり雲がかかっている
時間はないが、公園に立ち寄りゴツゴツの岩を見る
「利尻町」のカントリーサインを発見。
水曜どうでしょうの大好きな企画「北海道212市町村 カントリーサインの旅」を思い出す。
ちょっと曇ってきて暗くなってくる。見知らぬ土地でこうなるとさすがに焦る。
鴛泊港までまだ20km!
海岸にポツンと祠があった
見たことのない巨大なテトラポッド

昨日のフェリーでも瀬戸内海と全然違うなと思ったけど、ここでもそれを実感。波の音がもうザザ〜ン(穏)とかじゃなくて冗談抜きで「ゴゴゴゴゴゴ…ドカーン!」みたいな音がしていて、本気で波にさらわれそうで怖かったので浜辺には近寄れなかった。

前夜のゲストハウスでの会話でも、昆布(ウニだったかも…)漁に出ていた船が転覆する事故があって、大ベテランの漁師のお爺さんが亡くなったばかりと聞いた。

こんなところで言うまでもないが、自然はそこで生きる者たちに対して無くてはならない恵みをもたらすと同時に、全てを奪う恐ろしい存在でもあるのだ。この土地に限った話ではないけど、自分達が到底コントロールできない大きな力と共に生きるってほんまどえらいな…この世界…そして生き物の営み…みたいなことを考えながらペダルを踏み続けた。

海岸沿いから少し陸地に入る。ひたすら無人の一本道
いろんな角度から利尻岳を見ていた
相変わらず海辺の景色が本当に美しい。
ゴールの鴛泊も近づいてきた
道の向こうにペシ岬らしきものが見える。帰ってきた〜!
予定通り、18時ごろに鴛泊に無事戻ってこれました。
ゲストハウスに帰る前に、近くの「利尻富士温泉」に立ち寄り。ゆっくりお湯に浸かる。

お風呂に入ったあと、急に筋肉痛がキツくなってきてヨボヨボで帰宿。本当はこの日も談話室でお喋りしたかったけど筋肉痛でそれどころではなく、部屋に着いてそのまま横になった。
この辺りからもう経験したことがないくらいの猛烈な足の痛みに襲われる。コレ明日もこのままだったらどうしよう…トレッキングとか絶対無理やん…と思いつつ、休むほかないので21時前に就寝。(痛すぎて寝付けず、生まれて初めて筋肉痛でロキソニンを飲んだ)

7/11(木)花の浮島にて、天国の一歩手前へ

朝、起きると思っていたより足の痛みが大分マシになっていた。健康な体に生まれてきた有り難み!

この日は朝イチのフェリーで礼文島に行きトレッキングデー。宿泊の兼ね合いで当日中に再び利尻島に戻るのと、前日の教訓?を生かして無理のない行程で…と思い、一番初心者向けかつ見どころの多そうな「桃岩展望台コース」を歩くことに。

地元のパンフレット、分かりやすくてありがたい

9:20に鴛泊港ターミナルを出発。
礼文島の香深(かふか)港までは1時間弱の道のりで、10:15ごろ到着。

礼文島・香深港に到着
香深港フェリーターミナルを出るとこんな感じ。本州には無い建物の感じ。
港付近は利尻島より観光地的な賑わいが多少あった気がする。

ここに限らず、全体的にバスやフェリーの接続があまり良くなくて、ここでも30分くらいはバスが来るのを待っていた気がする。向かいの土産屋で飲み物や昼ごはん用のパンなどを買う。ちなみにターミナル周辺にコンビニは無いです。

ターミナル前のバス停から宗谷バスに乗り、トレッキングコースの起点である「桃岩登山口」まで向かう
桃山登山口に到着!
結構な坂道が続き、ゼエゼエ言いながら草をかき分け進む。
ふと振り返るとめちゃくちゃ絶景だった。
左手の赤いバスが止まっている場所が登山口のバス停なので、すでに随分登ってきていることがわかる

丘を登りきると「桃岩展望台」に到着。
いや、めちゃくちゃ絶景〜!

大迫力!!!森林限界的なやつなのか、この辺りに来ると木が全く無いから見晴らしがいい。
これが桃岩(のはず)
この岩と草の感じ、昔行ったニュージーランドの景色とちょっと似てるなと思った。
展望台の先からトレッキングコースが始まる。
ひとまずここで昼休憩
展望台からトイレに行く道。トイレに行くのにこんな楽園みたいな景色があっていいのか…
トレッキングコースを歩き始める。
遠くに見えているのは利尻岳
自分は実はもう死んでおり、あの世に向かっているのではないか?と謎の不安を感じた

人様の土地に来ておいて、天国やらあの世などと言うのは失礼かもしれないが、そのくらい綺麗すぎて現実味のない景色だった。木が生えてないからか視界がスコーンと遠くまでひらけていて、思いっきりジャンプしたら海まで転がり落ちそうな気分だった。

そして、礼文島は「花の浮島」と呼ばれているくらい高山植物が多く、この桃岩展望台コース(特に展望台〜元地灯台の一帯)は本州では見られない珍しい花々が見どころの一つらしい。確かに歩いていると見たことない花がたくさん咲いていた。

コレがかの有名な「エーデルワイス」。2,3cmくらいの小さな花でした。
最初歩いてたけど気づかなくてスルーしそうになったが、近くにいた方が「これ!エーデルワイスですよ!」と呼び止めて教えてくれた。
レブンキンバイソウ(礼文金梅草)※多分
日本では礼文島にしか自生していないらしい。
ウルップソウ(得撫草)※多分
礼文島と本州の白馬山系、八ヶ岳のみに隔離分布しているらしい。そんなパターンあるんだ…
これは調べましたが、わかりませんでした。分かる方コメントください
地形が本当にすごい。圧倒されました
見晴らしがとにかく良い
どこを歩いても360°絶景で現実味がなかった

展望台を出発して1時間ほどで、「キンバイの谷」という地点に辿り着く。

写真スポット的な感じで小さな広場みたいになっていた

この時点で14時過ぎくらい。

礼文島から利尻島へのフェリーは1日2便しかなく、最終便は16:30。
この先は結構な登り坂で、次のビューポイントの灯台まで行っていると帰りが結構タイトそうだったので、この辺りで引き返すことに。

帰りは登山口からのちょうどいいバスがなかったので、徒歩でフェリーターミナルまで歩いてみる。これが割と時間がかかり(スマホを持ってたら転びそうなくらいの山の斜面を駆け降りた)、なんやかんや16時頃にターミナル着。元地灯台まで行ってたら結構きつかったかも。結果的にちょうど良い時間繰りになった。

ふもとまで降りてきたが、相変わらず地形がすごい
明日もくるよ〜
フェリーに乗船。これまで乗っていたものとは違う客席タイプだった。こちらも広くて綺麗
2階席もあった。貸切個室もあるらしい

17:15 鴛泊フェリーターミナルに到着。
昨日はもっと遅い到着だったのでターミナル付近の店は閉まっていたけど、この日はいくつか開いていた。そこで少し早めの夕食をとる。

魚介だしのラーメンを食べた。島に来てから行程的にずっとおにぎりとかパンを買ってばかりだったので、3日目にして初めての温かい食事!おいしかったです。
余談だが、利尻島では地面に時々ウニが落ちている。鳥が中身だけ食べて、空を飛びながら殻を捨てていくらしい。サイクリングの時、踏んだらパンクするから気をつけてねとアドバイスをもらっていた
ナチュラルにヒトデが落ちている世界

食後、セイコーマートに立ち寄り。談話室で食べる用のおつまみや酒、翌日の朝ごはんなどを買って帰る。セコマ、オリジナルの商品が充実&手作り色強めでどれも美味しかったな〜。こういうローカルな店で買い物するのも旅の楽しみ。

セコマで調達した地ビール「網走アルチザンエール」と、ザンギ。

この日は談話室に3人ほど女性がいたけど、ほとんど関西人だった記憶。
というか私が宿泊した週は特に関西人率が高かったらしい。そういえばトレッキング中にも関西弁を時々聞いたし、展望台でもスマホで写真を撮るおばちゃんの手帳型ケースにSポイントカードが入っていたりして、結構関西から来てるんだなと思った。(目立つだけなのかもしれんが…)

関西人というか兵庫(神戸)の人が結構多かった印象。やっぱり神戸をはじめ兵庫は土地的に登山人口が多いし、こういうアウトドア系の場所には自然と兵庫県人が集まるのか?とも思った。

7/12(金)再び礼文島、そしてクライマックス

この日の朝、3日間お世話になった「うみねこゲストハウス」をチェックアウトし、再び礼文島に向かう。夜はそのまま礼文島に宿泊し(この日だけ礼文島で宿が取れた)、翌日帰路につくスケジュールである。スタッフの方々にお礼を告げ、港へ。

ゲストハウスからフェリーターミナルまでの道中。
出港の時、ゲストハウスのスタッフさん達が旗を振ってお見送りをしてくれた。
利尻島、本当に良かった。必ずまた行きます…
利尻島がだんだん遠ざかっていく

10:15 、この旅2度目の香深フェリーターミナルに到着。

ターミナル付近にコインロッカーがこれしかないので争奪戦。荷物を預けたい&宿が港から遠い人は、船をダッシュ気味で降りてロッカーに直行することをおすすめします。この日はスーツケースを持っていたので、気合いで空きを見つけて捩じ込んだ。

さて、昨日は島の南側を歩いたので、今度は島の最北端・スコトン岬を起点に海岸沿いをたどる「岬めぐりコース」に挑戦することに。
このコースは全長12kmくらいで、トレッキング前後の移動に必須の路線バスも本数が少ないから車無しだとまあまあ不便ではある。全部行き切るか引き返すか、ぼんやり考えながらスコトン岬行きの路線バスに乗り込んだ。

昨日行ったのは「桃岩台展望コース」、これから行くのが「岬めぐりコース」。今日の宿は島の南側なので、トレッキング後、車のない私は南へ戻る終バスを逃したらおしまいである。
引用元:礼文島観光協会
バスからの眺めはずっとこんな感じ。この日は曇り。島東側の海沿いをひたすら走って北上。

バスに1時間ほど揺られ、11時半ごろに「スコトン岬」に到着。

スコトン岬に着いた〜!
日本最北限の地。かつてはここが「最北端」だったけど、後から宗谷岬の方がわずかに北にあることが判明し、代わりに「最北限」を名乗るようになったらしい
今は、あくまで礼文島の最北端。

この先のトレッキングコースに飲食店は全くないので、ここのレストランで昼食。

土産ショップ併設の小さなレストランでホッケ定食。これがめちゃくちゃ美味しかった!ホッケから無限にホクホクの身が出てきた。。今回の旅行で食べた、温かい食事その2です。
ふとGoogleマップを引きで見て、自分のいる場所に改めて驚く。ロシアが近い…
テーブルに置かれていた自由帳を見て、この島にアザラシがいることを知る。このノート、素敵なエピソードがたくさん書かれていた。(なんせ北の果て、皆いろんな思いでここに来ている)
日本最北限のトイレ、スコトントイレ

今日の本題となる岬めぐりコースを歩き始める。朝のスコトン行きの路線バスが昼前に着く便しかなくて、この時点で13時。どこまで行けるか。

歩きだしたタイミングでちょうど晴れてきて最高だった
ポツンと一軒宿。やはりどこか「あの世」を感じませんか?
かふか、ふなどまり、あわびこたん。初めて見る地名ばかり。
あ〜〜〜まためっちゃ綺麗な景色!
道中通りがかった入江みたいなところ。美しい。
(この写真を撮っている時に後ろから押されたら転がり落ちていたと思う)
ここでも珍しい花をちょこちょこ見つけた
ここで偶然にも、利尻島で同じゲストハウスに泊まっていた方(やはり兵庫県人である)とばったり再会。すでにこの礼文島で新たな仲間を見つけ、早朝からこのコースを逆側出発で歩いて来ていた。すごいなあ…と思いながら見送る。

この岬めぐりコースの中でも特に行きたかったのが「ゴロタ岬」という場所。(冒頭に登場した礼文経験者の友人が、ここは是非!と教えてくれていた)道がかなり狭くて坂も急なのでバスや車では行けず、徒歩でしか辿り着けない場所らしい。ゆえにパッケージツアーで来ている人たちが訪れることもない。まだ始まったばかりなので、気合い十分でゴロタ岬を目指す。

白い車が停まっているあたりが車で行ける限界。その向こうに見える山の尾根?を、これからひたすら上がっていく
昔のWindowsの壁紙みたいな景色が続く
このあたりからもう結構怖い!だってもう右側ほぼ崖やん。
スマホ落としたら終わると思いながらしっかり握って写真を撮った
足元はこんな感じ。地面は所々ぬかるんでいた。
怖いけど景色は大迫力

この先、もう写真を撮っている場合ではないほどの急斜面になったので、スマホをザックにしまい、地面に手を付きながら草をかき分け坂道を登った。いくら顔を上げても頂上が見えないが、立ち止まるともう進めなくなりそうだったのでノンストップで進んだ。

突然、かき分ける草が無くなった。頂上に辿り着いた。
スラダンの最終話ばりに汗だくでハアハア言ってたと思う。登りきった勢いそのまま、ザックを下ろして地面に落とした。

そして後ろを振り返ったら…うわ〜〜〜〜〜!

すごい景色だった。若干ガスってたけどもうそんなのはどうでもいい。
向こうに見えているのが、最初にいたスコトン岬である。あんなとこから来たんだ…
さっきと逆側。もう感無量です。向こうに見えている岬が次のチェックポイントである。
風の音しか聞こえない

途中きつかったけどマジで頑張って登ってよかった。
今まで山登りとかトレッキングをがっつりやったことがなかったんですけど、続けている人たちの気持ちがこの時わかったような気がした。こんな景色を見たらそりゃやめられんて…

そしてここでしばしの休憩。というか動けなくなる。ホッケ定食で得たエネルギーを早くも使い果たしたか。

5分くらいぼーっとしていると、後続のトレッキング客の方が登頂してきて、「ずっと後ろから見てましたけどすごい勢いで登ってましたね〜」と声をかけてもらった。私は後続組がいることにも気づいていなかった。
話しかけてくれたのは60代のご夫婦2組(4人グループ)で、旦那さん同士が勤めていた会社の元同僚らしい。少し前に定年退職したので、こうやってゆっくり旅行をしているのだという。

このゴロタ岬も結構きつかったが、この先もっとキツい道もあるらしい(地面が一部崩れてたり、吹きさらしみたいな所を歩いたりもする)ので、ここからどう進もうか…という話をすると、「ふもとまでは車で来ているので、良かったら一緒に回りますか?」とお誘いいただいた。
1人で最後まで歩きたい気持ちもちょっとあったけど、せっかくの一期一会、そしてこのままトレッキングを強行したら途中で詰みそうだった事もあり、ご一緒させていただくことにした。

車に乗り込み、もう一つの見どころである「澄海(すかい)岬」を目指す。そこへはビューポイントのすぐ手前まで車で行けるので、この周辺ではスコトン岬に次ぐ観光スポットになっているらしい。

しばらくすると、西上泊(にしうえどまり)地区に到着。

西上泊漁港。綺麗すぎ

ここで車を停めて、5分ほど歩くと澄海岬に到着!

澄海岬はこの入り江がすごく綺麗だった。ここはゴロタ岬よりだいぶ小さい。
写真の左奥にうっすら見えているのが、さっきまでいたゴロタ岬である

3つの岬をめぐり終えて、これで私の目的としては一応フィニッシュである。
その後、日が暮れるまでもう少し時間があったので、他のスポットも立ち寄ることに。島の南端にある「知床」という地区まで一気に車を走らせてもらった。

知床地区は前日のトレッキングでも行けなかった場所で、今日も行く予定がなかった(島の完全に真逆なので無理)ので、ご一緒させていただいたおかげで訪れることができた場所である。そもそもこんな見ず知らずの人間を同行させてくれるなんて本当恐れ入る話である。ちょうど親子くらいの歳だったので(私と同い年くらいのお子さんもいらっしゃるらしい)お互い親近感?があったのも良かったのかも…

知床は、吉永小百合が主演の「北のカナリアたち」(2013)という映画の舞台になっていて、ロケ地の一部がそのまま観光施設になっているらしい。

北のカナリアパークに到着。晴れてたらもっと綺麗だったんだろうな〜。
皆さんは既にお気づきかと思いますが、島の天気は短時間でめちゃくちゃ変わる

撮影に使われたという校舎内の見学は17時までで、着いた時にもう時間が結構ギリギリだったのだけど、スタッフの人がせっかく来てもらったんで見ていってくださいと案内してくれた。

元々本物の校舎だった訳ではなく、映画のために建設されたものらしいが、古い小学校の佇まいがとてもリアルに再現されていたと思う
教室の中など。駆け足ながら一通り見た

見終わって建物を出ると結構暗くなっていた。そのまま宿方面まで送っていただき、皆さんとお別れ。本当にありがとうございました。

旅館 かもめ荘

そしてこの旅最後の宿となる「旅館 かもめ荘」にチェックイン。これまでゲストハウスで素泊まりだったので、夕食付きなのが嬉しい。
食事まで少し時間があったのと、明朝出発で帰る名残惜しさもあり、宿周辺も散策してみた。

宿からフェリーターミナルまでの道
今回の旅行、全体的にこの静かで何も無い感じが本当に良かった
道端の小さな野花もLove…
地面に落ちているウニの殻も見慣れたものである

18時ごろより夕食。温かい食事その3!

夕食。これだけでも十分お腹いっぱいだけど、後からおかずをどんどん追加で持ってきてくださり、ビール飲んでる場合じゃないくらいの超満腹に。かもめ荘さん、7〜8部屋くらいしかない小さな宿で、地元のおばあちゃんたちがやっている感じで館内もきれいにされており、居心地よかった

7/13(土)帰阪

いよいよ最終日。と言いつつこの日はもう朝の便で帰るだけ。
8:55 香深発・稚内行きのフェリーに乗り込む。

帰りのフェリー。今回、本当にフェリー移動の多さが印象的だった。ハートランドフェリーさんおせわになりました。
香深港を発つ。ちなみに礼文島には「桃岩荘」という、クセの強さで有名なユースホステルがあり、そこの宿泊者の方たちが見送りの舞(?)をされていた。他の見送りの人たちもおり、「また来いよー!」「また来るよー!」とお互い呼びかけ合いながら船は港を離れていく。
さよなら…
ここからまた2時間近い船路

10:50 稚内フェリーターミナル着
11:35 空港行きバス乗車→12:10 稚内空港着

港を出てから3時間が経ったが、まだ稚内である。
稚内空港のレストランにて、この旅最後の食事タイム。

適当にラーメン頼んだらめちゃくちゃ大きなホタテが入ってて北海道を感じた
稚内空港、ちょっとした駅くらいの小ぢんまりした感じだった

飛行機に乗る時、初日のフェリーでも一緒だった人と再会(がっつり会話していた訳ではないけど、他の場所でもちょこちょこ見かけていた)。日本各地を旅しては登山やトレッキングをしている人で、そこで「YAMAP」というアプリを教えてもらい、登録してみるなど。

「出汁之介」!!

13:10 稚内空港発 → 15:10 羽田空港着
16:00羽田空港発 → 16:00 伊丹空港着 → ヘロヘロで帰宅

なんか出汁之介で〆になってしまったけど以上が今回の詳細でした。

本当に本当に行ってよかった。また元気なうちに、もう一度は行きたいなと思ってます。ありがとうございました。




いいなと思ったら応援しよう!