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はじめてのメダカ❺エトセトラ
いよいよ最終回です。
今回は、旅行に行く場合やお手入れ、そして越冬などについて説明します。
長期間の留守
旅行や出張などで、暫くのあいだ家を空けなければならないとき、メダカたちをどうすれば良いのでしょうか?
何度も言いましたが、メダカは1週間くらいならエサを与えなくても大丈夫ですので、今回は1週間以内について説明します。
置き場所
日中でも薄暗い場所に置くか、移動できない場合は何かを置いて明るさを遮ってください。
(メダカたちの活動を少し押さえ、体力の温存と水質の悪化を防ぐ効果があります)
飼育に慣れてくると、産卵や水草のためにライトを付けて飼育するようになると思いますが、長期間留守にするときは、ライトはOFFにしてください。
エアレーション
エサは1週間くらい与えなくても大丈夫なのですが、もうひとつの心配は、酸素です。
(※水1リットル=メダカ1匹を超えている場合も、長期間の留守に関係なくエアレーションが必要です)
※屋外でバケツなどで飼育している場合はエアレーションは不要です。
毎日エサやりのときに新しい水を注いだり、スポイトで攪拌することで酸素は供給されているのですが、留守中はそれが出来ません。
また、前述したようにライトを切ったり、薄暗い場所におくので、水草の光合成による酸素供給もあまり期待できません。
ということで、酸素不足を解消するために必要になるのが、ブクブクと空気の泡が出て水を対流させる装置、エアレーションポンプなどです。
種類としては、水を対流させるだけではなく、物理的濾過をも行う
・外部式フィルター
・外掛け式フィルター
・投げ込み式フィルター
・上部式フィルター
・底面式フィルター
・etc.
と様々です。
全部見ていくと迷ってしまいますが、一番安全で確実なモノをズバリ紹介しておきますネ。
👆コレで十分です。というよりコレが安全かつ、最良です。
水槽にセットすると下記のような感じになります。
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このエアレーションポンプをセットすれば、酸素不足になることはないので、安心してお出かけください。
※エアーの量は【弱】で十分です。強くし過ぎると、勢いのある対流になってしまので、魚やエビが疲れてしまいます。夜もゆっくり休むことが出来ません。
エアーは対流が僅かに出来る【弱】で十分です。
自動給水
普段、エサやりや掃除をスポイトでやっていると、思った以上に水が減っていることに気が付くハズです。
《1週間も家を留守にするんだったら、水が減り過ぎるんじゃないの?》
そう思ったあなた…、その通りです。
留守にする日数を計算してみて、水槽全体量の5分の1以上の水が減るのであれば対策が必要です。
この対策として有効なのが、自動給水装置です。
どんな感じの装置かは下記をご覧ください。
自動給水は沢山の種類がありますので、いろいろ検索をかけて調べてみてください。
自作でも可能ですのでDIYが得意な方はチャレンジしてみては?
ガラス面の掃除
ガラスと書きましたが、今あなたが使っている水槽は、透明のアクリルかプラ系だと思いますが、以下ガラスで進めます。
今のあなたの水槽のガラス面は、いかがでしょうか?
透明でしょうか?
それともコケ等が付いているでしょうか?
もし、コケ等で汚れているのならガラス面の掃除が必要です。
※多少コケが付いてもメダカたちには影響はほとんどありませんが、やはりキレイな水槽で育てたいですよネ。
ということで用意する道具は、ガーゼとプラスチック製の菜箸でOKです。
ガーゼは古くなったタオルなどでもOKです。
(柔軟剤が付いてたりしたらダメですよ)
プラスチック製の菜箸がコレ👇
👆コレがあるとピンセットを買う必要がなくなります。
(低床に水草を直接植えたりするときは、ロングピンセットを使う人が多いのですが、ピンセットは力の加減が難しいので、この菜箸を使うととてもやり易いですよ)
竹や木の菜箸や割り箸は使用しない方が無難です。
(漂白剤やその他の薬品が残留している可能性があります)
この菜箸でガーゼ等を掴んでガラス面を清掃していきます。
が・・・!
循環バランスを守れ!
ガラス面の内側は、コケなどと一緒にバクテリアが棲み付いています。
ガラス面の5面全部を清掃してしまうと(底面を合わせると5面です)、水を浄化してくれているバクテリアを激減させてしまい、水槽内の循環サイクルのバランスを大きく崩してしまいます。
これではイケません。
ということで、ガラス面の清掃は、
・1週間に1面
だけを清掃します。
※1面清掃したら、次の1面を清掃するのに1週間空けてくださいということです。
これで急激な水槽内の変化を避けることが出来ますし、全面終わるころは最初の面にバクテリアが棲み付き始めているので、生体がお星様になることが、ほぼ無いと思います。
ガラス水槽
《よしッ! 少し大きめの水槽にチャレンジしてみよう!》
と思った人は、ガラスの水槽を購入するようにしてください。
というのもガラス面の清掃は、小型なら今のやり方でOKですが、大きな水槽だとスクレーパー(スクレイパーとも)を使わないと終わりません。
そのスクレーパーですが、アクリルやプラ系に使うと、内面が傷だらけになってしまいます。
そのため、少し大きめの水槽はガラス水槽をオススメします。
👇こんな道具です👇
それともうひとつ。
後述しますが、アクリルやプラ系ではヒーターを使うと危険ですので、是非ともガラス水槽を選んでください。
スネイル
《ん? 何だコレ…貝???》
メダカを飼っていると、いつの間にか小さな貝がガラス面を這っています。
よくあることなのですが、ほとんどの場合は買ってきた水草に貝の卵が付いていたことが原因です。
その貝のことをスネイルと呼びます。
(スネイルという名の貝はいません。総称です)
別に居ても問題はないというより、ガラス面の清掃や水質の浄化を行ってくれるメリットがあったりします。
が、しかし・・・
爆発的に増えたり、卵を産み散らかして美観を損ねるタイプがいるというデメリットがあります。
(今の小さな水槽で底砂等を敷いてなければ駆除は簡単ですが、大型水槽でアクアリウムっぽく芸術的にしている水槽では、駆除が困難になります)
現に、曼荼羅メダカ倶楽部の運営管理をしている馬九の水槽やビオトープにはスネイルがいますが、美観を損ねるようなことをしないので、敢えて数匹残す程度にしか駆除していません。
このスネイルが発生した場合、どうするかはアナタ次第です。笑
越冬
はじめてのメダカ❶~❺までに紹介している、メダカ、ミナミヌマエビ、水草(マツモ・カボンバ・アナカリス)は、寒さに強いので室内飼育なら越冬は十分に出来ます。
(外でも越冬可能です。水面に氷が張っても北部九州の寒さなら、十分に越冬できます)
ですが、
《オトシンネグロじゃなくて、オトシンクルスが飼いたいんだよな》
《この南米の水草が欲しいんだよな。でも越冬がな…》
と思った場合は、ヒーターを利用しなければなりません。
はじめてのメダカでは、ヒーターを使わなくても越冬できる生体や水草などを選んでますが、ヒーターを使う場合はガラスの水槽に替えてください。
👇こんな道具です👇
水槽の大きさによって、ワット数が違うことに注意してください。
また、金魚用などは設定水温が違ってきますのでご注意を。
また、生体でも水草でもそうですが、ヒーターでの越冬が可能かどうかの確認を取るようにしてください。
水草
水草を選ぶときのポイントですが、越冬はもちろんですが、日光が弱いと育たない水草や、CO2を添加しなければならない水草が数多くあります。
ショップで欲しい水草が見つかったら、光量やCO2などがどのくらい必要かどうかを調べ、さらに店員さんに尋ねてください。
必要なら日光に代わるライトを購入してください。
ライト
主流はLEDライトになってます。
新商品がよくでるので商品紹介は今のところ避けますが、
・水草に適したライトか?
というポイントを押さえ、選んでください。
青(450前後)や、赤(660前後)の波長を含まないLEDでは水草は育ちが悪い等々がありますので、よく調べて購入してください。
※水草にとって特に赤は重要です。
最後に
いかがだったでしょうか?
最初は気を使うので難しく感じるかもしれませんが、2ヶ月くらい飼育すればバクテリアが定着し、水質が安定するので少々の事ではメダカやエビは落ちることは無いと思います。
それまでの辛抱です。
あとは、水質を急激に変化させないことに細心の注意を払うだけです。
この「はじめてのメダカ全5回」では、上手なメダカ飼育は急激な変化をさせないことが、キーワードになっていたと思います。
水質を急激に変化させない
👆コレを基準に考えれば、最善の答えを導き出せます。
そして、もうひとつのキーワードは、何か起こったときや、何かをするときは、
曼荼羅メダカまつりで知り合ったブリーダーさんに詳しく聞いてみる
ということです。
そしてブリーダーさんが使っている物と同じものを使うようにしてください。
【一つ例を挙げます】
赤玉土を入れたらメダカが全滅した…という動画を数件見たことがあります。それだけを見たら《赤玉土は危険だ》と思うかもしれませんよね。ですが、よく調べてみたら「とある製造メーカーの赤玉土から重金属が検出されていた」ようで、それが原因のようでした。他の製造メーカーの赤玉土からはそのような物質は検出されていないので、とある製造メーカー以外の赤玉土を使用している場合は問題なく飼育できていたようです。
このことからも分かるように、ブリーダーさんが実際に使用しているメーカーの物を使用するようにしてください。
👆現場の職人さんの生の声は、やはり貴重です。
メインメニューに戻れば、各ブリーダーさんの紹介ページや、SNS一覧ページなどのカテゴリーがありますので見てくださいネ。
では、また曼荼羅メダカ祭りでお会いしましょう。
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