身体について

わたくしの毛の先が今日は一段とくるんとなっています。
わたくしは天井の方に向けていた首をゆっくりと窓際へやって、やっと雨を確認することができました。
終わりはもう近いようでした。
わたくしは管で繋がれ、食事ももう一人ではできません。
わたくしの心はよく分からなくなっています。
だって、排泄だって管にお任せしているんです。
けれどね、ふと自分の本質のその図太さに今日は笑えてきました。
心が迷子でも、わたくしは食べて出しますし、雨だったら髪がくるんとなります。考えていることを白い紙の上に全部吐き出します。
わたくしの身体は心から独り立ちをして、ただ生理学にのっとってわたくしを生かしているのでした。
人間っていうのは、楽しい生き物だと思いました。