孤独な人に教わる孤独をきわめる方法

孤独を極めた人は共通して大きな目的を持って外に飛び出して行く。そこで必ず世界と戦わなくちゃいけない。それは孤独を極めた人の使命であって、その境地に至ろうとすれば孤独にならざるを得ない。
孤独を極めるまでの道半ばは、厳しい。辛い。だって周りには、あなたを理解してくれる友達、家族、先生、上司はいない。インターネット上にすらそんな人は存在しない。孤独な人は必死になって、周りの空気を読み、世の中の常識を知ったふりして彼らにすがりつこうとする。大人になっていく周りに置いて行かれないように、世の中にある全てを偽物だと疑ってしまう自分を押し殺す。でもそうすればそうするほど苦しい。
なぜか。孤独な人は何よりも自分自身を信じているからだ。頑固だと、自分勝手だとそう言われてしまえばそれまでだが、本当は誰もが根底にもつものだ。そこに蓋をする方がはるかに頑固で身勝手。人間を他の生物とは違って理性を完璧にコントロールできるもんだと思っている人間中心な人たちだ。
孤独を極めるには、人生のあるポイントでぐっと腹を決めなくてはならない。孤独で結構だと。自分の信念が世界のそれと対峙するものであっても、決して折れないぞと自分自身にいって聞かせる。こんなふうに開きなおってどこまでも自分自身についていく決心をしたら、あとはもう考えるより先に体が勝手にやってくれる。今まで押し殺していたネガティブな気持ちや考えが明るいひとつのまるい石ころのようになって、その人を突き動かす。
苦しい状況にあるなら、とにかく自分の一番大事な部分はひとに見せず悟らせず、しかし内側に灯る火を消してしまわないよう息を殺して耐え忍ぶことだ。そして必ず来るそのタイミングを決して逃さないようにすること。それがいつどのようにして孤独な人の前に現れるかはわからない。だから溢れる情報や人たちの中にいても、決して迷子にならないよう全神経を自分自身に向けていなくてはならない。