クリスマスの悲劇

メリークリスマス

まん坊だよ。

タイトル通りの話を今日はしようと思う。

12月24日の朝、彼女に起こされ9時ごろだったろうか。

「おにぎり食べたい。」

その一言から始まった。今思えばクリスマスなんだし・・・と言って回避できたかもしれない。そうあの「地獄の行列(デスマーチ)」

ひとつ、説明しておくと彼女は大阪の人間で以前、東京に来た時に食べたおにぎり専門店の味が忘れられないらしく、もう一度食べたいと伝えてきたのである。

彼女の誕生日が12月23日でその日誕生日のお祝いができず、24日にディナー予約した俺にとってもお昼を決めてくれたのかと思えば、考えずに済む。

何より本人立っての希望で食べたいと言ったのだから他に変わるものなどないだろうと思いその提案を飲んだ。

JR山手線の某駅から徒歩5分ほどにあるおにぎり専門店らしく、俺は前情報もなしに彼女についていき駅から店に向かって歩いていると、10組ほどその店に並んでいるのが確認できる。

「10組も並んでるのかすごいな。」そう近づいていくと

まん坊に電流走る。

電流走るまん坊

認識に誤りがあった。10組の後ろ道路を挟んだ線路沿いに50組は並んでいるのである。

「これは流石に並ばずに別の店に行くであろう」

甘かった。

彼女がトコトコ51組目となるであろう後ろに付き

「すいてるすいてる♪」

関西人はせっかちではなかったのか?何時間並ぶんだ?
様々な思考が巡る中、落ち着くために一応は並んでみる。

並んで2、30分たっただろうか。時計を見ると12時俺は朝も抜いてきたためお腹が空き、50組も一向に進んでない。

近くのたこ焼き屋で6個400円のたこ焼きを購入し並びに戻って食べると
「恥ずかしいからやめてほしい。」と言われ謝りながら足早に食べ、片付ける。

1時間は経っただろうか。10組も進んでいない。

ここでとある仮説に辿り着く_______

「おなかすいたね。」「ながいね。」「どれくらいたったかな?」どの言葉を言ったとしても棘に変わる事に気づいたのである。それはそうだ。おにぎり如きに1時間かけて並ばせているのだから謝る事しかできない。

俺の脳内コンピューター(ゲームボーイくらいの処理能力)で弾いた「俺はおにぎりの具を何にするか?」と聞くと「明太クリームチーズに卵黄いれる」と言い始める始末で本人も地獄の行列(デスマーチ)のせいで拗らせてるのを確認し、俺も喋るのをやめた。

そうこうしてる内に先頭に立てたのが3時間すこし経ってからだろうか。

気温 4°

店のガラス向こうには温かいお味噌汁飲みながらつやつやのおにぎりを頬張っている。

さっきまで一緒に凍えていた戦友が幸せそうに勝ち組を堪能している。

お味噌汁がおかわり無料なのだが、戦友がおかわりするのを外から手足が冷え切った状態で見るたびに殺意が湧くものである。

底冷えした足が痛くなった来た頃、お店の中に案内される。

結局4時間並んだのだが、ここで思い返してほしい。その日はディナーを予約しているのである。誕生日プレゼントだって用意してある。

予約は18時である。おにぎり屋に入った時点で16時近いのである。

おにぎりは一個にしておこう・・・
悲しいものである。4時間並んでおにぎり1個の戦利品である。お金も払う。

その上で「シャケを1つとお新香と味噌汁を」と伝えた刹那、隣の注文を聞き本日2度目の電撃が走る。

おにぎり二つで明太クリームチーズに卵黄をトッピングとシャケください。

「こいつイカれてんのか・・・ディナー前の個数でもなければ魔改造トッピングである。」

______無理も無い。気温4°で4時間も外にいたのである。元自衛隊の俺ですら過酷な環境、こんな極寒アクセサリー、メルカリに出せるなら今すぐ出したい。

店長「明太クリームチーズに卵黄は味が濃いのでおすすめしません。」

彼女は我に帰り、明太クリームチーズと卵黄でふたつ注文。
結局おにぎりひとつ持ち帰り、ディナーもおいしく残さず食べてもらえました。

帰りに彼女のツイッターを見たら「だらしなさは体型に出るなぁ」と呟いており、投稿時間を見たら僕がたこ焼きを食べてる時間でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?