読書記録①「レジリエンス」の鍛え方
だいぶ前にいただいた本を読まずに”積ん読”してしまっていたものを、
断捨離をきっかけに急速消化中。
その中でもいいなと思った本を読書記録として残しております。
この本は「なんか自分って頑張りきれないな」「自信持てないな」「メンタル弱めだな」って思っている人におすすめです。
運よく(?)有名企業、バリバリの営業会社に入社した私ですが、
周りはめちゃくちゃ高学歴ばかり&学生時代からスケールの大きなことを実行してきており、仕事に対する覚悟も相当なものでした。
そんなすごい人達の中にいた私の思考はいかに「ビリ」にならないか、「失敗」しないかだったので、毎日びくびくしながら自信なく働いていました。
その結果、”うまくいかない→失敗続き→やっても意味がない→足が止まる”
のバッドスパイラルに陥り、何の成長も遂げられない無意味な時間をたくさん過ごしてしまっていました。
もっと早くこの考え方に出会ってたらもっと違っていただろうなと思います。
「レジリエンス」の鍛え方 久世浩司さん
「レジリエンス」とは何か
「レジリエンス」とは、もともと環境学で生態系の環境変化に対する「復元力」を表す言葉だそうです。
アメリカの心理学会では「逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」と説明しています。
何かあっても立ち直る力、めげない力って感じですかね🧐
「レジリエンス」を学ぶ前に抑えるべき2つの前提
①「レジリエンス」はポジティブシンキングとは違う
不安や怒りの感情があってもいい。大事なのはその感情に無意識に支配されて悪循環にならないこと。そのために3つの姿勢を重視。
1、現実を直視する
2、物事をしなやかに柔軟に捉える
3、合理的な思考を持つ
②失敗を経験したらその失敗を3種類に分類し、過度に自責の念を持たない。適切な対応を取り、積極的に学ぶ。
1、予防できる失敗
└不注意や不勉強が原因→仕組の改善、振り返りが必須
2、避けられない失敗
└複雑なプロセスなどの環境要因→自責の念を感じる必要なし
3、知的な失敗
└新しいことに挑戦した結果起きた失敗→経験や学びを活かせば〇
では、本題です。レジリエンスを養うには7つの技術があり、大きく3段階に分かれるとこの著書では説明されています。
ネガティブな感情に対処する
①第一の技術:ネガティブな感情の悪循環から脱出する
不安や恐れ、怒りを感じるのは当然のことなのでOK。
問題なのは、その感情に囚われて、自分の中で反芻されてしまうこと。
重要はのはネガティブな感情を感じたらその日のうちに解消して、その気持ちの繰り返しを断ち切ること。
そのために有効な気晴らしは4種類
①運動系/②音楽系/③呼吸系/④筆記系
夢中になり没我没頭する「フロー体験」もネガティブ感情を断ち切るのに◎
②第二の技術:役に立たない「思い込み」をてなづける
困ったことや予想外のことが起こった時、自動的にその出来事に対して反応しているように見えるが、なぜそのようなことが起こったのかを自分自信に説明する思考のプロセスが存在しており、その説明内容は過去の経験によって形成される。
それを信念や意見、解釈、または一般的な言葉として「思い込み」と言い、
この思い込みは人によって異なる為、同じ経験をしても「色眼鏡」を通して現実を解釈することになるため、感情や行動といった反応に違いが生じる。
(同じ経験をしてもポジティブに捉えるひともいれば、ネガティブに捉える人もいる。)
「思い込み」とは過去の体験により刷り込まれた信念・価値観。
自身の中に「思い込み」が存在することを自覚し、それがあることを前提に起こった物事を俯瞰してみて、対処していくことが大事。
※アンガーマネジメントに似てるかな??
「レジリエンス・マッスル」を鍛える
第三の技術:「やればできる!」という自己効力感を身につける
自己効力感=どれだけ自分を信頼できるか
これがあると自分ならできると、諦めずに挑戦し続けることができる
自己効力感を養う方法は4つ
1、実際に行い、成功体験を持つこと(直接的成功体験)→「実体験」
└最も効果が強い
2、うまくいっている他人の行動を観察すること(代理体験)→「お手本」
└ロールモデル、不安の代理解消、直接体験より効果は弱い
3、他者からの説得的な暗示を受けること(言語的説得)→「励まし」
└より多くの努力を継続させるが効果は一時的※手紙は比較的長い
4、高揚感を体験すること(生理的・情動的喚起)→「ムード」
└酒・薬物による高揚は無効
2、1マイル4分の壁の話
不可能とされていた1マイル4分の壁を突破することを宣言し、初めて突破者が出たら、その後続々と突破するものが現れた
4、樋口社長のアサヒビールの試飲会の話
ビールは品質が大事だが、店頭に売られているアサヒビールが売れない為、
売れても品質の落ちたビールが消費者に渡り、ますます売れなくなる悪循環が発生。1年分の利益を吹っ飛ばす損切経営となったが、樋口社長は損切をした後に、社員に出来立てのビールをまず飲ませ、2杯目に店頭から回収した古いビールを飲ませ、「君たちが飲んだ二杯目のビールはまずいだろう。そのビールを今までお客様に飲んでいただいてたんだ。これではお客様に買っていただけるはずがない、こういう古いビールは処分しようじゃないか!」と声を上げ、社員のボルテージが高まった
第四の技術 自分の「強み」を活かす
レジリエンスのある人は
・自分の強みは何か把握している
・自分の強みを平時から磨いている
・自分の強みを有事に活かすことができる
人の強み関してわかったこと
・自分の強みを生かしている人は仕事への充実度、目標達成度が高い
・強みを頻繁に使うことで、自尊心が上向く
・強みに焦点を当てるマネージャーは、部下の意欲を各段に引き出す
・強みを生かすことで活力が生まれ、ストレスを感じにくくなり、気持ちが落ち込んだときの回復力も高い
「強み」を測定可能にする三大ツール
・「VIA-IS」※やや日本語訳で変なところあるが無料なので仕方なし!
・「ストレングスファインダー」※有料、やったことあり、おすすめ!
・「Realise」※有料(高い)、やったことない、弱みもわかるらしい
※ストレングスファインダーは下の本を買うとウェブ診断できます!
強みコーチングでされる質問
・最も大きな達成・成功は何か?
・自分に関して最も好きな点は何か?
・何をしているとき最も楽しく感じるか?
・どんなときに自分らしく感じるか?
・自分がベストで最高なときはどんなときか
第五の技術 こころの支えとなるサポーターを作る
困難を乗り越えなくてはいけない局面で必要なのが家族・友人・同僚などのサポート。逆境を経験し、再起して成長した人のほとんどが
「自分ひとりの力では立ち直れなかった」と回想している。
ハワイで行われたレジリエンスの研究において、
両親が死別、離婚しているなどの理由で通常よりストレスの多い家庭”高リスク家庭”で育ったこどもは、心の病を抱えたり非行に走りやすいがそうならない子供にある共通点があったことがわかっている
①「問題は自分で克服可能」という前向きな考え方を本人が有していた
②「家族との絆」があった
③「地域からのサポート」があった
「親密性」幸せの原動力となり、「孤立感」は不幸を招く
信頼できる人に困難な状況を共有することはヒーリング効果がある
最も大切な人は5人まで、優先順位高い人を注意深く選ぶ
第六の技術 「感謝」のポジティブ感情を高める
感謝の習慣を持つことで得られるメリット
①幸福度を高める
②ネガティブな感情を「中和」させる
③体の健康につながる
④思いやりが生まれる
⑤前向きでいる
逆境でも感謝を忘れなければ、失ったものばかりでなく、今ある大切なものに目を向けらえる
【感謝日記】
①1日の終わりに感謝したことを思い出す
②その出来事を日記形式で書き込む
③「なぜこの良い出来事が起きたのか」についてじっくり考える
④「ありがたいなぁ」という気持ちを胸の内に感じながら日記を閉じる
【三つよいこと】
①その日に起きたことを振り返って、うまくいった三つの事柄を回想する
②「ありがたい」「運がよかった」と感じる内容を箇条書きで記述
③なぜうまくいったのかについて理由を考える
【感謝の手紙を書く】
①自分が過去助けられた人で感謝を伝えられなかった人を選ぶ
②その人に向けて感謝の気持ちを表す手紙を書く
③どんな親切を行い、行為ある態度を示してくれたかを回想する
④その結果、どんな好影響を自分の人生に与えてくれたのかも言及する
⑤その人がいなければ、今の自分がどうかっていたのかについても考える
⑥書いた手紙を本人に送る、またはそのまましまっておく
第七の技術 痛い体験から意味を学ぶ
「PTG(トラウマ後の成長)」
挑戦的な人生の危機でもがき奮闘した結果起こるポジティブな変化体験
第一の変化:全般的な「生」への感謝の気持ちが増す
第二の変化:人間関係、本当に絆が明確になる
第三の変化:自分の強さに対しての理解が深まる
第四の変化:一から三の変化によって「新しい価値観」が生まれる
第五の変化:自己の存在とスピリチュアリティに対する意識が高まる
「ノーペイン、ノーゲイン」
人は自分で物事がコントロールできる、自分の処遇は自分で決められると実感したときに幸福度が高まる
「自己決定感」はその人の心理的な幸せに大きく営業する
「レジリエンス・ストーリーを作成する」
①被害者でなく、再起した者の立場で物語を形成する
②精神的な落ち込みから抜け出したきっかけは何かを回想する
③ゼロの状態からいかにして這い上がってきのかに着目する
そして逆境物語を俯瞰して意味を探求することが有効
三種類の仕事観
「ジョブ」…仕事の意味をお金の為の労働と捉えている
「キャリア」…地位と名誉の為に仕事をしている
「コーリング」…自分よりも大きな意味と目的の為に働いている
「私は何者か」の延長線上に「私は何をすべきか」があり、
それが「本当にやりたかったこと」であることが多い
レジリエンスを養う最後の技術とは逆境体験という精神的には痛いけれど発達的に価値ある体験から「私という人間は一体何者なのか」を学ぶプロセスともいえる