わたしの好きな場所
暖かな冬の朝。
おじいちゃん家の居間で、
柴犬がのんびり日向ぼっこをしている。
それを、ぼーっと見る。
オレンジと、白と、ベージュと、
暖かくて時間が溶けそうな空間。
猫が2匹いる陽当たりが暖かい、あの家。
深いブラウンと、柔らかな光のオレンジと、
午前中の暖かで少し陰影の強い光。
美味しいお茶を淹れるために、
お湯を沸かしているとき。
日曜の午前中に、あの人と一緒に食べる
ホットケーキを準備するため、
フライパンを暖めている時。
もう二度と同じ空間はないけれど、
強く刻まれている、暖かいあの場所。
そこに、精神的に触れていく。
流れ、定め、運命(さだめ)。
ああ、これ以上の
幸せな空間はないなと、目を開けても感じる。
あのときの匂い、空気、静けさ。
これは、わたしの好きな場所。
還る場所。
本当の、居場所の感覚。
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