何でもできる、ではない
何でもできる。
ずっと信じてきた言葉だ。
子どものときに常日頃父親から聞かされたこの言葉が一つの信念として僕の中に形成されていった。
ことあるごとに自分ができると思い続けてきた。本腰を入れない学校の勉強でも、その気になればきっとできるはずだ、という想いが心の片隅にあった。
長い間揺るがなかったこの信念には、疑問が出てきた。
仕事での度重なる失敗の中で、「何でもできる」と信じ続けた言葉の真意に疑いがかかってきた。
何でもできるなら失敗の連続はどう説明するんだ。というのが正直な気持ちだ。
もちろん僕の努力に問題がある可能性もあるし、これから頑張っていけば失敗が成功に変わらないとも限らない。
だけども、長らく持ち続けた信念を疑ってみたことによって、新しい結論に至った。
それは、何でもできなくてもいい。
人間にはできないことが多い。何でもやろうとすることが賢いことではない。
肝心なのは、やりたいことを頑張ることだ。やりたくないことを頑張っても意味がない。
何でもできなくてもいいからやりたいことだけできればいい。
だけど、やりたいことでもできるには一つの条件がある。
それは本気で努力することだ。
一つのことに対して全身全霊で情熱を込めて自分を信じて努力すれば、できるはずだ。
新しい信念の下、頑張っていきたい。