見出し画像

【第427話】1/29・中京11R・シルクロードS(にゃむ師匠)

今年に入ってJRAで大きく変貌した事項で、 我々馬券ジャンキーに最も直結するのが、各馬の負担重量の増加。その傾向が殊更顕著に反映されていて、一連の改革の言わば「見せしめ」感が強いこのレース。しからば、狙いもその「スキ」を突いたものにしたいところ。ぜひご覧ください!


嫌な予感は、当たってしまった。。

最後の連載・第1504回目となったGallop有馬記念号で、いつもと違うただならぬ違和感。やはりこれは、彼なりのSOSだったのだ。もうすぐそこまで訪れている自分の最期を悟って、あの一文で自分の馬券論を締めくくったとしか思えなかった。
というか、自分の最期のフレーズは、生前より「これ」と決めていて、元気な頃から懐に忍ばせていて、満を持して出したのかもしれない、そんな演出感すら感じさせた最後の一文であり、そうだとしたら、湯水のように言葉があふれ出てくる「文豪」ならではの成す業。

~参考文献 無料ですのでご覧ください~

あまりにショックで、まだ気持ちの整理がついていないゆえ、これ以上書くことはまだできなく、しかるべき時にまたどこかで取り上げたいと思っているが、彼が最後に残した名言
「人の馬券が当たった話なんて、面白くもなんともないんだよ」
これはたいへん強烈であり、取り繕いせず素直に生きることの大切さを改めて教えてくれました。これは今後小生の生き方に間違いなく影響を与えるというか、すこし強くなれる気がしています。この歳でも、まだ変われますから。

改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。
そして、今までありがとうございました。

と、またもや小生のリスペクトする「物書き=エッセイスト」がこの世を去ってしまった。

清水成駿さん、さくらももこさんが亡くなった時も相当にショックだったが、それ以来の衝撃。たくさんの感心・共感と笑いをくれたエッセイストたち。フィクションよりもノンフィクションを愛する小生ゆえ、これらのエッセイはズドン!と来るものがあり、この世で生きることの楽しみを長い間小刻みに提供してくれたことに、改めて感謝が絶えないのだが、振り返ればさくらももこさんが亡くなったのが2018年の事であり、もう5年の月日が流れようとしているのがすこしの驚き。

この時はまだnoteでのコラムは開始していなく、某SNSで予想日記を書いていた頃だが、このさくらももこさん逝去のニュースに対しても追悼と感謝のコラムを書いていたので、今日は転載してみようと思う。正真正銘、小生本人が書いたものですもの。転載したっていいぢゃないですか?

2018年08月31日 追悼。人生を変えてくれた師へ。

---------------------------------

普段の予想日記では、なかなか時事ネタを取り上げることはなく、世相に流されず意のままに書き綴ることが多いのだが、このニュースに触れないワケにはいかない。

このさくらももこさん死去のニュースは、ここ数年の有名人死去のニュースの中では、そのショック度は群を抜いたものがあった。星野仙一や桂歌丸もそれなりにショックだったが、この比ではなかった。

なぜなら、さくらももこさんはオラにとっての「人生を変えてくれた師。」
まあ、このテのフレーズは24時間テレビで飽きるほど使われたゆえ、新鮮味やインパクトに欠けるのは承知だが、これ以外に思い浮かばず、たとえベタベタな二番煎じであっても敢えて使わせてもらう「人生を変えてくれた師」。そのくらい、物書きとしてのオラの根幹にいる方だからである。

その昔、表面上は優等生でも心はブルーハーツだった中学3年~高校1年の頃。誰もが必ずどこかかしら「尖っていた」あの頃、オラも人並みに、いやそれ以上に物事に対する不満・偏見があって、オラはそれをどこにぶつけていたかというと「女の物書きのつまらなさ」に対してであった。

キッカケは推理小説。おもに西村京太郎のトラベル・ミステリーを爆読していたが、ふと、女流作家たちはどんな作品なんだろう?思い、山村美紗を読んだのだが、えらくつまらなく、味気なくてガッカリした記憶があり、最後まで読み切ったかすら記憶にない。

それに輪をかけたのは俵万智の「サラダ記念日」。ニュースにも取り上げられる社会現象となったが、どれどれと読んでみたがいやぁ~つまらない。何が面白いのかさっぱり理解できなかった。

これが決定打となり、オラの既成概念として
「女が書く文章は、どれもパンチ力が欠けつまらないもの」「読むに値しない愚籍」と決めつけていた。西村京太郎お得意のジャック・ナイフはどこにも出てこないのだ。今思えば、この考え方こそ、現世ではとても生きていけない「男尊女卑」であり、偏見以外の何物でもなかったが、当時はこの思いが随所に蔓延る時代であり、そんな時代を牛耳る大人たちを模倣すべく、堂々とオラも「女のつまらなさ」を罵っていた。

そんな偏見の塊だった平成2年。
世では「ちびまる子ちゃん」がブレイクしまくり、一大ブームとなっていた。オラも単行本を買って面白く読ませてもらったが、あくまでそれは「楽しい漫画の一種」に過ぎず、ほぼ一般人と同じくらいのレベルで楽しんでいた。

ゆえに、オラがさくらももこを「師」とする理由は、ちびまる子ちゃんではない。それはブーム真っ盛りの平成3年3月。当時の男尊女卑の偏見を根底から変える一冊の作品に出会ったこと。それが

もものかんづめであった。

これは、さくらももこが書いた「エッセイ集」であり、活字。漫画ではない。
最初は興味本位のみだったが、さあ読んだらまあとにかく面白い。文章が面白すぎて吸い込まれる。心理描写、比喩が絶妙過ぎて鳥肌が立つ。Mr.マリックの超魔術を見ているよりも衝撃だった。これだ。面白い読み物とはこういうものなんだ。このさくらももこという人は、マンガもそれなりに面白いけど、エッセイを書いた時の爆発力はとてつもない天才なんだ。

同時に、オラの固定観念だった「男尊女卑」が崩壊した瞬間でもあった。オンナでもこんなに面白いものが書ける。変な男よりも数段面白い。オラの考えは間違っていたのかもしれないと真剣に反省したのもいまでも痛烈に憶えている。

そして、さくらももこが高校時代に、小論文のテストをエッセイを調に書いたら95点という高得点を取り、「現代の清少納言」と称されたこと。そういった小論文を武器にして、大学も推薦で合格したことを知り、いつしかオラもそれを目指すようになっていた。さくらももこみたいに、好きな事を面白おかしく書いて、大学に合格する!センター試験なんかクソ喰らえ!と、勉強を棄て、当時夢中だったクイズとこの小論文に高校生活の全てを捧げた。そのくらいさくらももこの文章にあこがれていた、こんな物書きになりたかいと切に思った。そしてそれを有言実行。センター試験の1ヵ月前の12月に、小論文と面接だけで志望大学の推薦入試を受け、突破。クラスで大学合格第一号となり、皆の恨めしい視線をよそにとっとと教習所に通ったなぁ…。

あれから25年が過ぎ、このSNSでの予想日記も13年目になるが、オラのこの文章はまちがいなくさくらももこのエッセンスが散りばめられていて、例えば先週の予想日記の中に、

職場の上司という役席たちが4人くらいスピーチをするも、どれも気の効いたコメントもないから、ウケもしなければスベリもしない平坦おめでとうコメントの連続に痒くなる一方。ラナケインが何本あっても足りなかった。

というフレーズを書いたが、これこそがオラが師と仰ぐ「さくらももこイズム」。彼女ならこういう場面できっとこういうフレーズを使う!と思いながら、まるで憑依したかのようにキーを叩く。12年間、常にこの基本姿勢で、読む側が少しでも面白おかしく読めるかを考えながら書き続けた予想日記には、そんな「さくらももこフレーズ」がふんだんに散りばめられていてる(と、勝手に思っている)。

そんな「師」が、先日、53歳という若さで亡くなった。ラナケインのくだりを書き、「オッ、久しぶりにさくらももこイズムでね?」と自己満足していた3日後のことだった。たいへんショックであり、悲しかった。だが、次の瞬間には、感謝の意の方が溢れていた。
あの時、小論文を極めての推薦合格というウルトラCを教えてくれたこと。男尊女卑という偏見を根底からぶっ壊してくれたこと。数々の面白おかしい文章で、若きオラにたくさんの笑いとエネルギー与えてくれたこと。そして、今も脈々と続く予想日記の根源となり得たこと。

とにかく、とにかく感謝でしかない。

残された(と勝手に思っている)オラは、引き続き、書ける範囲内「自分なりの一生懸命」で、これからも、このさくらももこエッセンスを散りばめた予想日記を書き続け、このイズムを絶やさぬように、そしてこれを自分のエネルギーとして燃焼しつづけてオラもいつしか命の幕を閉じられればそれで本望と思っている。

今でもオラの行きつけの喫茶店の本棚には、オラが寄贈したちびまる子ちゃんの単行本全巻だけでなく、さくらももこが残したエッセイすべてが並んでいる。さくらももこ追悼コーナーとして順番も並べ替えました。これらの財産はこれからもずっとここに残していきたい。機会あらば、読みに来てくださいな。

平成の始まりとともにブレイクし、平成最後の年に生涯の幕を閉じた、まさに平成を象徴する「現代の清少納言」。改めて、哀悼の意を表します。ありがとうございました。

あちらの世界でも、大好きなお茶を飲みながら、あれこれ感じたことを面白おかしく綴っていてくださいね。長い間、お疲れ様でした。

---------------------------------

あれから5年。
小生も某SNSからこのnoteに主戦場を変え、あのときと変わらずに毎週コラムを書き続けで4年、人生も劇的に変わった。

この執筆活動に命をつぎ込むべく、友人関係もほぼ断捨離してキャラ変した。まあ、一連のコロナ禍もあって得意のアクティヴさが鈍化したのが結果そうなったというのが正確なところなのだが、根幹にはこれがある。
まあ、人格の根本は何ら変わらない「人たらし」なんだけど、とにかく最高の予想をお届けするための下準備にはとにかく時間がかかり、何かを犠牲にしないと成立しないのだ。だって1週間は168時間しかないのだから。

と、小生の表面上の人格は変わっても、この喫茶店の本棚だけは、まるで時間が止まっているかのように5年前と変わらない。

今週競馬が終わったら、また、喫茶店に行って「もものかんづめ」を読んでみよう。5年ぶりに。なんかこういう小さな楽しみがそこにあると、目の前のお仕事もより一層頑張れる気がしている。


というワケで、ガンバロウ。
健康で馬券が買える。それに替わる行為はないのだから。
シルクロードS。

ここから先は

3,841字 / 4画像

¥ 200

※予想に関するクレームは一切受け付けません。 ※馬券は自己責任でお願いします。 ※みなさんが寝たり遊んだりテレビ見たりしている時間を割いて予想しています。その対価として料金をいただいております。 ※的中率よりも回収率重視になります。 ※予想の転載・転売は一切禁止致します。