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【第502話】10/14・東京11R・府中牝馬S(にゃむ師匠)

東京競馬場内にある競馬博物館。小生も競馬を始めた頃はよく行ったものですが、馬券ジャンキーになってからはすっかり行けてません。せっかくですから、馬事文化を改めて見つめなおし、ココロ綺麗にして秋競馬、楽しみたいですね! コチラも心機一転、ぜひご覧ください!

小生は、終わったレース、特に残念だったレースについては、その後のコラムではなかなか掘り下げて振り返る事はしないものだが、先日の京都大賞典の◎ブローザホーンは、残念な結果の中で、いろいろな想いが交錯したため、改めて綴りたいところ。

※無料ですので、未読の方はご参照ください。

札幌のオープン連戦使いを取りやめ、狙うは京都大賞典。このエイミングは非常に妥当性に富み、間違いではなかったと思う。そのためには、強い関西馬たち相手に凌駕するために、陣営は美浦でより強い、極限の調教を施す。

直前、南Wではかつて見たことのない4F50.6の爆時計で仕上がりはまさに「メイチ」。それはレース前の馬体重発表に表れていて、示した馬体重は414キロと、前走の-6キロからさらに-8キロと、絞り方もまた「極限」だった。

オールドファンの小生は、
・この極限まで絞った2走連続マイナス体重の推移
・414キロの小さなステイヤー
・単勝4倍前後の2番人気
・いち関東馬が関西の強豪相手に京都に殴り込みをかける

これらの要因が、30年前のとある1頭にリンク。
1993年の天皇賞(春)のライスシャワーだった。

もちろん、舞台はG1ではなくG2であり、相手は横綱・メジロマックイーンではなく、大関・ディープボンドと、舞台・役者も縮小しているにしろ、ここまでその境遇が一致するとどうしてもつながってしまう。414キロの馬体重発表の瞬間に、瞬く間に30年前のライスシャワーが脳内に登場したのは事実。

そして、そんなライスシャワー陣営を、同じ関東の厩で、当時40歳のアイネスフウジン中野ジョッキーは、調教師としての第二の人生を模索している中で、飯塚先生と後輩・的場均ジョッキーが仕上げるライスシャワーを近くで見ていて、あれから30年、目の前にいる大物ステイヤー・調教師生活の集大成と位置付けるブローザホーンを、あの日のライスシャワーにダブらせていたかこそ、これだけの仕上げをこの馬に課し、託したのかもしれない。

もはや、やるか、やられるか。
馬体も極限なら、勝負も極限。あの時のライスシャワーも、前走の日経賞から12キロも絞り、デビュー以来最も軽い430キロで京都のパドックに現れ、当時は競馬ドシロウト立った小生も「これ、本当にやれんの?」と疑問視した30年前の映像が蘇るも、レースではあのスタミナの塊・メジロマックイーンを寄せ付けなかった勝ちっぷり。その残像があったからこそ、勝つならこういう競馬だな、またライスシャワーの馬券が買える!と30年前にタイムトリップ。締め切り10分前、弾の数を予定より増やして、相当額ぶち込んだ馬券を携えファンファーレ。

しかし、極限の仕上げは得てして、意としない真逆の結果を呼び込むことも、まさに「表裏一体」。これが競馬であり、これも競馬。

3コーナーから菅原アキラが大きく腕を動かしてもどんどん置いて行かれ、ズルズルと下がっていく◎①ブローザホーンに、同じライスシャワーでも、あの勝利の天皇賞から2年3か月後、同じ淀のターフに沈んだ悲劇のライスシャワーのほうが舞い戻り、思わず「うわ、やめてくれ~~!」と声を挙げて嘆いてしまった小生。

競馬とはときに残酷なもので、その仕上げが極限だった分、掛けた負荷が強い分、身体がオーバーフローを起こすことは多々ある。馬は「痛いかゆい」が言えない生き物。人間だったら「ちょっと腰が痛いんで会社休みます」なんて容易く言えるのに、サラブレッドはそれが許されないため、時にこういう事故は起きるもの。

しかし、不幸中の幸いだったのは、命が奪われるような故障ではなく心房細動によるものであり、今後の競走生活を奪うものではなかったこと。これにはほんとうに安堵の気持ちだし、このG2に臨むにあたり、ちゃんと馬に負荷を掛けて「やるべきことをやった」結果でもあるので、やることをやってこうなった結果なんだから、やむを得ないと昇華できるものはあった。それだけ、勝ちたかったんだろう。

失った馬券損失は相当だったけれど、それらを忘れるくらいのプラス・リカバリーの気持ちで満たされ、希望の光が。また、ブローザホーンの走りがみられる。この事実が分かったなら、失った馬券なんぞ痛くねぇ。取り返せるぞ!

心房細動は、最近では去年のオールカマーでソーヴァリアントが発症したが、3か月シッカリ休養後は復帰即重賞を圧勝。少し前はステイフーリッシュ、大昔にはネーハイシーザーも発症したが、その後重賞で好走したりG1制覇したりと完全復活もできるもの。◎①ブローザホーンもまだ4歳。心肺機能ゆえ、3か月は程度はシッカリと休んで、来年2月で70歳定年となるアイネスフウジン中野センセイの最後を考えると、年明けの日経新春杯は少し早いにしろ、京都記念なりダイヤモンドSでは、歓喜のゴールイン。いろいろな意味で「あの日のやり直し」を是非とも見つめていたいし、歓喜にむせびたいと切に思うのだ。

競馬は点ではなく線。
3か月先の未来も楽しみにできれば、30年前のシーンも一瞬に蘇る。つくづく面白い遊戯(ゲーム)でありドラマですね。

さあ、ブローザホーンについてはすべて吐き出した!
行こう! 府中牝馬S!

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