オンライン読書会『おすすめ趣味マンガを語る会』イベントレポート【2020年9月】
どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!
先月もYouTube Live配信にてオンライン読書会を開催しました!
今回のテーマは「おすすめ趣味マンガを語る会」。何かを始めたくなる季節、秋にぴったりですね。マンガを読んで奥深い趣味の世界にみんなで飛び込んできました!
イベントのもようを、マンガソムリエ・兎来栄寿さんによるレポートでお届けします!配信アーカイブを聞きながら紹介した作品をチェックしてみてくださいね〜!
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こんにちは、マンガソムリエの兎来栄寿です。記録的な暑さだった夏も気付けば終わりを迎え、涼しさを感じるようになってきた今日この頃いかがお過ごしでしょうか。
9月26日(土)、「趣味マンガ」を題材としたオンラインマンバ読書会が開催されました。
皆さんはマンガに影響を受けて始めた趣味はありますでしょうか?
私自身は、幼少期からマンガによってさまざまな趣味を伝道されてきました。コロコロコミックを読んで始めたミニ四駆やヨーヨー、コミックボンボンを読んで始めたガンプラ、ゲーム……
『OH!MYコンブ』や『クッキングパパ』、『美味しんぼ』、『ミスター味っ子』などを見てはお菓子を使ったリトルグルメから海水を使ったカレーなどの料理も作りました。
『月下の棋士』を読んで将棋を指し始め、『ヒカルの碁』を読んで囲碁を打ち始め、『遊戯王』を読んでマジック・ザ・ギャザリングを始め(麻雀は覚えるためにマンガで覚える入門書を読み、『アカギ』で深みにハマりました)……
『ドラえもん』ではのび太たちが好きなコンテンツのグッズを集めてその数を競う回があるのですが、それに影響されてかコレクション癖もつきました(しかし、ある日大事に集めていたコロコロやボンボンの既刊をすべて捨てられ悲しみの海に沈みました)。
改めて思います。「マンガはすべてを教えてくれる」、と。新しい趣味の世界の扉も簡単に開いてくれる素晴らしきマンガ。そんなマンガの話を読書会では滔々と行いました。
この日はYouTubeの方に障害が起きて若干開始が遅れてしまうという珍しいトラブルもありつつ、遅れて時間が圧縮された分、更に密度の濃い時間にすることができました。
趣味マンガは大きく2つに分類することができると考えます。それは「アウトドア」趣味マンガと「インドア」趣味マンガです。
今回語られた作品を、「アウトドア」と「インドア」に分けて紹介していきます。
アウトドア趣味マンガ
『サバゲっぱなし』
『なかよし』でも『さばげぶっ!』が連載されていたこともある他、『こち亀』などでも昔から取り上げられていたサバイバルゲーム。実際に自分の体を動かしながら行う戦略的ゲームの楽しさがたっぷりと魅力的に描かれています。
『ルミナスブルー』
百合カメラマンガ。私もその昔『究極超人あ~る』の影響で光画部にいた時代もあり、一瞬の美しさを切り取る喜びはとてもよく解ります。カメラというアイテムの生むイメージや創造性からマンガとの相性も良く、非常に根強いテーマですね。
『カメラ、はじめてもいいですか?』
こちらは『ヤマノススメ』しろさんの新作カメラマンガ。
「玄人も初心者も、カメラ沼漫画へようこそ!(ズブズブ...」
と、流石の安定感の中でカメラという深淵への手招きがあります。こちらもアニメ化を期待したいですね。
『三枝教授のすばらしき菌類学教室』
きのこもカメラで撮影するあうしぃさんによるこちらのきのこマンガへのクチコミは、副読レビューとして非常に価値が高いのできのこに興味のある方は作品と同時にぜひ。それにしてもマンガに出てくる年配の教授は変人キャラが多くて好きです。
『ざつ旅-That’s Journey-』
『ぼっち旅 ~人見知りマンガ家のときめき絶景スケッチ~』
旅を題材にしたマンガ。『ざつ旅』では架空の漫画家が現実のTwitterアカウントでアンケートを行い、そこでの投票結果を元に旅が行われてそれがマンガ化されるという面白い試みが行われています。
マンガ自体のクオリティも特に3巻以降グッとUPするのでまとめ買いがお薦めです。
『ぼっち旅』は絵のディティールが精巧で、風景から食べ物まで非常に臨場感が溢れています。旅する場所も東尋坊や、『ゴールデンカムイ』で見たことがある網走、西表島など普通の観光地よりはちょっと独特なところを攻めており面白いです。
『ふたりソロキャンプ』
最近流行りのキャンプマンガからひとつ選ぶならこれ。精緻に描き込みがなされた絵で、キャンプ時に役立つさまざまな知識が満載です。またタイトル通り、メインは2人なのにしっかりソロキャンプという関係性も妙。今の御時世でもソロで車に乗っていくキャンプであればまったく問題はなさそうで、むしろ推奨されるべきかもしれません。
『デイズ・オン・フェス』
こちらは音楽フェスを題材にしたマンガです。音楽は聞くけどわざわざライブには行かない、行ったことがない、という方にもフェスの魅力が全力全開で伝わる内容となっています。読んだらフェスに行きたくなること間違いなし。早く世界が落ち着いてまた平和に熱く盛り上がれるようになればいいですね。
『東京城址女子高生』
城址巡り×女子高生! 城ではなく城址。これもまたニッチなところを掛け合わせた作品ですが、面白さは確か。意外と身近な場所に歴史の跡が残されていることを学べて、日本という国の来し方行く末を考えさせられます。近所の史跡を訪ねてみたくなる作品です。
『放課後ていぼう日誌』
『いそあそび』
マンバスタッフのTさんがこの日に向けて読んでこられたというのがこの2作品。読んだら堤防釣りや磯遊びをしたくなること請け合いです。熊本を舞台にした『放課後ていぼう日誌』は、作者が被災した関係で休載、アニメも中断という苦難がありましたが、とても素敵な作品なので応援していきたいです。
『いそあそび』には
「六郎はセトに食材を採って渡したり、採取や調理の方法を教えたりする。それは単に、採って楽しいということ以外にそれで他者が喜んでくれるのが嬉しい、そういう六郎の気持ちが、自分の体験から来る共感的な昔懐かしさともに、この漫画を読んで感じられた」
というクチコミも頂いています。
『野球場でいただきます』
『矢野七菜子、白球を追う。』
『球場ラヴァーズ』
『ようこそBALL GAMEへ!』
野球マンガは無数にありますが、今や野球観戦マンガもどんどん隆盛してきました。今年は球場に観戦に行く機会も少なく不完全燃焼感があると思いますので、これらの作品を読んで溜飲を下げてはいかがでしょうか。それにしても、球場で食べるものって何であんなに美味しく感じるのでしょうね。
『ボールパークでつかまえて!』
新しく連載の始まったこちらはビールの売り子や売店員など球場の人々を描いた作品で、笑いながら球場人間ドラマを楽しめる作品となっており注目です。
『スケッチー』
マンバにもこんなクチコミが。
「スケッチーって絵描きの話かと思ったけど違うんすね」
「若者のトレンドを描いてるように見えて働き方や生活に焦点が当たっているんだけど、決して説教臭くなく、むしろ一緒に悩んでくれているような、安心感がある」
スケートボードマンガの中でも、女子が主役というのが珍しい、マキヒロチさんの名作です。
当日のコメントでは『ぐらんぶる』の名前も挙げられました。
どちらかというと大学生の馬鹿騒ぎコメディとしての要素が強すぎる&面白すぎる作品ですが、実は『あまんちゅ!』にも引けを取らないダイビングの魅力を描くシーンもある作品ですね。1割くらいですが。
続いて、以下はインドア趣味マンガです。
インドア趣味マンガ
『おかいこぐるみ!』
青年が何故か喋るカイコと出会いなんやかんやあってカイコを育てることになる作品。
私は詳述すると食事に差し支えるような蛾へのトラウマが若干あるのですが、そんな私が見ても純粋にかわいいと思えるカイコのマンガです。養蚕や虫の飼育に興味がある方にお薦めです。
『コロコロ創刊伝説』
『つるピカハゲ丸くん』ののむらしんぼさんが描く、コロコロコミックメイキングストーリー。5巻では、コロコロ編集部の人全員がジャンプを毎号読んで展開予想会議をして、ジャンプにない子供が夢中になれるものを作るべくミニ四駆文化を作り上げた熱い男たちの物語が書かれています。『ダッシュ!四駆郎』世代も『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』世代も必見です。
『ミドリノバショ』
「メッチャ面白かった!ビリヤードのことを何も知らなくても、ルールを覚えながら楽しめた」
機会がないと触れることもないけどオシャレな趣味のイメージのあるビリヤード。私はひたすら『ブレイクショット』の技を練習していましたが、正統派の素晴らしいビリヤードマンガがこの度登場しました。キャラクターも魅力的でビリヤードに興味が湧く内容です。
『シルバーポールフラワーズ』
最近は身近で趣味でポールダンスをやる人も増えてきていたのですが、熱いポールダンスマンガが現れました。ショーと競技、両軸でのポールダンスが描かれ、それぞれのフィールドで戦う二人がぶつかり合う様が熱いです。マガジンは少年誌でファッションをやったりポールダンスをやったり、いいぞもっとやれ! と思います。
『ゲーミングお嬢様』
格闘ゲーマーの煽り合い上等、相手をあったまらせたら勝ちという原始的な様態や度を越えた勝負への執念をかわいいお嬢様に置換して担わせることで得も言われぬ味わいを生み出している怪作。キレッキレのセリフやパロネタの一方で、企業wiki問題に切り込むなど風刺的な部分もありゲーマーにはたまりません。
『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』
「名無しお嬢様」のクチコミは必読ですわ。
こちらは『柚子森さん』の江島絵里さんがその美しい絵で格ゲーお嬢様を描かれた作品。お上品な女子校で繰り広げられる、野性味剥き出しのプライドのぶつかり合いが堪りません。
『放課後さいころ倶楽部』
「放課後さいころ倶楽部でボードゲーム集め始めました」という方も。
ボードゲームは良い文明です。『放課後さいころ倶楽部』ではさまざまなゲームが描かれ、実際に遊んでみると更にその深みにハマっていけます。
『京の都の香の路』
「お香」のマンガもあるんです。京都を舞台に繰り広げられる、人情味たっぷりの物語と共に、誌面から香りが立ち上ってきそうなお香についての知識を深められます。これもドラマでも見てみたいタイプの作品ですね。
『茶の湯のじかん』
『茶柱倶楽部』
日本の伝統文化といえば、「茶道」も外せません。突然のお茶の席に招かれた時も、これらの作品を読んで知識を蓄えておけば一目置かれること間違いありません。マンガとしても純粋に上質でお薦めの二作品です。
『バリスタ』
お茶ときたらコーヒーですよね。
「バリスタを目指したくなる爽やかな物語!」
「マンガらしくドラマチックなストーリーではあるけれど、コーヒーの文化や知識は本物が描かれ決して非現実的ではないところが魅力的」
というクチコミの通りの、しっかりとした作品です。
『マンガ サ道』
「サウナにあまり興味なかったけど、これ読んだらすげー興味湧いてきた。俺もととのってみたい」
サ道はサ道でもこちらは「サウナ道」。ドラマ化もされたサウナブームを牽引する名作です。私も最初はととのえなかったものの、今では「はぁ、サウナイキタイ……」と思う生物になってしまいました。
『甘々と稲妻』
「あえてこの『一言では説明できない感情』を言葉では言い表さずににマンガという表現の中でで描いている、そこに私は一番の魅力を感じていました」
料理マンガではあるものの、流行りのグルメマンガとは違う繊細な感情表現の生み出す人間ドラマの魅力が溢れた作品で、自信を持ってお薦めできる作品です。
『トナリはなにを食う人ぞ』
「今まで切り捨ててきた「生活」を、丁寧にしようという努力には好感が持てます」
この作品、何が良いって大学生ラブコメに始まり、絶望的な状況から何とかくっついて、続編の『トナリはなにを食う人ぞ ほろよい』では同棲しながらお酒に合うレシピが沢山紹介されるところです。恋愛×グルメの美味しいとこ取りをどうぞ。
なお、グルメ系の作品を読んでマンガ飯を実際に作ってみた、食べてみたという方は、ぜひこちらに投稿もしてみてください。
『みにみに部-沙々木美仁のミニチュアレシピ-』
「ミニチュア」という題材を扱った珍しい作品です。誰しも目にしたことのあるミニチュアをどうやって作っているのか。私自身も小学校に上がって最初の夏休みの宿題に小さな水族館を作ったことがあり、興味津々でした。ラブコメ要素と共にミニチュアの世界を楽しめる隠れた名作です。
『中村くんの金パは柔らかい』
「手芸ヤンキー可愛い!キュンキュン!!」
絵がとてもかわいらしくて、それだけで満足感の高いラブコメです。手芸をやってる子は男女問わずかわいい。熨斗目ナオさんのデビュー連載作ですが、現在連載中の『君のこと喰べていーい?』もとても良く、今後も活躍が楽しみな作家さんです。
『ラブロッサム』
「バレエ漫画。BLへの苦手意識を消してくれた作品なので個人的に激推し」
町おこし×男子バレエ。バレエマンガといえば女性が主役の作品が主流ですが、男子がやってもいいものです。身体芸術の美しさと素晴らしさ。BLレーベルですが、そこまで濃くない描写で人間ドラマの方に重きが置かれているのでBLはちょっとという方も。
『だぶるぶる -Double Bull-』
筆者の最近のお薦め新作です。まったく未経験の女子高生が、ダーツを始める物語。魅力的なキャラが登場してますます盛り上がっていく予感があり、楽しみにしています。余談ですがダーツと言うとキルアの「6歳で極めた カウントで1440P」を思い出してしまうのはマンガ読みのサガですね。
『とめはねっ!』を読んで書道の道に入った人はどれくらいいるのだろうといった話も上がりました。
地味ではありますが、知識の宝庫であまりにも良いマンガなので読んで欲しい名作です。
最後に、アウトドアかインドアか微妙な作品について。
『雨天の盆栽』
「盆栽をテーマにしたマンガなんて流石にないですよね?」
いえいえ、こちら『雨天の盆栽』がございます! 恐らく30代以下の9割は盆栽について全然知らないと思いますが、だからこそ楽しめる知識が満載です。百合好きには美味しい内容もありながらも、盆栽の魅力について地に足をつけた解説もしっかり行われた名作です。
『あかぼし俳句帖』
「さえないリーマンのおじさんが下心から俳句を始めるもどんどんハマっていく漫画。俳句は沼」
俳句マンガは意外と数は多くないですが、日本人の魂に宿された文化であるだけに読むとどこか沁みる作品が多いです。
『ぼくらの17-ON!』
『ほしとんで』
など、他の俳句マンガも併せてぜひ。マンガではないですが、『サイダーのように言葉が湧き上がる』の公開も楽しみです。
『服福人々―ふくふくひとびと―』
「どちらかと言うとお仕事マンガとして描かれがちな「衣服」を趣味として扱うことで、生活がかかった仕事マンガとは違う、肩肘の張らない程よいテンポで自分の中に入ってくる良作です」
少しだけBL要素が入りながらも老若男女問わず読める作品です。上質な人間ドラマと衣服への愛が上手くミックスされていて、実写化されたらとても映えるでしょう。
『恋せよキモノ乙女』
「コレ読んでみんな着物着よう!」
『着たい服がある』
「コレ読んでみんな好きな服着よう!」
と、他にもファッション系作品について推す声が上がりました。『恋せよキモノ乙女』は関西を中心に奈良ホテルなど舞台となる場所もとても魅力的に描かれていて素敵です。『着たい服がある』は、ファッションに留まらず周りと違うことで悩み苦しむすべての人に読んでみて欲しい作品です。
今回多数寄せられた趣味マンガ、アウトドアとインドアでは果たしてどちらが多いのか気になっていましたが、最後に集計したところ何と奇跡的に同数という事態が起こりました! こんなこともあるんですね。きっと神様が「趣味に貴賤はない」と仰っているのでしょう。
それに時間を費やしている瞬間、魂の奥底から充足感を得られるような趣味がある人はとても幸せです。人生においては仕事や人間関係などで辛みや苦しみを負うことも多々あると思いますが、それらを忘れて没頭して楽しめる趣味を、その時間はとても尊くかけがえないものです。どうか大事にして充実した生を満喫してください。
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みなさんからの素敵な趣味を描いたマンガ情報、たっぷりとご紹介させていただきました。やはり熱が入りますね…!
そして配信後にはなんと「本のO兄さん」さんがマンバの自由広場に感想トピックを立ててくださいました!!わ〜〜〜!ありがとうございます!!!
次回の予想や配信の感想、気になって読んでみたマンガなどなど…ぜひ書いていただけると嬉しいです!(ご要望なんかもあれば参考にさせていただく所存…!)
次回配信は10月31日(土)を予定しています。詳細情報はマンバ公式Twitterと、マンバYouTubeチャンネルをチェック!
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次回もお楽しみに〜!!