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マンバ読書会『ハロウィンに読みたいマンガ』イベントレポート【2019年10月】
はじめに
どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!
10月26日(土)に、東京・豊島区にある『Comic Cafe & Bar しょかん』にて開催されたマンバ読書会「ハロウィンに読みたいマンガ」。
10/26 (土)の #マンバ読書会 のテーマは『#ハロウィンに読みたいマンガ』🎃🍬✨
— マンバ@🍙11.23食マンガ読書会 (@manba_co) October 7, 2019
ゾンビ・魔女・妖怪・幽霊・スプラッタ・コスプレ・スイーツ…何でもOK!
あなたが思う「ハロウィンに読みたい」、「ハロウィンぽい」マンガ持って池袋(@SHOKANfirst )に集合🧙🏻♀️👻
お申し込み👇https://t.co/DUszAaThwz
読書会にスペシャルゲストとしてご参加いただいた、マンガソムリエの兎来栄寿さんによるイベントレポートが届きました。ぜひお楽しみください!
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マンバ読書会『ハロウィンに読みたいマンガ』レポ
昼間は太陽(サン)のスタンド攻撃のような暑さかと思えば、夜は白鳥座の聖闘士の修行地かと思うほど急激に冷えることもある寒暖差の激しい今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか、マンガソムリエ兎来栄寿です。10月26日(土)、「池袋ハロウィン」が大いなる盛り上がりを見せていた池袋東口。それに対し、やや落ち着いた西口の方面にある「Comic Cafe & Bar しょかん」さんにて「ハロウィンに読みたいマンガ」を語るマンバ読書会が開催されました。
オシャレな店内。
カウンター席のランプはハロウィンらしくかわいい装飾がされておりました。
そして写真の下に若干見切れているオーナーの私物TVで、この日もラグビーワールドカップ観戦中でした。前回は日本がアイルランド相手に大金星の日でしたが、今回もまた世界ランク1位のニュージーランドをイングランドが倒すという熱い展開となりました。
そして、前回に引き続き横浜の競技場から日本代表ユニフォームでいらして下さった方も(笑)
そうして徐々に参加者と共にハロウィンに読みたいマンガたちも集まってきました。
「ハロウィンに読みたい作品」というと、パッと思い付く物は少ないかもしれませんが、「魔女」「ゾンビ」「幽霊」「吸血鬼」「コスプレ」と言った辺りの単語から連想すると、色々な作品が想起されます。
「魔女」関連の作品だけ持って来る方、あるいは「妖怪」メインで持って来る方など、チョイスに個性が溢れるお題となりました。
まずは自己紹介をしながら、各々の持ち込んだ「ハロウィンに読みたいマンガ」について語り合いました。
『GS美神 極楽大作戦!!』には
「懐かしい!」
「第1話ってどんなだっけ……ボディコンだ〜!!」
「バブルの名残ですね〜」
などの声も(ちなみにアニメが最近Amazonプライムで全話観られるようになったそうなのでこの機会にいかがでしょう)。
また、一見何のハロウィン要素も無さそうな『バウンサー』ですが、「ハロウィンで暴れる人たちをこんな感じで制圧して欲しい」ということで持参されたとか。その発想は無かったです(笑)
ケースいっぱいに妖怪系のマンガを持って来て下さった方は、『足洗邸の住人たち』を激推し。
「一番好きなマンガ。何冊も持ってるんで、今日持ってきた分はどうぞ持って行ってください!」と意気揚々と布教されていました。本編もさることながら、作中に登場した妖怪や怪物などの出典とコラムが読み応え抜群です。
またアメコミ系の作品を持ち込んだ方も。
こちらはセクシーな表紙が目を引く『VAMPIRELA』。この本の巻末には大友克洋さんの短編も載っており、興味深い一冊でした。79年発行なので、ヴァンパイアシリーズのモリガン・アーンスランドの元ネタの可能性も。
映画『ジョーカー』が公開され話題となっていますが、こちらはとてもかわいい『BATMAN LI′L GOTHAM』。様々な祝日を描いた作品で、もちろんハロウィンの話も掲載。
「色々なアメリカの行事の様子を学べる。アメコミっぽくない絵で取っつきやすい」という作品。しかし、2巻の帯、「ゴッサム」という単語をこの色・こんなフォントで見たのは初です(笑)
また、装丁が独特な三原ミツカズさんの『ホーンテッド・ハウス』は、父が吸血鬼系、母が魔女系の男子のお話でまさしくハロウィンにぴったり!
ホーンテッドハウス。アイデアマンジェニアロイド小林兄貴の遊び心溢れる仕事です。みなさん…お気づきでしょうか?なんと見返しが2枚、間違い探しになっているのです!こちらもバーコードのスペースはコウモリを下げたりと工夫たっぷり! pic.twitter.com/wukf3DIfy1
— 三原ミツカズ (@mitukoken) February 20, 2016
そして、ハロウィンの夜から物語が始まる『たましいのふたご』も正に今日の為にある名作と言えます。
その他、多くの作品について熱く楽しく語られました。
マンバ読書会恒例の、マンガソムリエ・兎来のマンガトークの時間では、まずそもそものハロウィンの起源まで遡り、時事を描く『こち亀』におけるハロウィンの取り扱いに触れ、マンガ界で最古のハロウィンはどこにあるか、萩尾望都さんや内田善美さんのハロウィンを描いた名作短編、伊藤潤二さんのデビュー誌でもあるそのものズバリの『ハロウィン』、そして私自身がハロウィンという言葉を初めて認識したマンガについて語らせて頂きました。
「カイザード アルザード……」から始まる詠唱をすべて言える方はぜひ仲良くしてください。 (参考: 七鍵守護神(はーろいーん)とは【ピクシブ百科事典】)
そして合間にはしょかんさんによる美味しいお料理の提供が。
安心・安定のレギュラーメンバーたちに加えて、この日はオーナーのおのDさんがスペシャルメニューを拵えて下さっていました!なんと…!
『花のズボラ飯』に登場する「シャケトー」!!!!
マンガサロン 『トリガー』でも初期に取り扱っていたメニューで、懐かしい味わいが沁みました。
ちなみに、こちらは次回11月23日(土)開催のマンバ読書会「食マンガ」を語る会で出すメニューの試作だそうです! 次回がとても楽しみになりますね。
さて、こちらが今回集まった作品一覧です。
ハロウィンというテーマで集めると大手出版社の作品は少なめで、小学館の中でもIKKIなどややコアなレーベルのものが多くなるのだなぁという、新しい発見がありました。
「怖いものを見たい」「スリルを味わいたい」という、一見すると生存本能から矛盾するような欲求が人には存在しますが、逆に現代社会では普段命を脅かされることが少ないからこそ、こうした物に触れることで危機へのアンテナを鋭敏に保とうとする本能があるのかもしれません。
「ホラーというジャンルほど、人間のすべてが詰まったジャンルもない」という言説も存在します。
「真のホラーマンガって、持っていたくなくなるようなマンガだと思うんですよね……」
「売ったら呪われるぞ!」
という会話が印象的でした。
そして、最後に。実は今回の読書会には、GANMA!にて『デッド・オア・ストライク』を連載中の漫画家・西森生さんにも一般参加者としてご参加頂いておりました。
『デッド・オア・ストライク』西森生(GANMA!) https://ganma.jp/DeadOrStrike
話の流れで、たまたま持参されていた下書きのコピーを気前良く配って下さり、普段見ることができないプロの原稿に一同大興奮…!という一幕も。
(こちらは第89話「人狼高校戦④」の下書きでした)
読書会終了の21:00以降もしばらく残って、創作にまつわるお話などをさせて頂きました。本当にありがとうございました!
マンバ読書会はどなたでもご参加を歓迎しております。
次回は11月23日(土)のテーマは『食マンガ』です。自分が食マンガだと思えば何でもOKですので、ぜひお気軽にお越し下さいませ!
▼お申し込み
おまけ マンガソムリエ・兎来栄寿おすすめ!『ハロウィンに読みたいマンガ』🎃
私から特にお薦めしたのはゾンビマンガの『異骸』。
映画『宮本から君へ』の原作者・新井英樹さんも絶賛している作品です。
主人公が想いを寄せる幼馴染を始めとする、同じ学校の人たちがゾンビになってしまい襲って来るのですが、一定の時間間隔で普通の人間に戻り、またゾンビになり、というのを繰り返すという設定。大きな心理的葛藤が良い具合に混じっていて、自分だったらどうするだろうと考えてしまう作品です。
参加者の『ハロウィンに読みたいマンガ』(一部)
『裸で外には出られない』
「『ハロウィン=コスプレ・ファッション』ということで選んだ、ヤマシタトモコ先生のファッションエッセイマンガ」
「ヤマシタ先生は何を描いても面白くて凄い」
『ゾン100』
「『ゾン100』はいいぞ」
「ゾンビと一口に言っても切り口は無限だなと思わされた」
「マンバのコメント曰く『凪のお暇』」
『座敷女』
「1巻完結で怖いマンガを読んでみたい時にオススメ」
「『ドラゴンヘッド』の前の望月峯太郎作品ですね」
『まほう少女トメ』
「おおひなたごう先生初のホラー」
「『目玉焼きの黄身いつつぶす?』を描いてる人とは思えない」
『乱と灰色の世界』
「魔女一家の話。ぜひ読んで帰って欲しい」
「これは本当に名作。泣けた」
『ゾンビ取りガール』
「女の子がかわいい、笑えるゾンビもの」
「福満しげゆきさんの描く女の子かわいいですよね」
『ラタキアの魔女』
「短編集ですが、表題作だけでも読んでみて下さい」
「笠部哲先生、寡作なのが惜しい」
『魔女のやさしい葬列』
「『魔女のやさしい葬列』と書いて『リリスのやさしいパレード』と読みます」
「よ、読めない!笑」
「今は亡きリュウの傑作」
『アーサー・ピューティーは夜の魔女』
「これは、特に女性には薦められないマンガです」
「『名探偵マーニー』の1つ前の作品ですね」
『百鬼夜行抄』
「第1話だけでも読んで欲しい」
「美し過ぎる妖怪マンガ」
『バベルハイムの商人』
「絵が綺麗な笑ゥせぇるすまん」
「本当に画力高いですね」
『虚構推理』
「妖怪より人間が怖いミステリ」
「『人間が一番悪魔に近い』ってミギーも言ってた」
『地獄先生ぬ〜べ〜』
「モナリザの回はトラウマ」
「モナリザに牙が生えて襲われる話ですね」
「最後に悪い奴が二人食い殺されるのがコメディタッチで描かれるんですけど、ぬ〜べ〜で人が死んでるのはほぼない」
『夜明けの旅団』
「サンデーといえば藤田和日郎先生も」
「『うしおととら』や『からくりサーカス』も良いですね」
「ちなみに獣の槍(※『うしおととら』に登場する武器)を描いていた当時のチーフアシスタント・片山ユキヲさんの作品がこれ。女子高生アニメ制作マンガ、朗読マンガ、風呂マンガからの突然のホラーアクション」