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ロンリーウルフ・ロンリーシープ 水谷フーカ

病院の待合室で偶然であった同姓同名だけど全くタイプの違う2人。
なぜか気になってるんだけどあと一歩が踏み出せなくて……と、そんな風に可愛い初恋風味で始まるこの物語。

狼のようなボーイッシュな伊万里ちゃんと羊のようにふわふわで可愛い伊万里ちゃん。

そんな2人が恐る恐る知り合いになり、友人になり……と、近づいていく様子を最初は微笑ましく観ているのですが、だんだんとこの物語の持つ「毒」の気配が香ってくるようになるのです。
これがのんびり構えてる間に忍び寄ってくるもので、気がつくと案外ディープな闇の方へ連れて来られるので油断も隙もあったもんじゃないな、と。
いえ、好きなんです。それがこの物語の魅力なのです。

詳しくは是非物語に触れてみていただきたいと思うのですが、
この、きちんと1人になるために勇気を分け合う女の子シチュエーション!
私が大好きなやつですね(ドヤァ

お互いに「私なんて」「私なんかが」と言い合いながら励まし合う姿のいじらしさ、美しさ。年かな?ちょっと涙ぐんじゃうんです。

そんな時、2人に障害となる人物が現れるのですが
そこへ立ち向かっていく2人の姿に、お互い伊万里ちゃんに力を借りながら自分を取り戻していく姿に、読者である私が励まされるのです。

「勇気ってなんだろう?」と思う時、触れていただきたい物語です。


そして、この狼伊万里ちゃん、なんとガテン系女子なのです。
これはなかなか見ないヒロインではありませんか!?

しかも、私は男性女性関わらずガテン系が大好き!!
作業着とか、現場の佇まいとか、常に危険と隣り合わせにいるところとか大変色気を感じるたちです。重機大好きだし。
(だから、尼子インターの渚ちゃん大ファンです)

そんな私の趣味にもガチコン来た、私得な一冊でもありました。
ごちそうさまでした!

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真鶴コウ・百合の秘密基地
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