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リズと青い鳥(映画)
Twitterで感想を見かけるようになり、ずっと気になっていたので観に行ってみました。しかも、ほとんどの人が「劇場で観ろ!」という。
劇場でないと観られないものがあるのだろうか、興味津々で行ってみてすぐに納得した。
吹奏楽部のお話なのだ。
音、でしょ?
管楽器の吹きこむ息が楽器を通るときの音、女の子たちの息を吸い込むときの、楽器に口付けるときの、呼吸が歌になる瞬間、もしくは、休憩時間の緩んだ空気、その中にある楽器たちの気配、夏の空気、学校独特の漂う時間、その音たちがすごいんでしょ、この映画。
この映画にあることは普通は全て内緒なのだ。
内緒にしてあることが抽出され作品となっている。この映画の作る音が空気ごとその内緒話の中へ連れて行ってくれる。これは劇場の設備でないとできない。
だから、劇場で観ろとみんな言うのだ。行ってよかった、本当に面白い体験だった、ありがとう。
印象的なのは、足元の描写が多いこと。みんなふわふわと軽い。
足元を見るだけで、誰なのかはもちろんどんな気持ちでいるのかさえわかるようになる。この感覚はみぞれの景色かな。
泳ぐ目線、空気を読もうとしている時、大好きが溢れ出してしまいそうなとき、孤独に耐えるとき、そんな無意識の目の動きが丁寧すぎて、なんて芝居をさせるのだろうと。絵がこれだけ芝居してると声優さん、大変だったろうなあ。
それから、主人公二人のこと。
巣立ちは怖い。
一人は怖い。
自分がわからない。
でも、現実はそんなこと知ったこっちゃないし、許してくれない。
これは、一人で立つ覚悟をする前の「人は一人」ということを知るまでのお話だった。
「覚悟」ができないとこの世はなんとも泳ぎづらい。
でも、覚悟を決めるには「人は一人」を納得できないといけない。
その力をくれるのは大好きな友達が大好きだと言ってくれることだった。
女の子はこうやって、大好きを与えあって分けあって励ましあうの。
こうして一人を知ること、内緒だったのになあ。
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