
【ビジョンについて】なぜ、共生共榮なのか?
私たち、共立寝具は2025年よりビジョン(ありたい姿)を「共生共榮」にしました。
これは、「共に生きること、榮えることを喜び合える企業でありたい」という意味です。
なかなかこれだけお伝えしても「ふ~ん」という感じだと思います(笑)
これってつまり、私(久保)が「なぜ経営をしていて、何を目指しているのか?」ということになります。
今日は、その根幹を少しお話させてください。
※かなり赤裸々に書いていて、ちょっと長くなります。お時間あるときにお読み頂けると嬉しいです。
1.元々は教育の仕事をやりたかった。むしろやっていた。
僕は会社に入る前は、東京で教育の仕事をしていました。1~5歳の子供たちを野外で育てる「野外教育」のスタッフや、梵珠自然の家みたいな林間学校で中学・高校生たちを招いて、クラスの絆が深まるようなゲームを提供して導く。
そんな仕事をしていました。
大好きでした!
毎日自然の中で子供たちと全力で向き合っては、悩みあい、笑い合い、最高の時間でした。周りからも働きぶりを認められていて、本当に天職だったな~と。

ただ、どうしても、自分の中で目を背けられないことがありました。
それは、子供たちが帰るときには暗い顔をするんです。
さっきまであんなに楽しそうだったのに。
どうしたの?と聞くと
学校に帰りたくない。つまらない。
というんです。
それもそのはず。
多くの学校を見てきましたが、子供たちが荒れている学校は、決まって先生たちが子供に興味がない。あるいは先生たちが仲が悪い。
そこで疑問がよぎります。
ここでどんなに楽しくとも、子供たちに「くぼちー(僕のニックネーム)と出会えてよかった!!」と最高の言葉をもらっても、何も変わらないんじゃないか?学校に戻ったらいつもの日常が続くだけじゃないか?
結局は、大人が変わらないと、子供たちが楽しく暮らせる未来はないじゃないか と。
何かとてつもなく虚しさを感じました。
では、大人を変えるには??
と考えたところ、自分の実家の会社では多くの方を雇用しているのも知っていましたし、大学のころに「継ぐ」と言ってしまっていたのもあり、会社に入ることを決意しました。
2.社会のあり方自体がおかしいと気づく
会社に入ってから、最初の日々は、、、、、
今では笑えますが、めっちゃ大変でした!!!人生の暗黒期なんじゃないかと思えるくらい悩みました。
まあ、それは今度直接聞いてください。。。(笑)
色んなエピソードがあります(苦笑)
でも、そんな状況なんじゃないかというのは薄々わかっていました。
東京にいた頃乗っていた満員電車、実家に帰ったときに決まって父(現会長)が話す会社の愚痴。
どれも、とても接していて楽しいものじゃありませんでした。
なんでこんなに世の大人たちは、暗い顔をしているのだろう?
自分もそうなるの、いやだなぁ。
と思ったのが教育の道へ行った理由だったりします。
でも最近、そうなってしまうのは仕方ないよなぁと思うようになりました。なぜなら、、、
原因は、大人ではなくて、社会のあり方自体にあると気が付いたからです。
3.競争の先に虚無しかない社会構造
世の中で勝ち組とは誰でしょうか?
公務員?大手企業?政治家?
政治家は知りませんが、僕の同級生には公務員も大手企業もいます。
皆辛そうです。
皆仕事をやめたいやめたい言っています。
そこの入るために、10代の多くの時間を割いて勉強をして、学内テストで勝ち抜き、受験で勝ち抜き、就活で勝ち抜き、やっと入った会社。当初はあんなに喜んでいたのに、今度はそれを手放すことを望んでいる。
なんででしょうか?
会社同士でもそうです。
価格競争・サービス競争をしていった結果、多くの会社が潰れ、社員の給料は上がらず、商店街はシャッター街へと変貌しました。

商店街に関しては、勝ち組だったはずの大手スーパーが今度は撤退し始めています。
後には何が残るのでしょう?
勝った方も負けた方も虚無しかない。
気づいたら、今の社会はこんなことになっています。
それじゃあ大人たちの顔も浮かばないはずです。
4.だからこそ、共生共榮という概念が必要
本来、競争は目的ではなく、手段であったはずです。
よりいい社会を作る。
でも、今はその目的がすっぽり抜けてしまっている。
では、目指すべきいい社会とは何か?
それは、お互いが「あなただから」という信頼関係でつながっている。お互いが共に良くなることを考えられる。もっというと社会全体がよくなるために行動しあえる。与え合える。与えてもらうことに感謝できる。
そんな社会じゃないかと思います。
昔はきっと当たり前にありました。
自分の子供を近所の人が面倒を見てくれる。隣の家にお醤油を借りに行く。物々交換やお裾分けでほしいものが手に入る。
会社だって松下電器の、松下幸之助氏は、「下請けに値下げをお願いする際は、自ら下請け会社を改善し、値下げしても下請け会社がむしろ儲かる形を作っていた。」というのは有名な話です。
自分たちだけが儲かればいい、ではないのです。
私たちの会社でも、60周年の時、古参メンバーが懐かしそうに社歌を歌っていた姿を見て、この人たちは働くことを心底楽しんでいたんだなと感じました。
その頃に戻るのは難しいかもしれませんが、新しく作り直すことはできます。そのためには「つながり」が必要なんです。
地域の企業同士、連携し合い繁栄しあう
地域の子供を、地域の企業が教育をする
地域の課題は、地域の企業が解決をする
企業を中心にして、信頼関係で「つながりある」社会づくりに私たちは挑戦しなければいけません。
子どもの職業体験、まち探検やこどもインターンシップも
子どもたちの絵を乗せたトラックを作る、こどもミュージアムも、すべてはそのためのきっかけづくりです。


5.大切なのは信頼関係を築ける人であること
僕たちが解決しなければいけない課題は多々あります。
なにせ、「青森県自体が消滅するかもしれない」その手前にいるのが私たちです。

このままではほぼ間違いなく消滅します。
人も会社も自治体もです。
子どもたちに、発展途上国のような何もない未来を残したくない!
子どもたちが、「昔の大人たちはなんで何もしなかったんだ!!」と絶望した顔で言っているのを見たくない!
下り坂の中、いかに「安心して暮らせる社会」を作るかが私たちの勝負であり、本当の仕事です。お金儲けは手段であって目的ではありません。
そのためには、「多くの人と信頼関係を築き、まとめられる人」がめちゃめちゃ必要です。
多くの問題は信頼関係です。
「あの人なら私を裏切らない」
「あの人なら向き合ってくれる」
「あの人の言うことなら信頼できる」
そういう人が組織にいればいるほど多くの会社を救い、教育を救い、自治体を救うことができます。
僕らの業種は「インフラ業」です。
社会に必要な基盤を提供する会社として、発展していかなければいけません。
本業を通して、すべての企業活動を通して「あなただから任せられる」という人を多く輩出していかなければなりません。
課題を自ら考え、解決していく人を多く作っていかなければなりません。
是非、あなたの力を貸してください。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。
久保栄一郎