『東京の恋人』
映像作家とミュージシャンのコラボレートした映画の祭典「MOOSIC LAB 2019」の長編部門で最優秀女優賞などを受賞した大人のラブストーリー。結婚して夢をあきらめた主人公とかつての恋人が再会し、久しぶりに過ごす時間を通し、やがてそれぞれが戻らない青春と決別する姿を、音楽グループ「東京60WATTS」の楽曲にのせて描く。結婚を機に映画監督という夢をあきらめ、北関東に移り住んだ立夫はある時、学生時代の恋人・満里奈から連絡を受けて数年ぶりに東京へ行く。そこで満里奈とのひと時のアバンチュールの時間を過ごし、かつての仲間とも再会する立夫だったが……。主演は、俳優のほか映画監督としての顔ももつ森岡龍と、「恵比寿★マスカッツ」のメンバーなどでも活躍する川上奈々美。監督は、いまおかしんじ作品の音楽などを手がけてきた下社敦郎。
7月8日
二〇時過ぎにカフェを出て小雨の中歩いて渋谷の道玄坂にあるユーロスペースに向かう。去年のムーラボ2019で好評だったと聞いていた『東京の恋人』を観ようと思ったのは、『はちどり』を観に来た時に予告見て気になっていたのと、燃え殻さんもよかったとツイートしていたから。
途中までは90年代的な作りみたいな画だなあ、と思っていた(実際は僕たちが二十代を過ごしたゼロ年代的なものだけども、あと作中にも重要なアイテムとして出てくるminiDVテープね。映画学校の時に使ったのもあるけどやっぱり物として、物体として残っているとそこに思い出が宿るような、データだけだとそれができないから物語にしにくいと思うし、エモさはやはりなくなるのだろう)けど、主人公の大貫と僕自身が重なる所がどんどん出てきてちょっと他人事ではなくなっていった。
大学時代に付き合っていた恋人に十数年ぶりに会ってドライブしながら海に行ってという内容なのだが、大貫が映画を作っていて学生時代に脚本の賞とかを取っていたが、三十路になる前には見切りをつけて映画を作るのをやめてサラリーマンになっている。
僕は彼が見切りをつけたことに見切りをつけずにやってきている側だ。観ながら僕は大貫みたいに逃げ出せなかったというか、東京からいや青春から脱出できなかったんだなあ。
東京で生き延びて、死に損ない続けてるなあ、と思ってしまった。あまりにもエモーショナルな気持ちになってしまった。
劇中でも使われる曲にあるのだけど、コンドームあんなにも膨らむのか(笑)、あれやっている元カノ役の川上奈々美さんが最高に可愛かった。観ながら川上さん美保純さんに似てんなあ~と思っていた。あんなに可愛い彼女だったら忘れられないだろうな。
セックスシーンもあって、ピンク映画的な雰囲気もあるのだけど、その中で彼女をデートの最初からカメラで撮っていた大貫は最中も撮っているのだが、立ったままのバックで入れている時に、それまではやったことがなかったであろうアナルに入れたときになぜか「フォトジェニックだよ」みたいなことを大貫がいったときは笑ってしまった。
観終わって道玄坂のラブホ街歩くとさらに目の前にカップル歩いてて、ダメージがすごかくてさびしすぎる!みたいな気持ちになっていたら帰り道雨に降られて服がビシャビシャになった。
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