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『ルース・エドガー』

6月9日
ヒューマントラスト渋谷にて『ルース・エドガー』を鑑賞。
主人公のルース・エドガーを演じたケルビン・ハリソン・Jr.がずっと観たかったが公開延期になっている『WAVES /ウェイブス 』でも主役を演じているので興味があった。
今作では戦地で生まれ育ち七歳のころに白人の両親の養子となってアメリカで育った青年を演じている。高校でも優等生として誰かも慕われている彼の内面に芽生えているものに気づいた同じアフリカ系の女教師が、彼の思想についてルースの義父母に伝えたところから物語は転がり始める。
黒人の差別問題、白人至上主義などアメリカがずっと抱えている現実がこれでもかと描かれていく、青年は果たして清廉潔癖な優等生なのか、あるいは内面に復讐心や破壊を夢見る異端者なのか。両親は息子である彼をどう受け入れていくのか、受け入れられないのか、ルースは「いわゆる黒人」とオバマのような優秀な黒人しかないアメリカ世界でなにを思うのか、人間ドラマとして深い部分で揺さぶってくる良作だった。


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