『宮本から君へ』
木曜日に連ドラ版『宮本から君へ』は未見だが映画版を鑑賞。
真利子哲也監督なんで観とこうと思ったのが一番の理由。真利子監督作品は『ディストラクションベイビーズ』しか観ていないが、この『宮本から君へ』のテイストは近いものがある。暴力だったり性的なものだったり、そういうラインという意味で。
新井英樹さんの原作漫画も未読なためまったく内容がわからなかったのだが、最初観ていてずっと「メンヘラ頂上決戦」みたいな話なのかと思っていた。
主人公の宮本もヒロインの靖子もなんだが人間むきだしなんだけど、みんなそんな感じ。強弱で言えば強でずっと叫んでるか泣いてるか怒ってるか、でかい声出してるやつらばっかで疲れる。
疲れる理由はそれに対して引いてるやつとか彼らを否定するような対みたいな存在がいないので、ああ、主要登場人物誰にも感情移入できねえやと動物園の檻の中の珍獣を見ているような気持ちになってしまった。
あまりにも過剰なんで最後の方は笑いながら見るしかない、過剰ゆえにコントみたいになっている。確かにこの人生は悲劇と喜劇の混ざり合ったコントなのだろうから、それはそれで確かなんだろう。だが、当事者でないし、誰にも感情移入できない場合は眼の前で繰り広げられているのは過剰気味なコントにしか見えない。
衣装がメルマーズな伊賀大介さんだった。主題歌もエレカシの宮本さんだった。