2018年映画マイベスト10
今年の映画マイベスト10。新作オンリーにしています。
01・『アンダー・ザ・シルバーレイク』
02・『ブリグズビー・ベア』
03・『ブラックパンサー』
04・『愛しのアイリーン』
05・『万引き家族』
06・『タクシー運転手』
07・『ラッキー』
08・『少女邂逅』
09・『華氏119』
10・『ア・ゴースト・ストーリー』
次点
『世界で一番ゴッホを描いた男』
『デッドプール2』
『来る』
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
『君が君で君だ』
『カメラを止めるな!』
『心と体と』
『アイ、トーニャ』
『2重螺旋の恋人』
っという感じでした。
『アンダー・ザ・シルバーレイク』はもうああいうの好きなんでしょうがないです。都市伝説っぽいみたいなものをぶちこみました!みたいなやつね。これの日本版で赤坂と青山を舞台にしたものを小説とかで書いてみたい、と思ったのですが、村上龍著『コックサッカーブルース』を読んだら自分がやりたかったものが何割かあって、やっぱり風俗というかそういうものをど真ん中で書いていた頃の村上龍はすごかったのだと改めて感じました。
今年映画界隈を飛び越えて話題になった作品といえば、『カメラを止めるな!』でしたが、こちらがマイベストに入らない理由は、観る前に『ブリグズビー・ベア』観ちゃってたからというのが大きいでsy。どちらも映像作品を作るというのが作品の核にあるけど、『ブリグズビー・ベア』はみんなに自分を作った作品を観てもらってる時に主人公がトイレに行って吐きそうになってる描写があって、自分が作ったものを他者にジャッジされるってめっちゃ怖いじゃないですか、ワンシーンでもそこが入ってるだけもう他人事じゃないんですよ。あと今年一番泣いてしまったのもこの作品だったし。この作品は傑作だと思うんだけどわりとみんな観てない気がする。オススメな一作です。
『ブラックパンサー』は単純に最高!だった。
『愛しのアイリーン』は日本とアジアとの関係、資本主義と差別、地方の閉じた社会、性欲と血族、現在の日本にある問題がてんこ盛りのようにこの作品で描かれていて、やっぱり吉田監督すごいわ、と唸りました。
『万引き家族』も『タクシー運転手』『ラッキー』も劇場で観てほしい作品だと思った。『少女邂逅』は昨年ムーラボで観てたけど、劇場公開でも観たいと思って、繭という比喩もあるし大人になるということ青春が終わるということを描いていて素晴らしかった。あとは『華氏119』と『世界で一番ゴッホを描いた男』はドキュメンタリー作品でどちらも素晴らしかった。
『ア・ゴースト・ストーリー』はあれに次元足したら絶対に『インターステラー』になると思う。時間というものを映像で描く際にあのやりかたをすると観ている側に内容がインストールされて自分を照らし出して、自分にとって大事だった人との時間について考えてしまう。だからこそ、この作品は自分のものだという作用が起きるのではないと思ったりします。
『デッドプール2』は『ブラックパンサー』みたいにめっちゃ楽しんで観た。だが最初に『デッドプール』観たときほどのテンションにはならなかった。これは続編はなかなか最初の一作目を越えられない問題といいますか。
『来る』はやっぱりのちのちになっても覚えてると思う。よくもわるくも。中島哲也監督はやはり最強であり最恐である映像作家だと思うし、的確に人間関係のわずかだかズレている、そのせいですべてが壊れていく些細な部分も描いていて、現在の社会の歪みのミクロな部分を何食わぬ顔でやっていて、ほんとうにこわいし正しい視線だと思う。
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』も実写映画化した作品では珠玉の出来だったと思う、まあ地味な作品だけども。『君が君で君だ』はもはや過剰すぎて好きになってしまった。『心と体と』は地味だが、描写がめっちゃ綺麗で互いの夢の中で会うんだけど、そんときなぜかお互いが鹿なんだよなあ、その雪のなかの鹿の描写が美しい。『アイ、トーニャ』はトーニャのふてぶてしさ最高。『2重螺旋の恋人』は内容が菊地成孔さんがいつも言ってるような内容に近いなって思った。