将来の夢はなんだっけ
私の小さな頃の夢は小説家だった
皆が小学校や保育園で将来の夢は?と聞かれた時、ケーキ屋さんやお花屋さん!可愛い仕事を沢山言っていたのに自分だけこんな夢で、よく分からないけどみんなに合わせようと思ってついた嘘が美容師さんだった。
それが私の初めての物心だったと思う
自尊心があまり高い方ではなかった私は自分の夢をバカにされるのが怖くて必死に隠していた
布団の中で5冊で298円のノートにひたすら自分の頭の中で作った物語を書き続けた
小学校5年生から始めた物書きは高校まで続いた
大人になるにつれてみんなの夢は看護師さんや公務員、OLになっていた。
私の将来の夢は小説家だった
進路希望調査が初めて配られた時、シャーペンで小説家と書いた
何年にも及んで書いたボロボロの何冊ものノートもスクールバックに詰めて三者面談に行った
自分がどれだけこの仕事に思い入れを持っているか、話せばわかってくれると子供の私は思っていたのだ。
今、私は病院で医療事務をしている
たまたま内定を貰えて、何となく続けているだけの仕事だ
自分の将来の夢を偽って行った専門学校も、あと半年で卒業という所で不登校になり辞めてしまった
あの日の進路希望調査は先生に「考え直しなさい」と言われて戻されたまま家のゴミ箱に丸めて捨てたし、そう言われるくらいなら油性マッキーで書いてやればよかったと思ってる
学校の先生や母親の言っていたことはきっと正論だった
でも正論だけじゃ、誰も救えないよねって話
ご清聴ありがとうございました