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キモポエム -Kimoto poem-

noteには随筆SNSというその性質上、『キモポエム』が蔓延っています。
これは「ラブレター」です。
私の大学生活にとって重要な男の子に対する恋文です。

音楽と出会い


画像は全てAIで生成しました

大学1年生で最も大きいイベント、それは今から考えるとK君との出会いだったかに思えます。
K君は私と同じサークルにいた隣の学科の同学年です。
彼は寡黙聡明かつミステリアスなやつでした。
K君との最初の接点はサークルでの定例会でした。
当時私は学園祭でアニメーション映像作品を発表したくて、手伝ってくれる作画スタッフと作中の音楽を募集していました。
コロナ禍のためオンラインで行なわれていた定例会で、彼の作った音楽を聴いた私はサークルの会長を間に挟んで、彼と一瞬だけ話をしました。

popで爽快でどこか可愛らしいその曲調は聴く人に元気を与え、青く幾らかの雲が棚びく空の下で草が生い茂る丘を駆け足で下っていくような印象です。
彼が作った30秒の音楽はとても良い曲で、私の心を掴むのには十分な尺でした。それは今でもプレイリストに入れて聴いています。

才能と羨望

彼には二つの優れた能力がありました。
一つは音楽の才能、彼が影響を受けている作曲家は私の好きな作曲家で、彼の作る音楽は100発100中で私の心を鷲掴みにして離さなかった。
もう一つはプログラミングの能力を含むITのリテラシーと、それを助ける論理的な思考力です。
私は彼の高いスキルを目の当たりにして自分もこうなりたいと思い、彼と仲良くなりたいと思いました。
それは今では不自然なほど早く距離を詰めすぎていた気がします。自己主張がそこまで積極的ではない彼にとって最初は迷惑だったかもしれません。

彼の存在は間違いなく自分の成長には不可欠でした。彼が使うプログラミング言語を自分も勉強し、彼が使うツールに手を出し、彼が見ているメディアを自分もチェックします。今も昔も彼は私の目標であり続け、私はずっと彼の背中を追いかけています。

相性と成功

私と彼はまるで逆の性格でした。
大学2年生に上がり、サークルの会長となった私の側近として会計である彼は私を助けてくれました。
感染症の影響で完全にストップした課外活動にはノウハウや土壌が完全に枯渇し、サークルの中ですら名前と顔を見たことがなく独立した個々がサークルのなかを漂う中、会長と会計の私たちもまた個として団体の運営を一から作り上げるほかありませんでした。

私は積極的かつ素早い行動力を持って革新的な活動を次々行いました。時々暴走する私を一歩引いた身で彼の持つ論理的な慎重と高い知性、ITの技術でサポートしれくれました。
会員が60人だったサークルは200人にまで増えました。
間違いなく最強のコンビだったと思います。

価値観と純愛

と言えば彼の成績は優秀だったが私は成績が不振である。彼は真っ直ぐで正直だが私は曲がりくねって嘘つきである。だからこそ彼にあまり自分の汚い部分を見てほしくはない。

性格は逆でも好みや価値観は似ている。
先述したように好きな作曲家が近い。それに私は村田沙耶香という作家が好きだが、彼もまた好きだった。私が好きなグラフィックデザインのセンスも似ている。

そうしてアレが似ているだとか、これは逆だとかそういう共通点をあれこれと考えている時点で、それはもう好きなのである。

教室で目が合った時に手を振ってくれたり、ボケを突っ込んでくれたり。
これは皆んなには内緒だが、注目してみると細かい仕草がいちいちかわいいのだ。そのミステリアスな生態に余計に引き込まれる。

旧Twitterを辞める時も彼がネックだった。彼はいつも楽しそうに話題にしてくれるから。彼は後追いのように思わせぶりなタイミングで、私が辞めたあとにアカウントを失効したり、同じコミュニティに入ってきた時はこれはもう俺のこと好きだろ!と、思った。
それに、彼は私のことをいつも褒めてくれる。
デザイン、イラスト、映像、文章。それはもう嬉しくて仕方がないし、創作したくなるし、同時に失望されたくない


きっと我々は両思いなのだ。
だから、両思い同士、これからも仲良くして欲しいと、心の底からそう思う。


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