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アニメ、魂の座 - 作画編

この記事はTCU Advent Calender 2024の5日目の記事です。
この企画は様々な文脈に属する都市大生が共同で作り上げる数少ない催しであり、それゆえに私にとって非常に思い入れのある企画です。
先輩方から引き継ぎ、運営を行ったり運営を誰かにお願いして画策したりしてました。一次はどうなるかと思いましたが、私の根回しがなくても今回はにむにむ君が幹事を行ってくれたので、文化として根付きつつあることを嬉しく思います。ありがとうございます。

はじめに

挨拶

山下マナト

こんにちは。お久しぶりです。都市大の山下マナトです。
毎度のように途中まで都市大twitterの文脈で書いてみたんですが、流石にもう私のことを知らない人が殆どだと思うので、昔のことではなく今のことを、私のことを知らない人でも楽しめる内容にしたいと思い、アニメのことについて書きたいと思います。

現在、大きなクライアント様からの依頼により、デジコンなど40人程度の都市大生有志に手伝ってもらいながら、大きな会社様らと共に、アニメーション作品を制作しております。

この記事はその制作ブログの一部の記事を再編集したものになります。
さらに詳しい内容は以下をご閲覧ください。
https://tcu-animation.manapuraza.com

作画って何?

作画とは、アニメーション作品における制作工程のことで、「原画」と「動画」をまとめた作業工程を指します。

ぱらぱらマンガのように一枚一枚描いていきます。

通常、アニメ制作では、原画と動画をまとめて作画と呼ぶことが多いですが、 今回のプロジェクトでは、メンバーの殆どがアニメを描く経験がなく、私も原画と動画を分けて描く経験が少ないので、原画と動画にあえて分けず、担当のトランザクションをまとめて担当する方法をとりました。
少しずつ動きのある絵を何枚も何枚も描いていきます。
すごく地道で、でも楽しい作業で、アニメ制作の肝となります。 そのため、もっともフィジカルで、プリミティブで、フェティッシュな工程と言えます。

動きの参考のために、自分で動画を撮ってみてそれをトレスするという方法もよく行います。(俺だけ?おすすめです)

いくつかの問題

ノウハウの不足

線画

まず、全員がアニメ未経験で進めるため、どうやって絵を動かせばいいのかわからないという声がありました。これらは、まず描いてみて、進捗を上げてもらい。それに対してFB(フィードバック)を行いつつ修正を行うという方法でなんとなく手探りでもしかし少しずつ出来上がっていきました。

かくいうプロジェクトのリーダである私もアニメを作ったことがあると言っても趣味の範疇を超えず、ましてやこの人数の規模の制作は行ったことがありません。

ノウハウの不足はしょうがないですが、大学生でこのような機会と経験は貴重であり、もし失敗したとしても、それもまた幸福であること、そして何よりアニメ作りが楽しくてしかったなかったので、そういうメンタリティで解決?しました。

チームビルディング的問題

弊学7号館でよく制作を行います。(やはり対面の方がコミュニケーションは行いやすいですよね)

私は実際に手を動かして物を作ること、特段デジタルクリエイティブの実制作が好きですが、チームをまとめるということが、実はそこまで得意ではないかもしれません。

みんなのモチベーションを持続させるために、できるだけポジティブな言葉だけを使うようにしていて、基本的には肯定します。
また、他人の失敗には甘く、何事も下からお願いするという感じです。

そういう甘いスタンスだとやる気を出してくれる方もいれば、一方締め切りの厳守が疎かになってしまう場合がありました。
やはりそこは厳しい面と、甘い面を両立させることが重要なのかもしれません。
そこで、厳しい顔をメンバーの1人が担ってくれたので、その点は大変ありがたかったです。
そういう嫌われ者の役を買ってくれる人が一番の功労者であり、必要な人だったのかもしれないと思います。

ここまで人数が多いと、色々な人がいます。これは偏見ですがクリエイタの方々は変わった人が多いです笑

そして全員がお互い面識があるわけでもなく、学年もバラバラなので誰か1人が暴走するとメンバが怖がってしまします。

いきのいいクリエイタたちの手綱を握ることを要求されましたが、それは2022年にデジコンの会長をやっていた時に散々経験していたので、そこまで大ごとには至らずにマネジメントできたかなと思っています。

前のデジコンの会長に棄却されて、1人で心細かったですが、今は毎日のように話し合いながら作っていける頼もしい友達がいます!義務でもないのに手伝ってくれてる彼らに本当に感謝しています。良い作品を作りましょう♪

缶詰作画合宿

江ノ島

江ノ島に合宿に行って、作画を進めるということもしました。これも結構いくまでが大変でした。

まず雑談から私が急に合宿をやりたいと言い出し、夏休みが始まってから計画を始めた感じでした笑
だってそういうの憧れるじゃないですか!!
わかりますよね。私はこの突発的に行動をできるところが自分の最も強い部分だと思っていますが、この計画性のなさは時どき損失を生みます。

15人くらいのメンバーを集めて計画していましたが、宿を予約して支払いを完了したところで、参加予定だった後輩の女の子たちがさまざまな理由で辞退を始めました。

詳細がギリギリまで決まらず、ずっと危うい感じで進められた計画で、不安感があるのはかなり理解できますから、そこまで理不尽な話ではないですが、私のお財布のダメージ、つまり金銭的損失が大きく、また彼女たちには信頼を置いていたうえに、私自身も結構楽しみにしてたので、そこそこ残念でした。

その時の気分はさながら、労働争議が行われる会社の気分、兵を引き連れた部下に、お寺と一緒に焼かれる戦国武将の気分でした笑 でも合宿自体はとっっっても楽しくて、この話も面白い話なので、今となってはいい思い出です⭐️

絵柄問題

絵柄やアニメーションに個性が出ることを推奨する私の方針とは違い、メンバーの中にはもっと厳格に絵柄を揃えるべきだという意見も多々見られました。

動画化した作画の線画(画像は制作中のものです)

制作会社でも専門学生でもなく、2024年時点現代で理系の大学生である私たちがアニメを作ることに私は意味を見出そうとしています。 だって、世田谷区もアニメを作って欲しいなら制作会社に任せればいいじゃないですか。

でも、そうしなかったのは、予算や行政的立場、区の方針という要因以外にも期待できることがあるからだと思います。 例えばアニメ作りをきっかけにして、区内の大学生と区の交流が実現しています。

このプロジェクトは世田谷と私だけだった当初の利害関係だけではなく、多くの都市大のクリエイタ、都市大の地域連携課、広報課、81プロやHALF HP STUDIOという企業が参画してくれました。学生個人だけではなく大学と区、企業にとってもそれぞれプラスであったと考えます。

正直専門学生ならもっと優等生的な作品が作れると思います。 悔しいですがそれは認めざるを得ません。しかし、専門学生に勝てる部分が私たちにもたくさんあります。 例えば、テクノロジー。 使える最新の技術を迅速に導入できることが最も会社としてリスクを抱える会社や、学んでいない専門学生にはできないことだと思います。

撮影(VFXまたは動画編集)の工程

絵が描ける人も、音楽の才能を持つ人も、CGができる人も、Webやプログラミング、AIが使える人、色々な才能をそれぞれの個性を活かしたままミックスインさせて声優以外の全てのリソースを完結できることもユニバーシティの利点じゃないでしょうか。

そして、1人1人の個性が出ていることも大学生が作ったアニメという感じがして、とてもいいです。 大学生が作ったアニメなんてそうそうあるもんじゃないし、その方が面白くまた、希少価値は稀有であるとお思います。

もちろん、絵柄にばらつきがありすぎて、見ている人が混乱することは大前提作品の質的に問題です。 絵を揃えられる余裕がないこと、報酬を払えないことなど色々理由はありますが、手を抜きたいという意味ではなく、私たちは全力で作っています。 ただし私はみんなの個性が出ている映像の方が好きだし、作っていて楽しいです。

と、私は思っても、もちろんみんながそういう意見ではありません。
そういう異なる意見が出てくること自体がチームとしてはむしろ正しい方向の成熟であり、1人ではなくみんなで一つの作品を作ることの醍醐味です。

絵柄や演技の多様性もまた表現の一興(本題) 

やっぱり、これまでテレビで放送されているプロのアニメを見てきたのだから絵柄を揃えるのは当たり前に感じます。
トレンド的にも、「君の名は」や「鬼滅の刃」、「呪術廻戦」などどこで絵を止めても絵がくずれていないこと、そして美術が優れていることがよしとされる風潮にありますが、写実的であることよりも、やはりアニメである意味をもっと強調してもいいと思います。

ダンダンダン 9話

「フリクリ」などのGAINAX作品や、「ダンダダン」や伝説的なアニメータである「金田伊功」さんや「今石洋之 」さんのシーンなど一枚絵で見せるというよりは、動きやアクション、絵柄で魅せるアニメも評価が高い作品は多く、むしろそのように実写ではなくてアニメでしかできない表現をしたいです。

作画崩壊と炎上したグレンラガンの4話も、キャラの焦りと躍動感の表現のために、上手い人が狙って絵を崩しています。

そんなアニメっぽい動きを再現したいですが、これは思っているよりも難しい。
絵画のように、写実的なものがいいとされる風潮から、より芸術的に成熟してほしいと思います。

同じく作画崩壊と悪名高いサスケですが、これも作画崩壊ではないと考えます。
動かしてみることで、中割りのためにあえて絵を崩しているということがわかります。(動いてます?)

アニメは芸術なので、こうして良いとする作品の完成は人によって違って、意見が合わないことはあると思います。 でもそうやって、意見が違えることが集団で作品制作を行うことの醍醐味であり、創作活動をしているという実感がありました。

カッケェよマジで

なにより意見を言ってくれるのは何よりも嬉しくて、彼らも良い作品を作ろうとしていることが感じられてすごくありがたかったです。

Discordサーバ上で議論していたので、怖がってしまう方もいましたが、私は、そうやって意見を言ってくれる信頼のおけるクリエイタはをメンバーとして欲しているかに思います。

なんだかそろそろ熱がこもってきて、早口になってきたので、この辺で筆をおきます。身苦しいオタクの文章にここまでお付き合いいただきありがとうございます。
引き続き、一生懸命丹精と時間をかけて作品の制作を頑張っていきますので、完成した際は是非ご覧いただき、意見をいただけると幸いでございます。

画像は制作中のものです(かわいい)

明日は6日目ですが、誰がかくのでしょうか。
明日は、去年主催をしてくれた、むぎゅたそですね!1番楽しみです!!!
皆さんの文章も、楽しみにしてます^ ^

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