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第27回ケアマネ試験の総評と今後の対策

こんにちは、まなとです。

今回の記事は『第27回ケアマネ試験の総評と、今後のケアマネ試験の傾向予想』です。

第27回受験生のみなさまへ。
本当におつかれさまでした。
結果のいかんに関わらず、まずは頑張った自分を全力でほめてあげてください。

そして、第28回受験生のみなさまへ
今年のケアマネ試験が大きく話題になり、困惑なさっていると思います。
この記事を通して、来年の受験とその合格への指針を定めていただければと思います。

この記事を読んでいただくと、以下のことがわかります。

  • 第27回の難易度はどうだったのか

  • 第27回はなぜ話題になっているのか

  • 第28回の試験はどう変わるのか

  • 今後の合格するための勉強法

当初、予想されていた『第27回』

『法改正後の試験は難易度が高い』

ケアマネ試験界隈では、まことしやかに囁かれるウワサです。
実際の合格率は、下記のとおり。

第26回(令和5年)56,494人11,844人20.1%
第25回(令和4年)54,406人10,328人19.0%
第24回(令和3年)54,290人12,662人23.3%
第23回(令和2年)46,415人8,200人17.7%
第22回(令和元年)41,049人8,018人19.5%
第21回(平成30年)49,332人4,990人10.1%
第20回(平成29年)131,560 人28,233 人21.5 %
第19回(平成28年)124,585 人16,281 人13.1 %

第21回の合格率が低いことが原因か?

2023年に介護保険法改正があった影響で、試験の『難化』が予想されていました。
(2023年は他の法律の変更があったことも影響(トリプル改定))

多くのケアマネ試験対策講師が、似た予想をしていたはずです。
(受験生の警戒心を煽る意味もあると思います。)

"まさか"の試験の難易度

第28回ケアマネ試験の当日、退出可能時間を過ぎたころ。
SNS上では、次のようなポストが散見されました。

「第27回、簡単すぎじゃない?」

おおかたの予想を裏切り、試験内容は大きく『易化』したのでした。

急に進行した『基礎重視』の出題

もともと近年のケアマネ試験は、徐々に易化傾向でした。

  • 加算要件についての出題の減少

  • サービス事業者ごと要件の出題の減少

  • 日常業務で触れることの多い知識の出題の増加

どこに従事したとしても必要になる知識が、多く問われるようになりました。

つまり、『より基礎を重視した出題』になってきていました。

第27回では、その傾向が一気に進みました。
『基礎と"常識"を問う出題』にかわったのです。

この変更に対して、受験生からは大きな反響がありました。

「簡単すぎて、拍子抜け」
「勉強しなくても、知ってる知識が多い」
「時事問題、常識問題が多くて簡単」

これが第27回ケアマネ試験が話題になっている原因です。

予想される合格ボーダーラインは『7割超え』

例年は難度が高く、ボーダーが下がる傾向にありました。
しかし、今回は前述の通り"平均点が高くなりやすい試験"でした。

自己採点できるサイトでは、平均正答率が70%を超えています。
自己採点をする人は、試験ができた実感がある方が多い傾向にあるとは言え、異例の結果だと言えます。

ボーダーラインを予想するためにも、公式の合格基準を確認します。

介護支援分野、保健医療福祉サービス分野ごとに、正答率70%を基準とし、問題の難易度で補正する。

令和5年度(第26回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について

70%の正答率が基準ではあるものの、ボーダーラインがそれよりも上になる可能性もあることがわかります。

ズバリ、私の予想をお伝えします。
「正答率70%から75%までの範囲」

試験傾向の変更により、受験生の平均点が高くなりました。
しかし、合格基準が大きくずれると批判は必至です。

そのような事態を避けるため、正答率70%を維持する。
平均点がボーダーラインを超えた場合には、足切りの意味を込めて80%未満までの範囲で設定する可能性があるかと思います。

『70%の正答率がとれていても、安心できない。』

このことは受験生にとって、大きな不安だと思います。
いずれにせよ、今回の合格率は大きな反響を呼ぶことになりそうです。

予想される『第28回』と、それを見据えた勉強方法

波乱の第27回を踏まえて、第28回で合格するためにはどうすればいいでしょうか。
やるべきことは、2点です。

  1. 介護保険制度の基礎を抑える

  2. 介護業界(医療業界)の情報を視野広くキャッチする

決して、特別なことをする必要はありません。

介護保険制度の目的と、どう運営されているかの構造がイメージできること。
普段の仕事の中で求められる知識を、体系立てて頭の中で整理できること。

これだけできれば、第28回を恐れる必要は全くありません!

しかし、難易度がもとに戻る可能性もあります。
過去問を中心に、基礎を重視した勉強をしていきましょう。

おわりに

最後までよんでいただき、ありがとうございます。

受験生のみなさま、改めておつかれさまでした。
そして来年の合格を目指すみなさま、一緒にがんばりましょう!

ここからは、今回の試験傾向についてのわたしの考察です。

お時間があれば、ご一読ください。


<考察>

今回の『試験問題の基礎問題への偏重』は、ケアマネの職域の広がりによるものだと私は考えます。

職域が広がり、求められる役割が細分化しています。

過去の試験は『どんな職場でも即戦力となれるだけの知識』を求めていました。
しかしそのためには、膨大な知識が必要とされました。

過去のケアマネ試験の、合格率の低さの原因のひとつです。

今回の出題変更から、『ケアマネ試験は役割が変わった』と推測できます。
即戦力ではなく『どこでも働けるケアマネの卵』を見極める試験に、役割がかわりました。

どこで働くにしても必要な、『介護保険制度の基礎』『介護に関わる医療の基礎』を抑えてほしい。
これが、第27回の出題傾向の変更の意図です。

加算要件や、施設基準の出題が減っているのもその証拠です。
働く場所によって必要性の変わる知識は、入職後に備えればいいのです。

介護保険制度の顔として、利用者のいちばんの相談役として。
いちばん大切な基礎を抑えていれば、ケアマネになろうという心意気をもつ人がどんどん増えてほしいということだと思います。

入職後に学ぶことは増えますが、これは現役ケアマネのみなさんにはそれだけの人を育てる力があると信頼されている証拠でもあります。

試験の難易度の低下を「質が下がる」と揶揄するケアマネがもしいるのならば、それは後輩を育てる責任を放棄した、または人を育てる自信のない無責任の言葉であると思います。

わたしは常に自己研鑽する人の味方です。

ケアマネ試験の合格を目指すあなたを、心から応援しています。

まなと

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