日本社会とフランス社会

金曜のお昼、この間も私のノートに登場したマダムと喋っていて、ひょんなことからマダムがわたし、"anti-consommation"な人だから〜という話しになって、そこで私がフランス人ってミニマリズム好きな人多いイメージがあるなあという感想を述べたら、そんなことはないわよ〜とのこと。

ただし、一方でフランス人にありがちなのは「何にでもアンチ(anti)なこと」らしい。そういえば、国民の85%に支持されているというGilet Jaune(黄色いベスト)のデモも、アンチマクロン政権なのであった。偏見と言われればそうなのかもしれないけれど、確かにフランス人にはちょっと「ひねくれている」ところがある。物事をストレートにとらえない。そんなわけでフランス人のジョークは私にとってかなり難解である。何かを褒めるのに、「悪くない」といったり、綺麗なものに「汚い」といったりするんだもの。

そして、その点、日本とは真反対よねーという話になって、だから惹かれ合うんだろうけどねって話しをした。本当にそうだ。日本人はなんでも額面どおりに受け取りがちだ。何かが決定されたらそれに対立するようなことはあまりないように思う。対立しても何も変わらないからやるだけ無駄だだろうという軽い絶望に近いものが蔓延っているのか、それかまたは私たちに社会に対立する、という選択肢がないのか。おそらく両方なのだろう。

私は、長い間、もはやなぜかわからないのだけれど、とにかく賢くなりたいと思って生きてきて、そのために何事にも批判的になるということを覚えたのだった。それゆえに、物事をそのまま受け取ることなどもはやできなくなってよく人から「ひねくれている」といわれることもまああった。そんなところがフランスに惹かれたところなのかもしれない。ここの人たちは、デフォルトにひねくれている。ひねくれてなんぼだ。もはや清々しい。

度々失望させられるけれど、やっぱり私はこの国が好きだ。ひねくれた人たちの国。

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