Children and Institutions

今日の学び

施設の種類
社会福祉施設(Institutions)の中には、Residential care, group care, congregate care, children’s homes, therapeutic residential careとか色々含まれている。Residential careはいわゆる養護施設で、50人〜100人の子どもたちが一緒に生活をしている場を指している。

養護施設撤廃の動き
近年、国連が出した、
“Children in alternative care: Comparable statistics to monitor progress on deinstitutionalisation across the European Union”にも記載してある通り、養護施設撤廃の動きが盛んになっている。というのも、養護施設で生活した子どもたちは、心身の発達や感情のコントロールなど、さまざまな面で遅れをとっているという報告があるからである。

生後6ヶ月以内にfoster careに預けられた場合、身長・体重・頭囲の数値は11歳ごろまでには通常の数値まで回復していった。生後6ヶ月以内でも栄養不足だと、また生後6ヶ月以上の子どもたちで養護施設にいると、高い確率で11歳・15歳になっても数値に差が出ていた。さらに、滞在期間が長いと、その分数字に大きな差が生まれた。これらは、栄養不足などが理由ではなく、施設によるストレスから成長ホルモンの分泌に問題があるからではないかと言われている。

もちろん、IQや脳の発達においても遅れが出ている。記憶・感情のコントロールがうまくできないことが調査で分かっている。これらの現状を踏まえて、養護施設で子どもを育てるのは良くないのでは?という動きから撤廃するべきという動きが出てきている。

養護施設とfoster care
イギリスでは、虐待やネグレクトなどを受けた子どもの受け入れ先として、養護施設は9%しか担っていない。(しかも、養護施設と言っても10人未満の小規模、場合によっては子ども1人に対してスタッフ2人だけの超小規模養護施設。)70%ぐらいが、foster careという短期期間、家族に受け入れてもらうシステムで子どもたちが預けられている。(ただし、短期と言っても上限はなく、里親が見つかるまでとされているため、場合によっては18歳まで預かっていることもある。)残りの20%ぐらいは、祖父母などの親戚に預けられている。

foster careで、擬似家族体験の中で家族の温かみが感じられて良いとされている一方で、課題も多くある。

その①
6歳以上であったり、障害を持っていたりする子どもたちはなかなか里親が見つからず、たらい回しにされる。

その②
foster care先として受け入れている家族には、子どもの生活費と受け入れ費を国が支払っている。そのため、今の家族単位の事前活動に委ねた形でいいのか、それともきちんとしたプロフェッショナルとして受け入れをするべきなのか議論が絶えない。

その③
foster careの受け入れは18歳までとされているが、18歳になったから、はい、さよなら・・・というのもどうなのか。その後もサポートが必要なのではないかと言われている。

新しい取り組み
北ヨーク州では“No Wrong Door”として、養護施設と家族・コミュニティのサポートを統合したサービスを開始している。12歳から25歳までの子どもたちでが対象で、住居のサポートをしたり、自由にさまざまな人(警察官とか社会福祉士とか)と関われるHubを作ったりして支援している。それは、子どもたちだけじゃなくて、里親として受け入れた家族や、子どもたちの血のつながった家族なども支援を受けることができ、みんなで協力していこうとする動きである。

今後の課題
色々な子どもの受け入れに関する議論がある中で、子どもの声が反映されていないのは大きな課題。どこの施設に行きたいとか選ぶ権利はあるものの、実際に受け入れが可能/不可能などもある。ただ、その小さなレベルだけでなく、政策として考えていく時に(養護施設撤廃など)子どもたちはどう考えているのか、声を拾っていくのは大事。

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自分の中での不明点

・Therapy or therapeuticについて。
・Quality of care、何を持って成果とするのか。
・foster careでどうなったら、たらい回しにされるのか。お金がもらえるなら、それをビジネスにしようとする人はいないのか。

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