NESARA・GESARA(ネサラゲサラ)(陰謀論)
もうだいぶ下火になってきた感もあるけど、陰謀論界隈?というかQアノンと言われる集団の中でも先鋭的な人たちの中で、ネサラゲサラという金融改革みたいなものが噂されてきた。
検索してもらえればいくらでも出てくると思うけど、結論としては20年も前から米国で詐欺のネタに使われてきた、M資金とか徳川埋蔵金とかの類のような話である。
とはいえ、個人的には、
今のままの中央銀行制度ってそもそも今後も必要なの?とか、
政府が通貨発行する際に中央銀行に対する負債として計上しないといけないの?原理的にその方法しかないの?とか、
政府紙幣を発行しようとしたリンカーンとかケネディはなんで暗殺されちゃったの?とか、
中央銀行って言うけどそれを設立して株式の大半を持ってるのは何チャイルド家だっけ?
とかについては、ネサラゲサラ関係なく非常に引っかかってはいる。
それらについての改革という側面ではネサラゲサラだろうが何でもいいから起こってほしいと思う。
お金がもらえるとして
ネサラゲサラのトピックの一つとして、悪い人たちが蓄えてきた金(ゴールド)や財産を没収して、それを全国民に還元するという説がある。
それを一括で6億円振り込むとか、ベーシックインカムとして月20万円振り込むとか、方法はいろいろだ。
この話をまともに信じて、それを期待している人がそれなりにいるようであるが、それを待っている人に対して気の毒に感じてしまう。
悪い人たちの財産を没収できるならしてもらいたいが、それを一人6億分配なんてしたらどうなるのか、ちょっと考えてみてほしい。
6億円振り込まれたら
6億円もらったら豪邸に住みたいなあと言う人が例えばいたとする。さあ6億円もらったぞ、さてどこの建築会社に依頼しようか?
「すみませーん、お家建てたいんですけど」
「申し訳ありませんが、社員が誰も出社してなくてお受けできません・・・」
「何があったんですか?」
「みんな6億円もらって仕事を辞めたんです・・・」
↑これは極端な例だが、多くの業界、会社でこれに近いことが起こってしまうだろう。その瞬間経済は崩壊である。
みんなが6億円もらう世界で、誰があなたのために労働力を提供してくれるのか。
あり得るとしたら、その6億円が役に立たないくらいインフレして、結局6億円では食っていけないから働くしかなくなった場合である。
つまりハイパーインフレだが、そうなるお金の価値は吹っ飛んでしまう。
というわけで、もし仮にネサラゲサラと言われる金融改革みたいなものが起こったとしても、大金が振り込まれることは原理的にありえないし、振り込まれたら経済崩壊するということが想像できる。
ベーシックインカムなら
これは6億円に限らず、20万円の一律ベーシックインカムでも同じである。
働かなくても20万円もらえるなら、低賃金で働いている多くの人が仕事を辞めてしまうだろう。馬鹿らしいから。
でも多くの企業は人手を必要とするだろう。経営者や株主は20万円もらっても事業を辞めるわけではないからだ。
でも低賃金ハードワークの労働力は確実に不足する。
そこを補うために賃金が上がる、同時に賃上げした分の粗利を稼ぐために売値も上げる、それはあらゆる分野に影響を与えインフレが起こる。
結局20万円では暮らしていけないくらいに貨幣価値が下がるまでインフレが続く。
労働、生産、価値創造こそが重要
結局お金の問題ではなく、社会を維持するために必要な労働力をどう確保、分配、維持していくかが問われるのだ。
お金に価値があろうとなかろうと、社会を維持するための労働は尊い、ということだ。そしてそれは必ずしも賃労働を意味しない。
家事や育児、教育、家庭内看護や介護、自宅や地域環境のメンテナンス、清掃、ものを修理して大事に使うこと、地域コミュニティ活動、PTA、そういった貨幣換算できない労働だって大事である。
なので、ネサラゲサラでも何でもいいが起こってほしいのは債務帳消しとかお金が振り込まれるとかよりも、
ちゃんと働いてるのにワーキングプアな人がいなくなるような世界、
働きたいのに仕事がないことがない世界、
働きたいけど故あって働けない人でも困窮しない世界、
への変革である。
あとはできれば大金を持っている人間の権利だけが著しく拡大しない世界がいいなとも思うが、実現方法はまだ浮かんでいない。
12月23日追記
なんだか最近またネサラゲサラの話題がちょこちょこQアノン界隈で流れるよになってきて、この記事もキーワードのせいか閲覧がちょこちょこあるようです。
せっかくなので文章を読みやすく改行しました。
ちなみに僕の記事の中で一番閲覧数が多いのがこの記事なんですが、いいねはほとんどつきません・・・
まあネサラゲサラに期待して見に来た人にとってはあまり夢のない話になっているので仕方ないでしょう。
ただ、最近ビットコインを巡って面白い裁判結果が出ました。
これによっては、中央銀行支配が崩れていく可能性が出てきたようです。
一切働かなくても食べていける世界の実現はまだ遠いですが、不当な労働搾取をされながらお金に縛られる世界は少しずつ変わっていくかもしれませんね。