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作業所にいる嫌いな人

統合失調症Lv.100ババア

やだもんがトラブルのあった統合失調症のババア(50代前半女性)
何度も何度も人前で妄想の話を繰り広げる。
「私の部屋に男が入ってきて私の布団で寝てるんです!」
「服を盗まれました!」
「毒を盛られました!」
「私のことを生配信されてるんです!」
「ここの人たちはみんな泥棒です!」
「私を訴えられてるんです!」
朝のミーティングで皆の前でそれらを叫ぶ。
グループホーム内でも頻繁にトラブルを起こしてるらしい。
今ではほとんど皆ババアに話しかけない。
挨拶されたら返す程度。
そしてババアの病気はどんどん悪くなっている。
多少なりは無視されてるという自覚があるのかもしれない。
やだもんは博愛主義で慈愛と正義の心が強い。
無視をすることは良くないことだと思っている。
しかしここで利用者たちから無視されているババアを可哀想がって相手をしてあげたらいずれ傷つくのはやだもんだ。
間違いなく再びトラブルが起こる。
そういうババアだ。
統失様だからしかたない。
そして他人にどれほど迷惑をかけて最悪な気分にさせても本人に自覚はないし、次の日にはまるっきり全部忘れている。
もしかしたら本人は「なんで私なにもしてないのに無視されなきゃいけないの!?」と思っているかもしれない。
実際陽性症状がどんどん悪化している。
そしてさらに激しい妄想の話を繰り返し色んなやり方で周りに迷惑をかけまくる。
それでさらに誰からも相手にされなくなり孤立してもっと陽性症状が酷くなる。
病識がゼロの統合失調症は本当に厄介だ。
薬を飲ませようとするとこれは毒だと騒ぐ。
拒薬してさらに病態が悪化する。
自分の体験だけが全てで自分以外のこの世の全てが間違っているとわめく。
明らかに非現実的な妄想でも本人はそうだと思い込んで周りがそれを訂正することはできない。
とことん他罰的で被害妄想が凄まじい。
職員は全員ババアの支離滅裂なブチギレに遭っている。
すぐ怒る、怒鳴る、叫ぶ、わめく、大きい音を出して威嚇する。
そしてすぐそのことを忘れる。
うちは職員でも発達障害や精神障害持ちの人たちばかりだ。
ババアに意味不明な言葉でなじられて傷ついていないか心配でしかたない。
入院してほしいが、うちのトップいわくようやく1年半かけてここまでの信頼を得たのに今入院させたらうちへの信用が失墜するから渋っているらしい。
いや、死ぬまで一生入院させとけばいいじゃないか。
どのみちこのババアは一般社会では生きていけない。
大人が社会で生きるためには最低限の努力と我慢がいる。
どれだけ人付き合いが苦手でも必要最低限は他人とコミュニケーションを取らなければいけない。
このババアにその能力はない。
公共の場で騒いで暴れてほしい。
通報されて措置入院が一番平和的解決だろ。


金の亡者オバタリアン

学がうちに来る前に4年ほど通っていた社会福祉協議会の地域活動支援センターで一緒に作業していたババア(60代後半女性)
今年の3月、色々と事情が一変してうちのホームに入り作業所に来るようになった。
そもそもうちの作業所は20年前に自助グループとして発足したのが入口だが、その時に通っていたのがこのババア。
しかし本人いわく『捨てられた』らしい。
実際のところは一方的な被害妄想をこじらせて自ら来なくなったそうだ。
そして一方的にうちの代表のことを恨んでおり、今でも嫌っている。
IQが50以下でとにかく思慮が浅い。
TPOという概念を知らない。
いつでもどこでもどんな状況でも金の話を始める。
「あら、それおニュー?素敵ぃ〜!いくらしたの?」
「えぇ〜?そんなに高いのぉ?私買えなぁ〜い!」
「旅行いいわねぇ〜、私にそんな金無いものぉ〜」
「このメニュー美味しそうね!でも300円?高ぁ〜い」
このババアは特徴的なねっとりとしたオバハン特有の喋り方をするのが余計にイラっとする。
そしてこのババアの金の価値観は100円以上全部高価。
なのに思慮が浅すぎて衝動的に色んな物を買う。
薄毛であることを気にして4万円のウィッグを買ったり、3000円の皇室の写真カレンダーを買ったり、普通のジュースの4倍の値段がする健康飲料を買ったり。
そして4万円のウィッグは2回着けてきただけでゴミ屋敷のゴミの1つと化し、皇室カレンダーも同様、健康飲料は2口ほど飲んで飽きて捨てた。
そして毎度お得意の「私お金無いのぉ〜」である。
学は東日本大震災で自宅が全壊し一時避難所生活だったが、ババアはそのことを知っているのに「被災者ばっかりお金貰って羨ましぃ〜!被災者ってズルいわよねぇ〜、私みたいな貧乏人にお金ちょうだいよぉ〜!あーあ、被災すればよかったなぁ〜」と目の前でのたまった。
それが学を傷つける言葉だとわからない、察せない、気付いていない。
自分の話をして他人に「うんうん」と聞いてもらいたいだけで他人とコミュニケーションを取る気はない。
言葉のキャッチボールができない。
相手のことを推し量る能力がない。
驚くほど全く空気が読めない。
「私他人に嫌われててもまぁ〜ったくわからないのぉ〜!アッハッハ!」これである。
目が合った瞬間一方的なマシンガントークが始まる上、どれだけこちらが嫌な顔をして話したくないオーラを出しても気付かないし気にしないので逃げるしかない。
衝動的な行動が多く、金が無いと毎日言いながら金遣いが荒い。
パチンコ、タバコ、酒をやめられない。
金が無いと言いながら野良猫と野良犬を拾い、犬はネグレクトされ死に、猫には首輪に紐を付けて半径1mの範囲しか動けないようにして残飯を与えていた。
室内で犬猫が糞をしてもそのまま放置していたため、家の外の方が清潔なくらいであり、ホームに入るにあたり猫は自然に帰した。
料理できない、掃除できない、片付けられない、洗濯できない、自力で入浴もできないが夫が何もかも全てを介助していた。
しかしその夫が病死して不本意ながらホームに入ることとなった。
そのため普段は代表への悪口陰口ばかり。
しかし代表を前にすると「はい!一生懸命頑張ります!」と聞き分けのよい良い子ちゃんぶる。
尤も代表はそれら全てをわかっているのであえて突っ込まない。
このババアの軽薄な言動は徐々にうちの利用者も気付き始め、やだもんの仲良しグループの人たちは積極的にババアに話しかけないようになってきた。
孤立し始めているが自業自得である。


フルスロットル連合弛緩宇宙人

こちらもまた貧乏ババアと同じ地活にいた宇宙人(60代後半男性)
以前の地活時代はそこまでおかしいと感じなかったが、2020年以降様子が変わったらしい。
2021年の春、銀行に行ったら彼がいた。
その時点では苦手意識はなかったので普通に挨拶した。
すると行員に呼ばれ、話を聞いたらもう4時間以上そこに居座っていたらしい。
「お知り合いでしたらなんとか……」と言われ慌てて地活の職員に電話した。
すると警察呼んでもいいと言われ、その旨を伝えた。
その頃彼のこだわりが銀行に向いていたらしく、他の銀行でも同様の入り浸りを繰り返していたらしい。
話しかけても何も言わず何時間もそこに居座り続けていたため最終的に警察を呼ばれ措置入院したようである。
そして退院と同時にうちのホームに入った。
最初の頃は以前の彼を知っていたため多少話をすることはあったが、彼は自分の知っている人間ではなくなったと徐々に気付いた。
作業スペースの各作業台の間をひたすらウロウロして、作業している人の近くに寄りじーっと見ることが多かった。
距離感がわからないようで、ぴったり隣にくっつかれていた。
そして何も言わない。
気まずくて話しかけても「んぅー」「ぁー」としか発話せずコミュニケーションが取れない。
そいつは身なりが浮浪者のようで、風呂に入らず洗濯もしないので汚い、臭い。
気まずさに押されレジンのストラップを作ろうか?と打診したら喜ぶような表情を見せたが、どんな感じがいいか?何色がいいか?を聞いても答えが要領を得ない。
とりあえず適当に作り渡したが、喜んだのかどうかはよくわからない。
そして何度も何度も近くに来てはぴったりくっつかれ、1ヶ月が経った頃ついに学がキレた。
そいつの腹を蹴り飛ばし髪の毛を引っ掴んでぶん回した。
その事件が後述の違うババアとの衝突に繋がる。
その後代表から双方相手には近寄らないという接近禁止令を出されたが、学はむしろありがたかった。
しかし彼が人を捨て宇宙人となったのはこの辺りからである。
とにかく多動でひとところに留まっていられなくなった。
ずーっとウロウロし続け、30秒椅子に座っていられない。
独語が増え、支離滅裂な言葉も増えた。
それは日に日に酷くなっていった。
1年後、彼は完全に宇宙人になった。
連合弛緩とは統合失調症の症状のひとつで全く支離滅裂な繋がりのない言葉の羅列を繰り返すこと。
「嗚呼天皇様、冷やし中華の音は白く屋根は一昨年お母さんの山登りが車と来たらわたくしを明日に雷は太陽です」こんな感じのことを毎日大声で話している。
毎秒ウロウロしているが、時折跪き土下座している。
しかし代表いわく「普段の言動は支離滅裂だけど重要な話の時はちゃんと理解しているし話もできるから病状が悪化しているわけじゃない」だそうだ。
支離滅裂で距離感がおかしくずっとブツブツ言いながらウロウロしているジジイが受け入れられるはずがなく、うちの利用者の女性陣の多くはこの宇宙人を嫌っている。
今年の頭頃また学たちの近くに来るようになり代表に訴えたところ、本人は「え?まだ近づいちゃダメなんですか?」と答えたらしい。
今度こそ階段から蹴り落とそうか。


クレーマーかまちょおばさん

上述の宇宙人とのトラブルに端を発して、二次被害でトラブルになってしまった相手(60代前半女性)
宇宙人のことを蹴り飛ばして髪を引っ張った時、このおばさんがたまたま目の前にいた。
「ちょっと!やめてください!私のいないところでやってください!私そんなの見たくないです!」と金切り声を上げたおばさんにバーサーカーと化していた学は怒りの矛先を向けた。
おばさんのついていた杖を蹴り上げようとしたが空振りそのままひっくり返って、職員や他利用者に羽交い締めにされその場は収まった。
しかしそのおばさんはかなりの厄介者だった。
とにかくクレーマー気質のかまってちゃん。
私がこの世で一番哀れな存在だと本気で思っている。
一応統失と診断されてるが圧倒的にアスペ。
それ以前から他利用者とのトラブルが絶えなかったらしい。
得意技は「訴訟します!」「慰謝料を要求します!」「弁護士に話します!」
実際に知り合いの弁護士に相談してるらしいが、訴訟を起こせる金も精神的余裕もない。
そうやって訴えるムーブをすることにより周りをコントロールしようとする。
トラブルのあった30分後にはあることないことないことないことを他利用者に声高に訴え、私がどれほど危険な目に遭ったか、私がどれほど恐怖を感じたか、さながら殺人鬼に遭遇し命からがら逃げてきたかのごとく叙情的に語っていた。
そして翌日には役場の保健師、事業所の担当、ありとあらゆる関係機関に片っ端から電話して自分が他利用者に殺されかけたと訴えた。
その結果代表の元に各所より苦情が入り一時は電話が鳴り止まず大変なことになった。
しかしそのおばさんの違和感は事件の1ヶ月前から感じていた。
というのも、ある日いきなりとてもヨロヨロと歩いてきた。
それまでピンピンだったのに。
足が痛いと訴え、腰を曲げて足を引きずるようになった。
最初のうちは傘を杖がわりにしていたが危険だからと代表が杖を注文してくれた。
そしてものの数日のうちに病態は悪化し、ゆっくり足を引きずりながら来るようになった。
すると周りは心配して甲斐甲斐しく世話を焼く。
「私こんな身体になっちゃったけど皆に支えてもらえて嬉しい、頑張るね」と涙ながらに拳を握りしめれば周りは頑張れ頑張れのコールとなる。
しかし学はどうにも違和感を感じてそのおばさんを観察していると、人がいないところで彼女は普通に歩いていた。
ピンピンだった。
そのことを代表の奥さんに相談すると、「実は私も見た」と眉毛を寄せた。
彼女がかまってもらいたくて病気のふりをしていることに何人かの職員は気付いていたが利用者は皆信じ込んでいた。
それらの背景があったもので、なおのことそのトラブルは大きかった。
しばらくおばさんはわめき続けた。
「杖が壊れた」「ケガをした」「あれからめまいがしてふらつく」と訴えたがそもそも杖に当たっていないし身体にも当たっていない。
しかししかたないので利用者は全員加入させられる保険で杖を弁償した。
代表は彼女が過剰に騒いでいる、その内容はほとんど言いがかりであることをわかっているが、立場的におばさんの味方をするしかないので接近禁止令を出すという形で治めてもらった。
それから半年ほど弁護士に訴え訴訟を起こすとわめいていたが、そのうち何も言わなくなった。
今は体調が悪いのかなんなのかわからないがそのおばさんはめったに見かけない。


番外編 弩級の障害者

最近うちを出て別な施設へ移った人(50代前半女性)
もうここにはいないから彼女の存在が今のストレス元ではないが、彼女が出ていくまでかなりのストレスを感じ続けていた。
できるだけ会いたくなかったし話もしたくなかった。
我々が通所を始めたその日に話しかけられた。
しかしパッと見で絶対仲良くなれないと確信したためできれば話したくなかった。
顔を伏せてやり過ごそうとしたら、下から覗き込まれた。
その人は小柄だがかなり太っていた。
目がどこかぼや〜んと焦点が合わない。
歯は黄色く歯並びはガチャガチャで、顔の輪郭がおかしかった。
後にそれは酷い虫歯で顎の骨が溶けたためだと知った。
そして奇抜という一言では済ませられない出で立ちをしていた。
頭にお中元の箱に結ばれているようなリボンを巻いていて、服装は中学生が家庭科の授業で作らされました、みたいなペラッペラの自作のワンピースを着ていた。
そしてその服には油性マジックで女の子や花のイラストとか意味不明な文字が書かれていた。
上には小汚いパーカーらしきものを羽織っていたが、全体的に手作り感があり、そのクオリティはあまりにも低かった。
「うわぁ!障害者だ!」と思った。
最初は知的障害だと思ったが診断名は統合失調症だった。
ただ、ちゃんと検査すれば療育手帳は手に入ると思う。
具体的に何を話したかは忘れたが全く筋の通ってない意味不明なことを言われたのは覚えている。
本当に関わりたくなかったがなぜか懐かれた。
その人はうちのホームと作業所で最古参メンバーの1人だった。
最初の頃はファッションに全く無頓着だったらしいが、いつの頃からかオシャレし始めたらしい。
しかしそのオシャレの方向性がへんちくりんで、ファッションセンスがどうのとか以前の問題だった。
買ってきた服に手を加えてしまうらしく、刺繍っぽくしたかったんだろうが適当に糸を通しただけになったり、毛糸とフェルトを縫い付けたり、ハイターで脱色してタイダイ柄っぽい何かを生み出したり、油性マジックで落書きしたり、オリジナリティを出そうとしたのかはわからんがスゴかった。
一目で間違いなく障害者だと確信できる姿だった。
出会った頃はいくらか落ち着いていたが、彼女は徐々に不安定になっていった。
後に拒薬していたことが発覚するが、まず多動になり座っていられなくなった。
そして話が少しずつおかしくなっていった。
明らかな妄想を口にすることが増えた。
元々迷惑な人だったが、周囲へかける迷惑な振る舞いが酷くなっていった。
自己中心的行動が強くなり、地域体験へ向かう車が発車する直前に「私も行く!」と無理矢理乗り込み、すぐさま「トイレ〜」とコンビニに停めさせ、目的地へ着くと観光を楽しむこともなくベンチで昼食を広げ、予定時刻になり皆が帰ろうと集まると「歯磨いてくるね」とトイレへ向かい、他メンバーが車で15分ほど待たされてようやく戻ってきて開口一番に上手くシートベルトをつけられず苦戦してる利用者に「もぉ〜、〇〇ちゃんはほんとに困った人だなぁ〜」と呆れたように言い、さすがに皆の間にヘイトが溜まったのを感じ学がガツンと叱った。
するとメソメソと泣き始め「私は皆に嫌われてるんだぁ〜……」「私なんかいない方がいいんだぁ〜……」と悲哀たっぷりに言うもんだから全員呆れた。
他の地域体験の日にやだもんの提案でイオン内の動物カフェへ行ったが、最初は一緒に動物に触れ合っていたがいつの間にかいなくなり、帰りの予定時刻にどこへ行ったのかわからなくなり職員がキレながらどうにか見つけ出した。
勝手に単独行動していつの間にかいなくなることは彼女の得意技で、彼女の参加する地域体験では必ずそれが起こる。
そして糖尿病のせいで口渇が酷く常に何か飲んでいるためトイレも近く、彼女が関わると必ずトイレ休憩を挟む必要がある。
出発前にトイレを促しても「大丈夫大丈夫〜」と行かないで必ず道中コンビニに寄らされる。
2023年からは誰がどう見ても病状が悪化した。
それまでもコミュニケーションを取ることは上手くいかなかったが、完全に会話ができなくなった。
ホーム内では頻繁に怒り狂って手がつけられなくなっていたらしい。
朝4時にお弁当を共同の食堂でガチャガチャ作るため隣の部屋の利用者が安眠を妨害され、片付けるという行動が一切できなくなり共同スペースは彼女の物で溢れかえって、共同の物を私物化するようになり、そのことを指摘すると烈火のごとく怒り散らかして会話が成立しなかったそうだ。
常にフラフラどこかに行って風船のようだった。
ある時は近所のスーパーのサービスカウンターに弁当を広げて「ここでピクニックしてるの」と言われ、ある時は行く先々に道しるべのようにマグカップを置いていって移動の痕跡を残し、ある時は「小説を書きました!」とミーティング時に皆の前で作文用紙2枚の詩でもないし感想文でもないしもちろん小説でもないよくわからない文章を朗読していた。
いよいよコミュニケーションが取れなくなってからはほとんどの利用者が彼女に話しかけることをやめた。
彼女が片付けないで喫茶のテーブル3つ分くらいを占有しても誰も何も言わなくなった。
そこにいても挨拶することもなくなった。
完全に無視されるようになり、彼女は誰かに話したい、話を聞いてほしいと違う障害でほとんど会話できない孤立してる人と話をするようになった。
その様はクラスでハブられてる子が同じくハブられてる子に近付いて、別に仲良くもないけど他に相手にしてくれる人がいないからしかたなく傷のなめ合いをしてる様子そのものだった。
哀れだとは思ったが、彼女から受けた迷惑行為が多すぎて慰めてやる気は毛頭なかった。
そして決定打となったファッションがへんちくりんを超えて通報されかねない事件が起こった。
その頃には半年以上の拒薬、統合失調症と糖尿病が桁違いに悪化、このままでは命の危機、という状態で、ブラジャーの上にメッシュのタンクトップを着てさらにブラジャーを着けてほぼ下着丸出しの姿でうろついていた彼女を見た代表がもう入院させるしかないと腹をくくった。
そして精神病院に3ヶ月入院、一度戻って今度は内科で1ヶ月入院して彼女は落ち着きを取り戻した。
しかしその時点ではもう何もかも手遅れだった。
派手にやらかしまくっていた彼女のことを擁護する人は誰もいない。
糖尿病の値はとんでもないことになり、インシュリンを打っても焼け石に水。
彼女はストレスで爆食するようになり、しかたないから食べ物を買えないように金銭管理を職員がするようになった。
するとストレス発散として色んなところへ電話をかけまくり、迷惑だと苦情が法人の方へ入りスマホも解約。
特に趣味もなければ誰かと談笑する能力もない彼女はストレスで追い詰められていった。
そもそも病識がないのでなぜ自分が食事を管理されているのかもわからないし、理解もできない。
そんな彼女に上記の統失ババアと貧乏ババアは食べ物を渡していた。
統失ババアは直接現金もあげていた。
なにせババア2人もまた病識がなく、このままでは糖尿病で彼女が死ぬかもしれないということを理解できなかった。
代表の奥さんはミーティングで「彼女に食べ物を与えないでください!」と強く訴えた。
しかしババアたちには届かなかった。
そして彼女には合併症が現れ、失明と壊死が現実味を帯びてきた。
それでも彼女は自分が糖尿病でこのままでは命が危ないということを理解できず、「私はただ美味しい食べ物を食べたいだけなのに、なんで私ばっかりこんなツライ思いをしなきゃいけないの!?私が何をしたって言うの!?」と泣き叫んでいた。
利用者はただ呆れ切った白い目を彼女に向けていた。
そして代表はついにこのままうちで見ることは難しいという判断を下した。
かなり遠くの施設へ移ることになり、そこは管理栄養士と看護師が常駐して食事を細かく管理できるところだそうだ。
かなり距離があるので気軽にこっちに遊びに来ることもできないらしい。
かえってありがたい。
代表は彼女を守りきれなかったことを悔やんでいるようだが、それもまた自業自得だろうと思う。

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