寿命の28倍生きた弟から与えられた使命 パート5
これは毎日を一生懸命に生きて寿命を全うした弟が、私に使命を気がつかせてくれるお話です。パート1・2・3・4はこちらをご覧ください。
大好きな飛行機に乗ってお空へ
冬だったこともあり、弟のお葬式は、病院での出来事から一週間後にしてもらうことにしました。その一週間は仕事を休み、ずっと、弟の隣ぴったりついていました。
「ずっと、こうしたかった。」
コロナ渦で弟に会えるのはオンランのみ。やっと触れられた。でも、一週間後には、触れることもできなくなってしまう。
祭壇は、コロナ渦の中5分間の面会の時に弟を笑顔にしてくれた、飛行機の模型をモチーフにして、弟が大好きな飛行機にしました。
父の葬儀を担当してくれた方が、お花で壮大な飛行機を作り出してくれました。その飛行機の窓から、弟のお顔が見えるようになっています。こんな素敵な飛行機に乗れたら、お空に行くのも、寂しくないね。
葬儀に、弟と病室が同じだった男の子が来てくれました。その時小さかった男の子は、すっかり大きくなっていました。
そして、弟に、手作りの金メダルをそっとかけてくれました。
そうだね。弟は金メダル級の頑張りをしたね。
当初病院の先生が言っていた寿命の、28倍も、生きたんだもんね。
2021年度の初めての金メダリストだね。その男の子の優しさと強さに胸がとても熱く、暖かくなりました。
お葬式の日は、雲ひとつない晴天でした。大好きな飛行機に乗って、弟は、お父さんの待っているお空へ、飛び立地ました。
あなたがお空へ行っても、私の使命は変わらない。あなたが寿命の28倍も頑張って生きた分、お姉ちゃんも、頑張って自分の命を、命の大切さを伝えるという使命に向かって、燃やしていくよ。たくさんたくさん、ありがとう。
平和を生み出すフィールドへ
仕事場に戻ってさらに自分の使命に向き合いました。
覚悟を持って最後まで必ずやり遂げる・成功させると誓った仕事。
今まで以上に弟がそばにいてくれるような、そんな気持ちで目の前の自分のやるべきことに、向き合いました。弟の頑張りに姉の私が負けちゃダメ。
弟の頑張り以上にお姉ちゃんの私が頑張らなくちゃ。
昨日よりも一人でも多くの人を笑顔にさせよう。
そう思い、一日一日の命を燃やしていきました。
いざイベントが開幕し、目の前の仕事にがむしゃらに走り回りながら、ふと周りを見渡すと、イベントに集まる人々は、みんな、笑顔でした。
その光景を見て、ふっと肩の力が抜けたようでした。
弟はどんな時も、笑顔だった。だから私も、どんな時でも笑顔で今もいるよ、そうしたら、周りも、みんな笑っているよ。
こうやって、世界のみんなが、同じ地球の舞台で、安全な環境で、話し合って、助け合って、支え合って、讃えあって、過ごせていける、世界になるといいな。
そうして、たくさんの笑顔を見送り、無事にイベントは終わり、私自身に与えられた役目も終え、このフィールドを去りました。
少しだけ、平和の作り方を学べたような気がします。
最終発
イベントをやり遂げた後、これからはもっと具体的に
「命の大切さを伝えること」に対して取り組んでいきたい。
そうすることで、
人が人の命を奪う「戦争」、不平等な分配から起きる「飢餓」をなくしたい。
自分が死ぬまで、弟の姉だからこそ芽生えたこの使命に向って進んでいきたい。そう強く思うようになりました。
世界中どこに住んでいても、人は皆同じ心を持っているから、人が起こす「戦争」や「飢餓」の問題は解決できると信じています。
例えば世界の軍事情勢を分析している「ストックホルム国際平和研究所」の報告書によると、2021年度の世界の軍事費は約213兆円でした。
一方、NPO団体「GlobalGiving」によると世界の飢餓問題を解決するための費用は約3兆円必要と言われています。
例えば、世界各国の軍事費を一斉に一律2%づつ下げて、その分のお金を飢餓解決問題に回せば実現可能になります。軍事産業を少しづつ飢餓解決のためのインフラ整備や輸送、きれいな水や食べもをを作る産業にシフトさせていければ、軍事費が縮小されることに伴う失業の心配も解消されるのではないでしょうか。
このような平和なお金の循環と適切なジョブチェンジを、少なくともSDGsを採択した国連加盟国193カ国が賛成してくれないかしら。
それらに関わっていて、そして、さらにこれらの問題に深く関わっている人に直接訴えかけて、根本原因から変えていきたい。
壮大な物語になるでしょうが、誰もが
「そんなの無理だよ、現実はそんなに甘くないよ」
と言うでしょうが、不可能なことを可能にしていくこと、そして新しいことにチャレンジしていくのは、いつだってワクワクします。
きっと、これが実現できたら、いろんな国に住んでいる人々も、動物や木々も、そして地球も、みんなで一緒により笑顔にできる。
弟が生まれてきてくれたからこそ、弟のお姉ちゃんになれたからこそ、私は命の大切さに気がつくことができて、自分の明確な使命を持つことができました。弟の姉に生まれてきて、とても幸せで、幸運でした。
弟には心から、たくさんありがとうと、これかももずっと大好きを伝えたいです。
今日も、私はあなたのお姉ちゃんとして、あなたに負けないように、命を燃やしていくよ。だから、お空から、見守り続けてね。
お姉ちゃん、なんでもできる気がするよ。だってお姉ちゃんには、小さな応援団長がずっとずっと、そばにいてくれているから。
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