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20歳が0歳 10

7月も後半になり、暑さは尋常じゃなくなってきた。梅雨も明けてカラッとしてる…わけもなく湿気と日差しが人々を苦しめている。気温は連日35℃近くに迫っていた。でも濃く鮮やかな空色と、圧倒されるほどの入道雲に、心躍るのが日本の学生なのだ。

私はというと暑さに苛立ちながらも学校に行き、やはり夏休みが近づくこの感じに少しドキドキしていた。

あの日、私がアディルと寝て、次の日カルロの元に行った日、、あの日以来私は浮気らしいことはしていない。あれからも週末カルロとクラブに行きアディルとも会ったがお互い久しぶりに会ったような顔で会った。2人ともアカデミー賞とかトミー賞レベルだったと思う。もっとも、お互いがお互いに感情がなかったから。

カルロの私は楽しみにしていることがあった。好きな人との花火大会。隅田の花火大会は日本で知らない人はいない最高の花火大会の一つ。何日か前から浴衣を選ぶのが楽しみだった。

カルロも日本での初めての花火大会をすごく楽しみにしていた。私は中学の頃一時的にドイツに住んでいたことがある。そこでも年末か何かのときに花火が上がったんだけど、ドッチラケだった。やっぱり花火で日本に勝てる国はない。

平日、授業が終わった後に友人とデパートの浴衣の特設コーナーへ行き、悩みに悩んで、紺に白と黄色の大ぶりの花、帯も黄色を選んだ。

それから花火大会までに何度も空き時間で着付けの練習をした。たぶん私は筋がいいし、やってみたら着付けは自分でできるタイプだった。なんか着ること自体が楽しくて何度も着付けした。

いよいよ当日、夕方になってから涼しい部屋の中で準備を始めた。日が長い夏でもこの時間になると空がピンク色になり始めてきた。ビル群までもがうっすらピンクが反射していた。

天気予報を無駄にチェックして、今までやった通りに着付けて、くるくるに巻いた髪をアップスタイルにする。黄色い花飾りをつけて、浴衣との統一感を出した。持ち物をチェックして、下駄を履いて家を出た。

待ち合わせは彼の家だった。どうやら彼も浴衣を買ったらしい。さすがに一人では着られなかったのだろうか?ドアを開けたときの彼はまだ下着だった。それと同時に、彼の目は今までにないくらい輝いていた。

部屋に上がっても彼はひたすら私を褒める。かわいい、キレイ、最高。大袈裟だなとは思って褒められるのはやっぱり嬉しかった。浴衣姿は男を惑わせるのは相手が日本の男でも、日本以外でも関係ない。

彼の褒め攻撃が終わった後でYouTubeを見ながら彼の浴衣を仕上げる。白に藍色の帯の浴衣を買っていた。かっこいいし他と被らないし、いいとは思うんだけど、なんかちょっと違和感?旅館感がすごいのと、パンツがうっすら透けている。

「どう変じゃない?」と彼

「うん、似合ってると思うよ」(パンツ透けてるけどね)

「じゃ行こう!」

2人でなれない下駄を履いてドアを開けると空は暗くなり、あたりには夏の香りが漂っていた。

日が沈んだ空に、もう一度火が登る夜に向けて、私たちは出発した。下駄のカランカランという音を立てながら


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