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【小豆島旅行記プロローグ②】闇よ、降りそそげぇー!~小豆島は伏線がいっぱい~

念願の気球が浮かぶ姿を見た後、私たちの心の中には淡い希望が芽生えていた。

気球の向こうに見えたオーシャンビューの高台に佇む素敵なロッジ。あれは、もしや今夜私たちが予約している「小豆島ふるさと村キャンプ場」のトレーラーハウスやケビンではないのか、というものだった。しかし、ナビに案内されて辿り着いたのは違う場所。あのロッジは、「国民宿舎小豆島」というホテルのものだったらしい。もし次に来ることがあればあのロッジに泊まりたい。誰もがそう思った。

その後、エンジェルロードを散策。
昼にイベント会場で食べられなかったガーリックシュリンプを思い出したのか、エンジェルロードの岩場でエビを探すリーダーの姿が可愛かったのは内緒にしておこう。

キャンプ場に戻って楽しい時を過ごし、あっという間に2日目。小豆島最終日だ。キャンプ場を撤収後、昼過ぎのフェリーに乗る前に、前日からリーダーが気になっていた銀のトレーラーハウスの古着屋さんに立ち寄ることにしてキャンプ場を出た。
しかし、目的の古着屋さんは閉まっていた。
仕方なくフェリー乗り場に向かう道すがら、私たち全員の目がとある建物にくぎ付けになる。

「妖怪美術館」である。
なんだあれは。

車を止めた路肩で、私たちは円陣を組んでいた。
妖怪である。風光明媚な土地になぜ妖怪?しかもスマホで検索したら5号館まである。展示作品は800点以上ときた。本気すぎる。めっちゃ気になる…。戻って行ってみよう。
こうして我々は、まるで吸い寄せられるようにたまたま前を通りかかった「妖怪美術館」へと引き返した。

カラフルな絵馬がかかった謎のモニュメント。その横に佇む古民家風の受付兼ミュージアムショップ。名前だけ聞くとお化け屋敷のようなものを想像してしまいがちだが、怖さはまるでなかった。ふと大きく貼り出されたポスターが目に留まる。

「闇クジ」と書かれたそれを、思わず皆で読んでいた。

「妖怪美術館のFacebook・Twitter・Youtubeをフォローすると各1回、合計3回の闇クジが引ける」という内容だった。
え?タダで?いいの??

我々の目に留まったのはそれだけではない。

「買ったばかりのドローンがドロンした」
「余計なことを言ってしまう。妖怪ヨケイナコトイイ」

大きなモニュメントに下げられた絵馬のひとつひとつが面白いのだ。笑いながら絵馬を読む我々の嗅覚が叫んでいた。

これはオモロイことになる。

せっかくだし闇クジも引いてみようとショップに入る。ひと癖もふた癖もあるオモロイお土産を楽しみつつ、クジを引かせてもらう。
その時だった…

「闇よ、降りそそげぇーーー!!!」

我々の度肝を抜くには最高のタイミングでクジを引かせてくれた長髪の男性スタッフが少しだけ恥ずかしそうに、それまでよりは少し大きな声で詠唱したのだ。

その刹那、我々メンバーの目が合った。
すげーオモロイ人いた!

これを運命的な瞬間と呼ばずして何を運命というのか。
この人こそ、我らを小豆島の虜としたオトコ「チョーケシ兄やん」その人だった。後日談だが、彼は全てのお客さんにこの言葉を詠唱しているわけではなく、実はこの時初めて言ったのだそう。「何か言わなきゃ」と思い咄嗟に発したそうだ。

闇クジで引き当てた物を見せ合い、腹から笑った。

美術館に入らずして入り口とショップだけで1時間もいた。フェリーの時間もあり後ろ髪を引かれる思いで土庄港へ向かった。

高松へ向かうフェリーの中でも闇クジで引き当てた「地獄のピーヒャラ」を組み立てて吹いては、また腹から笑った。こんなに笑ったことはなかった。
まだ入館もしていないのにこんなに面白い。入館したらどうなるんだろう。

あの小豆島へまた行かなければ。あの妖怪美術館へまた行かなければ。

全員がそう思った初めての小豆島旅行だった。そして島から帰った後も、彼ら妖怪美術館の中の人のことを知るにつれてこの思いは強くなっていく。

妖怪美術館を初めて訪れた時の様子はYoutubeでご覧いただけます。

先日再訪した模様もアップされるかと思いますので、チャンネルをチェックして頂ければ幸いです。
再訪の旅は、このプロローグの伏線回収の旅みたいになってますwww

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