【小豆島旅行記⑪2日目~part.2~】オリーブ牛、優勝です!腹ぺこ闇チーム、妖怪美術館を食べ尽くす
「おさるの国」でチケットを購入した闇チーム。入園ゲートへ向けて歩く一行に、とある人物が自然に合流する。
さっき後発隊に声をかけてきたスタッフさんである。歩調を合わせるようにチームの先頭を歩いてガイドを始めてくれた。おぉ、ひと組ひと組ガイドさんが付くシステム?親切やわぁ。あれ、でも茶屋に2人しかいなかったから、スタッフさん、もう1人しか残ってなくなくない?
ガイドをしてもらいながら一行は進む。猿の群れがいる場所まで少しの距離だが登っていくようだ。
ガイド役のスタッフの方、リーダーとGOTO、ディレクター、我々夫婦という陣形で歩みを進める。突如先頭の方から謎のハイトーンボイスが聞こえた。
ホォォーウ!ホゥホゥホホーーーゥ!
ホゥホホーーーーーーーォウ!ホゥ!
在りし日のマイケル・ジャクソンを思わせるような声だ。そして、この声量。プロの仕業に違いない。私はマイケルに思いを馳せながら、このマイケルボイスの主をご機嫌なリーダーだと思っていた。
ホゥーオッ?ホゥ!ホーホホゥ!
ホーーーーーーーーゥ!ホホーーーーーォ!
坂道を歩きながらさらに声は続く。それは何かに呼びかけるようにも聞こえていた。猿を呼んでいるのだろうか?隊列の前方ではさっきからGOTOがキョロキョロと辺りを見回している。自分の闇に自分を包んではデジタルに苦戦するGOTOの姿を闇チームの間では「チンパン」と呼んで愛でている。さてはチンパンが覚醒したのだろう。旦那はGOTOが声の主だと悟っていた。ふたりはそれぞれ心の中で自分の回答にスーパー仁くんを出した。
しばらくして、ふたりの予想は外れていたことが分かる。
リーダーとGOTOが振り返って我々に話しかけできたのだ。その間も声は聞こえ続ける。
ガイド役を買ってでてくれたスタッフさんの声だったのだ。
♪チャーラッ チャ ラッチャ~♪
残念、スーパー仁くんボッシュート!
少し開けた場所に出る手前。ザザザザッと音を立てて我々の目の前にいくつかの影が走り寄ってきた。猿だ。1匹や2匹ではない。猿のグループがこちらに突進してきた。スタッフさんが猿を呼び寄せたのだ。
すごいぜ、ガイドさん!
それを満足気に見渡したガイドさんは、我々一行をすぐ横の小屋に案内した。お猿さんたちにエサを与える小屋だ。餌欲しさにお猿さんがヒトにイタズラをしないようにヒトの方が小屋に入って猿の群れに囲まれるシステムだった。
流れるように我々の前に有料のお猿さんのエサが並ぶ。1人100円。この人、やり手のガイドさんだったようだ。
お猿に餌をあげる。小さな赤ちゃん猿を連れているお母さんも多くいる。頑張っているお母さんには少し多めにあげる。餌はあっという間に無くなった。そしてやり手のガイドさんは、私たちにもう少し先に上がると孔雀等も見れること、更に歩くと展望台もあることを伝えると、ここから先は我々だけで行動することになった。
お花畑に鹿がいる。猿のグループ以外にもこんなメルヘンな光景も見られる。
孔雀の住むエリアに来た時に「あ"ー!」という声がした。まるでキャサリンのような声。そう、昨夜忠平さんがキャサリンを鳴かせては爆笑しながら「孔雀みたい!」と言っていたのはこのことだったのだ。
それにしても孔雀の色とりどりの羽根は鮮やかで綺麗だった。それに触発されたのは、闇チームの派手担当のディレクター。
彼は孔雀に向かって自らも羽を広げるポーズを見せた。俺の方が派手だ!というマウントだ。派手と派手とのぶつかり合い。負けられない戦いが、ここにはある。
しかし、ここでそろそろ次の目的地に向かう時間がやって来た。おさるの国を十分に満喫した我々は、次の目的地である「妖怪美術館」に向かう。
妖怪美術館の敷地内には、「島メシ家」というレストランがある。チョーケシ兄やんが作ってくれた行程表では、今日のランチはこの「島メシ家」でオリーブ牛のローストビーフ弁当を
頂く予定だ。妖怪美術館に入館する前にまずは腹ごしらえというわけだ。
我々のお腹はすでにペッコペコの臨戦態勢だった。オリーブ牛といえば言わずと知れた香川の高級食材だ。国産和牛である。A5ランクである。朝から食事の量をセーブしてみんな食べる気満々だ。食い尽くすぞ、妖怪美術館。待ってろ、オリーブ牛!
我々は「妖怪美術館」へ車を走らせた。もちろん、先導するのは私たち後発隊の車だ。闇の力でまた歌舞伎舞台に誘われるのを防ぐためだった。
こうして、8ヶ月ぶり2度目。待ちに待った妖怪美術館に着いた。我々にとってここは、ただの観光スポットではない。「ディスティニースポット」とでも言おうか。あの日あの時あのタイミングでこの道を通らなければ、今日という日は来なかったのだ。ここまで小豆島を求めていなかったかもしれない。心なしかみんな停車してから外に出るまでが早い。そして口々に「やっと来たー!」「ただいまー!」と言っていた。
我々の声量は比較的大きいらしい。普通に話していたつもりだったが、声に気づいた妖怪美術館ナカのヒトが出てきて我々を確認するや、受付のあるミュージアムショップに向かって一声「来たよー!」と叫んだ。
チョーケシ兄やんが我々の前に顔を出す。我々はみんな、まるで実家でお母さんの顔を見たような表情をしていた。みんな、「兄やん...」と噛み締めるように名前を口にしている。感慨深い。1番会いたかった人が1番来たかった場所に居るのだ。実に尊い光景である。
チョーケシ兄やんの案内でミュージアムショップに案内される。「島メシ家」での食事もここで先に精算するシステムになっているのだ。各種バーコード決済にも対応している。素晴らしい、上手く使えば美味しいものを食べたり、楽しんだりしてケータイのポイントが貯まるではないか。
7月からメニューを一新して、ローストビーフに使用する部位を選んで頂ける様になっていた。なんという贅沢!ここだけまだバブル期なのか!鼻血を吹き出しそうになるのを必死に耐えながらメニューを覗き込む。
1頭から数キロしか取れないでお馴染みの希少部位" キングオブ贅沢 "のザブトン、肉の旨みと脂の旨みのバランスが絶妙な肉界の" 絶対的エース "肩ロース、赤身ならではの肉の旨みで肉好きならずともノックアウトされるのは必至 魅惑のスネの3種に加えて、口の中をさっぱりとリセットしてくれる味付きの酢飯でひと口ひと口をフレッシュに楽しめる「ローストビーフちらし」も頂ける。
この中からどれか1つだけを選ぶなんて出来るだろか。否!どれも食べたいに決まっている。
我々腹ペコ闇チームは全部食べることにした。全てを注文して、まずはケンカにならないように5等分に取り分け全部盛りを食べるのだ。でないと腹の虫が鳴き止まない。ナカのヒトオススメのオリーブ茶もセットで注文し、我々は意気揚々「島メシ家」に向かった。
島メシ家の中にも忠平さんが描いたであろう妖怪画が飾られていた。ポップな色使いが可愛らしい。感染症対策で距離を取りながらの食事だが、絵のお陰か美味しさに夢中になって無口になるからか寂しくはない。
こうして見目麗しいローストビーフ弁当の数々が出てきた。目の前が肉の絨毯みたいだ。こんな光景見たことない。ありがたや、ありがたや...思わず手を合わせそうになる。
ケンカにならないように慎重に取り分けて全部盛りが完成した。
早速ひと口頬張る。1口目は赤身の具合がいちばん私好みだったスネ。肉の旨みが広がる噛めば噛むほどに美味しさが広がる。強い肉の旨さにお腹が喜んでいる。お次は肩ロースだ。柔らかい肩ロースは口内の温度で解けるように儚くなくなった。後に脂の甘さと肉の美味しさを残して消えていく。最後にザブトンを頂く。先程の肩ロースとの脂身の味の違いが分かる。こちらはさっぱりとした上品な味だ。いくらでも食べられる気がする。
結論、どれも全部旨い。優勝!
フレッシュな野菜や口をサッパリさせてくれるピクルス等付け合せも嬉しい。中でも佃煮の美味しさには驚いた。どうやら、ミュージアムショップで売っているらしい。絶対に買って帰らねば後悔するだろう。そのくらい感動的に美味しいのだ。
そして、ここを訪れる人に強くお伝えしたいのが「オリーブ茶」は絶対にセットにした方がいいということだ。初めて飲んだオリーブ茶は、子どもの頃祖母が作ってくれた甘茶ヅルのお茶の味に似た懐かしい味。そして、口の中をさっぱりとリセットしてくれる。だから、次のひと口の美味しさが新鮮なのだ。ひと口ひと口、初めて食べたみたいに旨い。
オリーブよ、実だけじゃなく、葉っぱまで美味しいのかい?ウチに植えようかな。
オリーブ茶のカップにはちびしるべぇのシールがデコレーションされていた。クリスマスの生配信で見た、切れてないちびしるべぇシールだろうか。それも何種類かあるようだ。可愛い。捨てられない。全員がこのカップをお土産に持って帰った。
オリーブ牛を堪能したいなら、ぜひ「島メシ家」をお食事の候補に入れることをオススメする。弁当になっているということは、店内だけでなく外に持って出かけれるのだ。お気に入りの小豆島の景色が見える場所で頂くのも素晴らしい。趣味のキャンプを通して痛感したのだが、外で食べると何でも1.5倍増しで美味しく感じる。この旨さの1.5倍増し...たぶん私は箱まで食べると思う。
お腹は満たされた。いざ、妖怪美術館に初めての入館だ!w