第3話【妖怪万博まであと93日】「妖コレ」を支える美しい妖怪たち
※まえがきでご案内していますが、以下、“兄やん”こと佐藤氏の視点を通して書いています。
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「いいやーん!素敵やーん!」
10月27日に開催したハロウィンパーティーのパレードの写真を見ては、朝から私の頬は緩みっぱなしだ。
この症状はパレードが無事終わった日曜からずっと続いている。
妖怪美術館とエンジェルロードまでの間を、妖怪に扮した参加者の皆さんとパレードをしたのは今年が初めてだった。海の底から1日に2回だけ顔を出す砂の道を渡る妖怪たちの列は最高にカッコよかったし、幻想的で見応えも抜群だった。
2月の妖怪万博、「妖怪コレクション」の中でも妖怪行列と称してパレードを開催する。その妖怪行列も盛り上がること間違いなしだ。
ハロウィンパレードを通して、2月2日という近い未来の様子をひと足先に覗いた気持ちだ。
妖怪万博で行う「妖怪コレクション」には、非常に頼もしい方々が協力をしてくれる。
「創作集団 悪役連合」の皆さんだ。
様々なイベントやSNSの投稿で、悪役連合の活動を目にしたことがある人も少なくないだろう。
悪役連合の皆さんは、それぞれが独自の世界観を持って活動されているアートな集団だ。その怪しくも美しい姿に思わずドキッとさせられたり、細部までこだわったカッコよさに目を奪われる人たちなのだ。ファンも多く、全国の妖怪イベントに引っ張りだこだ。
そんな悪役連合の皆さんが、「妖怪コレクション」で、協力していただけるのは実に心強い!
私が悪役連合を知ったのは、妖怪美術館で開催した肝試しイベントがきっかけだった。メンバーである唐沢屋戯画さんと黒機ひつじさんに肝試しイベントの盛り上げ役として遊びに来て頂いたのだ。
おかげでイベントは大好評だった。
周囲の空気までも自分の世界に変えてしまうほどの存在感。しぐさひとつにまで現れる世界観は、想像していたものを遥かに超えて圧倒されたのを覚えている。
見慣れたはずの迷路のまちが、おふたりがそこに居るだけでまるで異世界のように見えた。
「 まさに変化のプロフェッショナルだ」
おふたりの様子や放つオーラにそう思った。
妖怪美術館が出展した妖怪イベントでもお会いする機会があり、その度に「本当にすごい人達だなぁ」と思い知らされた。
小豆島で妖怪万博を開催することが決定して、盛り上がること間違いなしだと思い、協力をお願いしたのだ。
きっと、すごいパレードになる。島の人たちも盛り上がるだろうなぁ…。
ハロウィンパレードの写真を見ては、2月の妖怪行列に思いを馳せる。そしてまた、さらに頬が緩む…。
外は今にも雨が降りだしそうな天気だ。
外の空気を吸って少し落ち着こうと扉を開けた途端に、思ったよりも低い気温にぶるりと体が震える。どこからか金木犀の香りがした。
長袖のつなぎに虎柄のモフモフショールという完全冬仕様の"鬼ぃやん"の姿でハロウィンパーティーに望んだ時には暑いくらいだったのに…。ようやく本格的な秋が来たなとどんよりとした空を見上げてから、肌寒さから逃げるように美術館の中に戻るのだった。
【妖怪万博まであと93日!】
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