第9回闇キャンプ 前編★すっかりお気に入り!2週連続デイキャンプ【宇和島市・グリズリーBBQ&CAMP】
「ちょっ・・・と、もう、見てこの荷物の量。あははははははは」
その日の朝、リーダーやGOTO、ディレクターの闇の首脳陣の笑い声が待ち合わせ場所のスーパーの駐車場に響いていた。
「今日、デイキャンプやったよね・・・もうっ・・・おっかしくて・・・あはははは!」
膝を叩いて笑う3人の視線は大量のキャンプギアが積まれた私の旦那・たっちゃんの車に注がれている。
今日は闇のデイキャンプ。先週闇の首脳陣が我慢できずに抜け駆け下見デイキャンをした「グリズリーBBQ&CAMP」に闇チームで集合してのデイキャンプの日だ。
いつもなら、その日に必要なギアをリストアップするのが私、それを見てギアを保管してる倉庫からピックアップして車に積むのがたっちゃんという役割分担のもと準備をするのだが、この日、まだ私は入院中。いつもあるはずの必要なギアのリストがない状態で、たっちゃんが必要だろうと思うものを車に詰め込んだ結果、トランクルームに大量に積まれた椅子と2泊くらい出来そうな薪の束など、後部座席はおろか助手席までも占拠する程のギアの数々が乗っていたのだ。
待ち合わせ場所にギア満載でやって来たたっちゃんの車を見て、闇の首脳陣は驚き、荷物の大半が椅子だという事実に笑い転げているのだ。
「もう・・・椅子の数よ!あはははは」
今日はリーダーの娘くれなちゃんとみえこファミリーも揃うが、全員が座ってお釣りがくる数の椅子を見て笑いが止まらないリーダーに
「せっかくのお花見やからハンモックも持ってきました♡」
と話してトドメを刺すたっちゃん。
息が出来ないほど笑うリーダーとハンモックに寝転んで桜が見れると喜ぶGOTO。膝を打って笑い転げるディレクター。皆がお花見デイキャンへの期待を胸にワクワクしていた。
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■桜のグリズリーBBQ&CAMP
こうして、一旦集合した闇チームはそれぞれの車に乗り込んで一路「グリズリーBBQ&CAMP」のある宇和島市吉田町へ向かって移動を始めた。道中に咲く桜は満開を過ぎた頃。軽く風が吹いただけではらはらと花びらを降らせており、まるで吹雪のようにも見える。
まなみんの退院は翌週末に決まっていた。
せめて、その日まで少しでも桜が残ってい欲しい、そう思いながらも散る桜を眺めてハンドルを握るたっちゃん。
花びらは先導するリーダーの車とGOTOの車にも降っている。それぞれが散る桜に春を感じながら、キャンプ場へと車は進む。
キャンプ場に入り車を降りると、山桜の花びらが舞い散るサイトが一同を迎えてくれた。先週来た時よりもさらに開いた桜の花にテンションが上がる。これぞまさにTheお花見キャンプといった光景がとても美しく、思わず見入ってしまう程だった。
有難いことに先週同様他のキャンパーさんの姿はなく、今日も闇チームの貸し切り状態だった。そのため、贅沢に場所を使って拠点を設営することにした。
4人がタープを張ろうと荷降ろしを始めた頃、リーダーの車の後部座席でスマートフォンと睨めっこをしていたある人物が車から降りてきて欠伸をしながら体を伸ばした。
「ちょっと散歩してくるー」
と歩き始めたその人物こそ、「愛媛が生んだ奇跡のおバカ」とTikTokでフォロワー急増中のリーダーの娘・くれなちゃんだ。今日はお花見デイキャンと聞いて、お花見の様子を撮ってTikTokにアップしようとやって来たのだ。
温かい春の日差しの中、キャンプ場内で気ままに散歩を楽しむ姫と拠点設営をする大人たち。
タープを張り終わって、テーブルや椅子のセッティングが終わると、たっちゃんは山桜の花びらが降り注ぐ木陰にハンモックを設置した。
舞い散る桜を眺めながらお昼寝ができる贅沢スポット爆誕である。ここに寝転がって舞い散る桜を見上げながら揺られたが最後、ハンモックが欲しくて堪らなくなること請け合いである。
初期からこの闇キャンプマガジンを読んでいただいている読者の方には思い出して頂きたい。我々夫婦は、闇メンにハンモック仲間を増やしたいと目論むハンモック推進委員会。これは、そんな我々夫婦からのちょっとしたトラップなのだ。さぁ、盛大に引っかかるがいい、闇メン達よ!
こうして闇メンへの罠をしかけ終わると、ランチの準備にとりかかっているリーダーとGOTOの手伝いに回るたっちゃん。遅れて合流するみえこファミリーが到着するくらいのタイミングにランチを完成させるべく、全員で準備を始めた。
■おバカクッキング
料理用に準備された焚き火台では、いつもの様に火力調節担当のたっちゃんが火を起こしている。
その横でGOTOはホットドッグ用のパンに人参と新たまねぎで作った「人参しりしり」を挟んでいる。やがて火が安定して燃えだすと、スキレットにウィンナーを大量に乗せて火にかけ、たっちゃんにその番を任せたGOTO。今度は、とろけるチーズを半分に切りはじめた。焚き火台ではたっちゃんが慣れない手つきで一心不乱にウィンナーをひっくり返している。
このウインナーと茹でたブロッコリーを先程のホットドッグ用のパンに挟み、その上にチーズのお布団をかけたGOTO。オーブン状になった焚き火台の下にそれらを入れて軽く炙り始めた。
彼女が作っているのは野菜がたっぷり入ったチーズホットドッグ。「チー研」ことチーズ研究会の二つ名を持つGOTOが、このキャンプでもチーズを溶かしたいと考えてのメニューである。
そんな2人のいる焚き火台から少し離れたタープの下、リーダーはダッチオーブンで作る「塩豚のロースト」の仕込みをしていた。
そこにお散歩から帰ってきたくれなちゃんが、タープの下に設置した沢山の椅子の中からLOGOSのゆらゆらハンモックチェアに座ってブランコのように前後に揺らしながらスマホを見始めた。そのイスを選ぶとは、お目が高い。
リーダーはくれなちゃんに手伝うように言うと、まずは豚肉にスパイスを振るように言ってスパイスを手渡す。面白いことが起こる予感がしたのか、ディレクターは黙ってカメラを構える。
リーダーが手渡したスパイスはミルを回して挽きたてをふるタイプのものだった。普段全く手伝いをしていない影響か、くれなちゃんは蓋があることに気が付かずに、蓋をつけたまま肉の上空でミルだけ回したが、もちろんスパイスはチョロリとも出てこない・・・。今度はミルを回しながら上下に振ってみたが、やはりスパイスは1粒も出てこない。仕事をしないスパイスの容器を見つめて
「?」
と考え込むくれなちゃん。
容器をくるくるとひっくり返して満遍なく監察し始めた。 そしてようやく蓋の存在に気付いて、引っぱり抜こうとし始めた。
しかし、その蓋は捻って取るタイプのものだった。彼女のように力任せに引っ張っても取れはしないのだが、くれなちゃんは頑張って引っ張っている。
引いても取れない蓋に困ったくれなちゃん、「!」
と何かが閃いた顔をしてGOTOの方を見ると、一目散にそちらへ駆けて行く。
力と言えばGOTOである。それを知っているくれなちゃんは闇のパワー担当のGOTOに蓋を開けて貰おうと思いついたのだ。
「GOTOさーん、これ開かーん!」
と言いながら駆け寄ってきたくれなちゃんから手渡されたスパイスを見たGOTO、蓋を捻って取るとそれをくれなちゃんに手渡した。
「!」
という顔をして受け取るくれなちゃん。
その様子を笑いながら見ていたリーダーは、スパイスを振ったら、次に人参を5等分に切るように伝えた。
タープの下、人参の乗ったまな板を前に立つくれなちゃん。
包丁を片手に持ち
「この人参、GOTOさん用にしたらええん?GOTOさん、人参好きなん???」
とリーダーや焚き火台のところでさっきまでパンに人参しりしりを挟んでいたGOTOに向けてに尋ねる。
そう、彼女はリーダーが言った「人参、5等分に切って」を「人参、GOTO分に切って」と間違えて解釈しているのだ。
それに気付いたリーダーは笑いながら
「なんで人参が全部GOTOの分やねん」
と突っ込み、
「いいですか?5等分っていうのは、1本の人参を5つに切り分けるっていう意味よ」
と「五等分」の意味を教える。
「ああー!」
と理解したくれなちゃん。
「1・・・2・・・・・・3・・・」
と数えながら人参に包丁を入れていく。
こうして5回包丁を入れた結果、6等分になることを4回目に包丁を下ろした時に気付き、「え、この人参、5等分したのに6つになるんやけど」
と不思議そうにリーダーに伝えた。
「それはあなた、6等分してるからね」
と言ってくれなちゃんが切った人参を笑いながらダッチオーブンに入れるリーダー。
一連の様子を膝を叩きながら爆笑したり、リーダーと一緒にツッコミを入れながらその様子を撮るディレクター。後日、この日の様子は何回かに分けてくれなちゃんのTikTokにアップされることになる。
■全員集合!
料理の火力調節に薪を増やそうと、GOTOがいい大きさに薪を切り始めた。
ナイフを薪にあてがって、軽快にバトニングをするGOTO。振り下ろす薪がナイフに当たるカンカンという音がキャンプ場に響いている。
その音がカンカンという音がパコーンパコーンという篭った音に変わったことに気付いたたっちゃんが何事かとGOTOの方を見ると、リーダーと話に夢中になっているGOTOの手元が狂って、いつの間にか薪を薪に向かって振り下ろしていたのだ。
それを伝えようとたっちゃんが口を開いた瞬間、パコーンという音と共に薪が割れて驚いた。ナイフを使わない全く新しいGOTO式のバトニングスタイルが生まれた瞬間である。
少し離れたタープの奥ではディレクターもバトニングで薪を割っていた。力強く薪で薪を叩き割るGOTOとは対照的に、なぜかちょこんと可愛らしく女の子座りで薪を割っていた。
料理が出来上がるまであと少しというタイミングで、1台の車がキャンプ場に入ってきた。みえこファミリーが乗った車である。
今日は闇のレギュラーメンバーのみえこと娘のかえでだけでなく、闇の隠れキャラみえこの旦那さんもデイキャンプに初参戦するのだ。旦那さんに昼間からお酒を飲ませてあげたいとみえこが話していたのをみんな記憶している。
「あ!来た来たー♪」
と車に向かって手を振ると、車内から元気に手を振り返すみえことかえでが見える。
間を開けずに車のドアが開くとかえでが元気に飛び出してきて途端にもじもじし始め、みえこにしがみついて背中に隠れるようにする。極度の人見知りのかえでは毎回会う度に人見知りを爆発させる。例え何度目であってもリセットされており、初めのうちみえこの背中に隠れるのはいつものことなのだ。
とはいえ、かえでの親友・くれなちゃんがいるのでそちらには行きたいらしい、みえこの背中を押して隠れながらくれなちゃんの方に近づいていく。かえでの中で恥ずかしい気持ちと一緒に遊びたい気持ちが戦っているのだ。なんとも微笑ましいその様子を見て笑う闇メン達。
「ちょうどお昼ご飯できたところよー」
とリーダーが焼きあがった塩豚のローストをダッチオーブンから出して切り分けながらみえこファミリーに声をかける。
こうして全員で昼食を食べ始めた闇チーム。午後からも様々なハプニングが一行を待ち受けている。
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次回、ハプニング満載の闇のお花見デイキャンの後編。
あの負けず嫌いのリーダーのハートに火がついた!かえでvsリーダーの縄跳び対決でまさかの四十肩が爆発!?ハンモックの罠の効果絶大か!?眠れる森のユウトさん爆誕!その時、闇メンはどうする!?
See You Second Part!