第二子出産レポ

皆様いろいろとありがとうございました。
痛みに弱い私でも無事に麻酔なしで産めました。
少しだけ自信がついたかな?

ちょっと面白い(?)体験をしたので、出産レポを書きました。

計画無痛で前日入院。

前回の出産では、同じタイミングで495が1センチしか開いておらず、ラミナリア7本入れられて2日誘発するも不発。
大きなお腹で退院して、次の健診で羊水過少と言われて金曜に緊急入院、土曜日夜に月曜の無痛枠が空いたと聞かされて迷わず立候補、日曜にラミナリア12本入れられて運動しまくり(院内の階段登り降りを何セットかやった)、無痛当日未明に陣痛を引き起こすのに成功した。
麻酔科医出勤して管を入れてもらい、2時間半後に出産したため、ベテラン助産師さんからは「高い麻酔代だったねえ」と揶揄われた。
だが、壮絶な痛みから逃れられるなら、たとえ1時間4万円だとしても今回も無痛分娩をやる気だった。

そう、やる気だったのだが……。(フラグ)

時を戻して11月17日夕方、495が1センチしか開いていなかったため、頸管拡張が必要と言われる。
だが、担当医は「私、ラミナリア嫌いなんですよね」とのことでダイラソフトなるもので拡張することに。
「これなら5本ですみますよ」と言われたので、こちらも快く了承。
経産婦でもラミナリア12本は流石にキツい。
ダイラソフトは多少痛いかな?程度で終わって、その後はひたすら運動(院内階段登り降り✖️5セット)。
下腹部痛が出てきたのでやめて夕飯。
夕飯後も3往復ほどすると、脚がガクガクしてきたのでやめようと部屋に戻る。
NSTしたら赤ちゃんの脈が早いとのことで冷たいお茶を一気飲みさせられる。
脱水で頻脈になるらしく、水を飲んだらすぐに脈が落ち着いて安心した。
寝る前に何気なく体温を測ると37.4度。
保育園児でも発熱の定義は37.5度。
私は妊婦とはいえ成人女性、特に問題なかろうとそのままにして就寝する。(フラグ……)

22時、24時くらいに何度か下腹部痛で起きる。
陣痛カウンターアプリをDLしで記録するも、まだ不規則。
3時ごろからだんだんと規則的になってきた。
ふと気づくと身体が熱い。
ん?まさかね?と思いながら測ると、まさかの38.6度。
保育園児でも成人女性でも間違いなく発熱である。
どうしよう、と思うも今は午前4時。
とりあえず寝ることにするが、陣痛が10分間隔を切るため、どうにも寝られない。
6時ごろにはだいたい6〜7分間隔になったので発熱と合わせてナースコール。
そのまま着替えて分娩室へ来いと言われて、準備を始める。
だが、着替えのために立ち上がると下腹部痛が増すし、突発?で陣痛が来てしまう。
ノロノロ着替えてたら、助産師さんから「大丈夫ですか?」とコールが入ってしまったくらい。
ノロノロ着替えてのそのそと血圧を測ると、148 89という数字を叩き出してしまい、脳内に「妊娠高血圧症候群」なる文字が過ぎる。
あれだよ、コウノドリでも見たやつだよ。
痙攣起こして帝王切開になるやつだよ。
これはまさか、帝王切開フラグ???
深呼吸を10回して再度測定。
135 83と出る。
少し下がったが、ここの産院の基準値は上は130、下は80以下である。
もう一息、と深呼吸をしまくってから測り、やっと128 75の数値を得た私は、ナースステーションのインターフォンを押した。

分娩室に通される。
が、特に希望していないLDR室(有料)だったので、「なぜこの部屋に?」と聞く。
感染症の疑いあり、特に先週に娘が溶連菌に罹患したことは伝えていた(娘の主治医からも産院に言えと指導されていた)ことから、溶連菌等の疑いを考慮して個室になるこの部屋にするとのこと。
この部屋なら夫も来れるし、よかったなと思いながら分娩台に横になる。(フラグ……)

当直医が出てきて、インフルコロナ溶連菌の検査をすることに。
検査するも陰性、発熱直後だからかもとのことで、疑いは消え切らないまま、方針検討に入る。
希望を聞かれて、「無痛やりたい」と伝える。
腹部モニターをつけると、どう見ても赤ちゃんの脈が速い。
先生からは、
・赤ちゃんの脈が早いのが続くと赤ちゃんにも良くないから、この場合は陣痛促進剤ですぐに出してあげるべきと思われる。
・一度でも赤ちゃんが徐脈という脈が下がった状態になったら、すぐに帝王切開になる。
・だが、現状見る限りでは今すぐに出さないとどうこうなる段階ではないため、モニターを見守りながら8時以降に上の先生と検討した上で方針を伝える、と言われた。

やることないままツイートしたり、夫にラインしまくったりする。
夫はこの日出勤予定だったが、私が発熱したことを知り、さすがに欠席することを検討してくれた。
結局は会議にリモート参加になったが、出勤予定になったことについて先日少しやり合ったばかりだったので、こちらを優先しようかと自ら言ってくれたことはとても嬉しかった。

8時過ぎ、日勤の先生がいらして「発熱=感染症罹患の状態で硬膜外麻酔をして脊髄に感染させたら私の命に関わる」と言われて、無痛を断念。
さすがに自分の命と痛みの軽減を天秤にかけたら、自分の命の方が重かったです。(フラグ……)

9時前、私の発熱のせいか、赤ちゃんがずっと頻脈でしんどそうだったので、促進剤を入れて早めに出すことに。
ただ、助産師さんからは、赤ちゃんの脈が落ちる可能性は半分くらいある。
帝王切開の覚悟は決めておいてと言われるので、術後に硬膜外麻酔使わせてくれと頼みこむ。
(この病院では、予定帝王切開以外は術後の疼痛管理に硬膜外麻酔は使ってくれない。)
麻酔科医の先生に伝えておきますと言われて、促進剤スタート。
その直後に日勤の先生が再度いらして、「このまま解熱を待つって方法もあるよ」と言われる。
しかし現時点ですでに陣痛?下腹部痛?が5分間隔であるため、いくらなんでも解熱前に生まれるのでは?と逆質問。
「それはやってみないとわからないし、どちらにせよ赤ちゃんの脈が落ちたら帝王切開だね」とおっしゃるので、「このまま産みます」と宣言。
筋肉注射で痛みを少しだけ緩和できるから、使う?と聞かれて「もちろん!」と即答。
自分で無痛しないと決めたけど、落ち込んで「無痛できなかった」ツイートをする。
慰めてくださった皆さんありがとう。
そこから慌てて呼吸法の動画を検索する。
泥棒を捕らえて縄をなうとはこのことだなと自嘲する。
いや、無痛分娩やるためにめちゃくちゃ頑張ってきたんだよこっちは。
まさか、原因不明の発熱で全てオジャンになるとは😭

促進剤を入れて1時間くらいかな?
胎動とともに「パチン」と破裂音がして、ジョワっと漏れる感覚が。
これが破水か!と思って即座にナースコール。
だが、担当助産師さんがなかなか来ない。
「早い!準備してから行きますね」
とのことだったのだが。
10分後くらいに助産師さんがやっと来る。
「お産の準備始めますね。経産婦さんは早いなあ」
とのこと。
先生も入ってきて診てもらい、破水と確定。
破水後内診で495は5センチ。
まだ半分かーと嘆く。

「そろそろ夫呼んでいいですか?」と聞いたところ、先生から待ったがかかる。
「院内の資料を確認しますが、おそらく旦那さんの立ち会いは不可です」と言われて絶望。
いや、コロナ禍でも産むところだけは立ち会えたじゃん。
無理なの???と嘆く私に、「原因不明の発熱の妊婦と同居していた人、それも先週溶連菌発症した人(娘のこと)と同居していた人は、院内、特に産科フロアの立ち入りはご遠慮いただくしかないです。」と言われて、コロナ禍に発熱妊婦が受け入れられなくて早産して赤ちゃんが大変なことになったことを思えば、今ここで破水して産める自分は幸運かと思い直し、頷く。

ここからの経過が異様に早かった。
いきみたい感が強く、「ハッハッハッ」といきみを逃そうとするも、身体の芯から力が抜けなくて何かを締め出そうとする感覚がとれない。
これはまずいぞ、と助産師さんを見るも、素人目にも分かるレベルで焦っておられる。
そもそも、感染症妊婦がお産するためには、部屋を陰圧にする機械を動かすなど、余計な準備が多い模様。
だが、怯まずに筋肉注射を頼むも、助産師さんがあまりいい顔をしない。
筋肉注射の成分が麻薬で、頭がぼんやりしちゃうからせっかく赤ちゃん産むのにその感覚がぼやけるのは勿体無い。
ここまで涙一つ見せずに耐えられてるから、きっと薬なくても産めるよ。
とのことだが、こちとら原因不明の発熱と夫の不在に耐えての出産なんだ。
「少しは気を紛らわせたいです。」と伝えて筋肉注射をお願いする。
これが後で功を奏した(フラグ……)

と、ここで助産師さん(ベテラン)が入ってきた。
「ななみさん、⭕️⭕️です、よろしくお願いしますね。」
と名乗ったお名前に聞き覚えが!
娘を担当してくださった助産師さんだ!
「あ、娘の時の方ですね!」
「そうなのよ、ななみさんについてはあの後、助産師外来に来てたところまでは追ってたんだけどね。2人目おめでとうね。」
「ありがとうございます、いてててててて」
みたいな会話をしたところ、ベテランさんがSiriを抑えてくれた。
Siriを抑える手に反発するが如く、ゴリゴリ圧を掛けてくる我が子。
「これ、何センチ?結構進んでない?」
「10分前5センチでした。」
「内診しよう。」
で、診てみたら7〜8センチに。
助産師さん2人で急ピッチで出産準備に入る。
「まだいきまないでね」とおっしゃるが、身体に自然に力が入っちゃうし、だんだん子供が降りてきているのを感じてしまう。
大丈夫、全開してない?と思いながら、「ハッハッハッ」と呼吸しつついきんじゃう。
若い助産師さんが医師に筋肉注射の可否を確認しに行き、注射を持ってきた時はすでにほぼ全開だった。

しかしまあ、破水後とはいえ、30分で5センチから全開になるかね、私よ。
前回もブスコパンという薬で4.5センチから30分で全開したけど、今回は薬なし促進剤のみで30分で全開💦
筋肉注射したけど、その次の陣痛後の内診でもう全開。
でもまだお産セットの展開が間に合っていない模様。
もう少し待ってね、先生呼ばなきゃ!という助産師さんの声に、Twitterで見かけた助産師さんから実習する学生さんへのアドバイスみたいなイラストを思い出す。
お産セットの展開は早めにって書いてあったな。
こんなこともあるからなんだな、と人ごとのように考えていた。

もう陣痛間隔はほぼなし。
ずーっと陣痛きてる状況で、なんか挟まってる自覚が出てくる。
でも、お産パッドつけたままだし、今いきむとまずいのはわかるので、必死で我慢する。
やっと脚とかポジションセットして「いいよ」と言われていきんだら、「もっと優しくいきんで」と言われて困惑する。
優しくいきむとは???
その後2回ほどいきんだら、スッポーンと赤子が飛び出てきました。

筋肉注射は痛みの緩和には全く役立たず😭
めちゃくちゃ痛かったんだけど痛かった時間が短かったので、体力はそんなに消耗せずに済んでよかったなと思いました。

会陰切開する暇もなかったので、Siriが切れてないか心配でしたが、後で確認したらSiriの手前で傷が終わっていたので、我ながらグッジョブでした。

赤ちゃんは一度私の胸の上に置いてもらったので、べとべとのままの我が子を少し撫でて、その後助産師さんに連れて行かれちゃいました。
私の発熱のため、一緒に写真を撮ることも叶わず。

我が子を眺めながらほっこりしていた私ですが、ふと大事なことが起こっていない気がするわけです。
胎盤が出てきてない!
「あれ、胎盤出てきましたっけ?」
「いえ、出て来ないんですよ」
と女医さん。
にわかに緊迫するLDR室。
女医さんが「胎盤が出ない、そろそろ20分経過する。上の先生呼んできて」と助産師さんに頼む。
でも、その時は上級医の先生がオペ中で、外来から先生を呼ぶことになった。
なんかこれまずいんだなということは理解できた。
そう、筋肉注射が効いてきて、頭がホワホワして理解力が格段に落ちていたのである。
脳内がだいぶパリピ状態になっていた。
だが、パリピでも胎盤が20分出て来ないのがまずいのはわかる。
「えっと、いきめば出てきますかね?」
「いえ、ななみさんにできることはないので、任せてください」
と言われてシュンとしながら医師を待つ。
ふと、いやなワードが脳内をよぎった。
「あの、まさか癒着胎盤てやつですか?」
「いえ、違います!でも出てこないんです」
そう言われて安心する。
癒着胎盤は怖いって、素人でも知ってる。
(大野事件でググってください。)

上級医(男性、指導医1)登場。
「ななみさん、胎盤取り出すからね」
と言われて嫌な予感がする。
用手剥離ってやつじゃあるまいな?
と思ったら、やはり手を突っ込まれた。
最初は女医さん。
痛い痛い痛い😭
「あ、少し取れた!」
先生の嬉しそうな声。
でも全部じゃない。
「胎盤がかなり上の方にあるね」
と指導医1の声。
今度は指導医1が手を突っ込んだ。
痛いなんてもんじゃない。
やっぱり産婦人科医は女医に限ると思った。
いや、用手剥離は女医に限る。
手の大きさと腕の太さが全然違う。
「うーん、全部取り切れたかなあ。」
「じゃあ今度は僕が。」
聞き覚えのある声に顔を見ると、よく知った指導医2先生がいる。
不妊治療がメインの先生だが、お産も取る先生で、私の不妊治療を担当してくれた先生でもある。
今年の3月4月に不妊治療を休みたいといった私に、
「君はAIHでは妊娠しないと思うから、妊娠しないということを確かめるためにも3月に一度トライしてみようよ。5月が誕生日なんだから、誕生日前に何もしないで一歳年を取るのも嫌でしょ?」
と言って人工授精の予約を取らせ、見事に妊娠させた?先生です。
ええ、そのおかげで繁忙期にえらい目に遭いましたとも。
その指導医2先生が手を突っ込んできて、子宮内をぐるぐるかき混ぜる。
もうね、叫んでました。
「フーだよ、フーって!」
と助産師さんもおっしゃるけど、無理だわ。
「ぎゃーーーーー」
と叫んでました。
「全部取り切れてるね」
との言葉と共に手が抜けて、弛緩。

胎盤用手剥離って、手を子宮内に突っ込んで胎盤を剥ぐわけですが、手が抜けるたびにバシャっと内ももにあったかい水がかかるんですよ。
羊水かな?と思ってたけど、そんなわけないですよね。
全部血でした。

まあ、なかなかの痛みでした。
出産より痛かったです。
筋肉注射やっといてよかったです。
出産時の痛みの緩和にはならなかったけど、用手剥離の痛みの緩和には少しは役に立ったのかもしれない。

緊迫した空気が少し緩んだLDR室内。
「縫合しますね」
と指導医1に言われて「お願いします」と返してこちらはぐったり。
「んん?」
指導医1が不穏な言葉を発する。
「むくみがひどいね」
ああ、コウノドリで読んだ気がする。
傷がむくんでて、針をかけても針の穴から出血して大変そうだったやつね。
なんて他人事のように思っていたのは、すべて筋肉注射のせい。
頭がふわふわする副作用があると聞いてたけど、そのおかげで深刻に絶望せずに済んだ。
局所麻酔を何本も打たれたけど、全然効かないから激痛で脚を閉じてしまう。
「ななみさん、痛いよね、麻酔する?」
聞き覚えのある声に目を開けると、院長がいた。
その瞬間、自分の状況がかなりまずいことを実感した。
指導医2の方が院長よりベテランだし、多分ここにいる2人の指導医で対処できなくて院長じゃなきゃダメなことって手技の面では早々ないと思う。
院長が出てくるってことは、何かしらの重い責任を伴う判断が必要な状況ってことだ。
「麻酔ですか、嬉しいです!」
脳内で考えてることは結構真剣なことなのに、口から出てくる言葉はアホみたいな言葉で。
我ながら、場違いすぎてちょっと申し訳なくなってくる。
でも、本気で嬉しかったんだよ。
本当は産む前から麻酔したかったしね。

「今ね、子宮の出口が裂けた傷口がひどくむくんでて、縫いたいんだけど縫っても血が止まらないんだ。出血点が分からない出血もあるし、ここで痛い思いさせながら縫うより、全身麻酔で痛みを取ってじっくり縫いたいんだけどいいかな?これで血が止まらなかったら、大学病院に搬送することになるよ。」
「はい、その方がいいならお願いします!」
と答えて、ふと思い至った質問をした。
「あの、お腹切るってことじゃないですよね?下から縫うんですよね?」
いや、コウノドリ見てると、そういう縫合って大体帝王切開の時にやってるからさ。
これからまたお腹切るのやだなって思って。
「それはもちろんそうだよ。お腹に傷はつけないよ」
「じゃあお願いします!」

ということで、オペ室へストレッチャーで運ばれる。
オペ室で出迎えてくれたのが、麻酔科医の先生。
2019年に私が初めて流産手術した時から麻酔をかけてくれてる長い付き合いの先生。
「先生、産む前にお会いしたかったです」
とつい軽口を叩いてしまう。
「ごめんね、でもやっぱり発熱の患者さんに無痛はできないな。今からやるのも全身麻酔だしね。マスクするよ。」
とここで意識が途切れる。

「旦那さんですよ」
との声に目を開けると、知らないベッドの上だった。
来ちゃダメと言われていたはずなのに夫が呼ばれたということは、結構まずい状況だったんだなと再確認。
仕事はどうした?とか娘は大丈夫か、とか、子供の顔は見たか?とかいろいろ話した気がするが、麻酔とか諸々の影響で覚えていない。
でも、ホッとした顔の夫が「お疲れ様でした。大変だったね」と労ってくれたことは覚えてる。

夫が帰り、そこからはベッドの上で朦朧とするだけ。
多分、14時過ぎくらいだったと思う。

また院長が現れ、出血の確認をさせてほしいとのこと。
お腹を押しながら血が出るか見るが、出ないらしく、院長と若手医師数名がマスク越しでも分かるくらいにニコニコと喜ぶ。
「よかった、とりあえず大学病院搬送は免れそうだよ。今夜はここで一晩寝てね。」
とのことで、先生方にお礼を言い、また朦朧とする。
脚のポンプ(血栓予防)がむくみ気味の脚にとても気持ちが良い。

縫合はうまくいったが、出血量は2000cc(2リットル、後で母子手帳を見たら2400cc)に及んだため、貧血が起きていること。
そのため、輸血することになる。
輸血でだいぶ楽になるはず。
といった説明を受けた記憶があるが、いつだったか覚えていない。

朦朧としながら夕飯まで眠るうちに解熱し、夕飯を食べ、輸血してもらい、ベッド上で歯磨きして分娩着を着替えさせてもらって眠った。

これで全てが終わると思っていた。

明け方、突然の寒気で目が覚める。
嫌な予感。
前日の悲劇もここから始まった。
検温すると38.6度の熱。
慌ててナースコールして、電気毛布を追加してもらう。
解熱剤を入れてもらい、またしてもインフルコロナ溶連菌の検査をするがすべて陰性。

解熱剤のおかげか、10時頃には解熱してすっきり爽快に。
院長の診察があるとのことで呼ばれて分娩室へ。
院長から
「うるさい部屋だったけど、よく寝られた?ご飯も食べられた?」
と聞かれて
「睡眠薬飲んだんで、眠れました。ご飯も美味しかったです」
とニコニコ答える。
「ななみさんが笑顔で今日ここに来てくれて、僕は嬉しいよ。昨日も痛い治療ばかりだったのに、積極的に受けてくれて、僕ら医療チームはとても助かったよ。」
といってくれて恐縮する。
「昨日は筋肉注射の浮遊感で状況をよく理解できてなかったんで、治療に積極的だったかよく覚えてないです。でも、院長のお顔を見た時は流石にまずい状況なんだなと分かりましたよ。」
「ななみさん、とても痛かっただろうに、一度も嫌と言わなかったからね。素晴らしかったよ。」
と褒められて照れる。

院長に子宮内に入れたバルーンとガーゼを抜かれる。
特に新たな出血もなく、問題ない模様。
そして、その様子を見ていた助産師さん(出産時のベテラン助産師さん)がしみじみと言う。
「ななみさん、痛みに強いんだねえ。」
「え、私、痛みに弱いからこそ無痛希望したんですけど!?」
「いや、これ(ガーゼ抜くこと)かなり痛いよ。」
「不快感はありますけど、昨日の手を突っ込まれるのに比べたら全然。」
などと言っていたら、院長の脇で見ていた若手の先生が吹き出してた。
おいコラ💢

そんな感じで出産は無事に完了。
やっと綺麗なお部屋に帰らせてもらえてウキウキ。
このレポを書き始める。
夜は豪華なお祝膳を食べて、幸せ。
今夜は中華だけど明日は洋食(フレンチ)か。
食事で病院選ぶ情弱みたいに馬鹿にされがちだけど、やっぱり産後の食事は重要よね💕
と幸せに浸ってました。
なお、ここまで赤ちゃんには感染症予防のため会えてません。

本来ならここで終わるはずのレポ、なんと続きがあります。

発熱絡みです。

出産当日、翌日、と発熱するも、原因不明だった私。
そのまま出産2日後の未明も悪寒と共に目覚めます。
猛烈に乾く喉、やっぱり38.6度を叩き出す体温計。
なんで毎朝同じ体温なのさ、と込み上げてくる怒り。
水を飲むも、吐き気が込み上げてくるのでナースコール。

当直の医師は、日勤の先生が来たら方策を考えるね、とのことで補液のみ点滴。
咳が出て、初めて痰が出る。
ねばっこい、何かに感染している兆候のある痰。
もしかして呼吸器感染症なのか?

どんどん上がる熱。
気づいたら、39.8度になっていた。
朝食が来るが、食べられそうになく、ジュースとフルーツだけもらって後は返却。
9時過ぎ、やっと吐き気止めの点滴を入れてもらえる。
吐き気が取れて水を飲めるようになると、看護師さんからのアドバイスで、朝食のフルーツやジュース、手持ちのウィダー(出産時のエネルギー補給用のつもりが、無痛やら帝王切開やらのために使わずにいた)を飲んでエネルギー補給する。
エネルギーを入れたせいか、またまた熱が上がる。
40.5度になった時は、流石に三度見した。
娘の体温計では何度も見た数字だけど、成人してからこんな体温そうそう見たことない。
即ナースコール。
助産師さんが来てくれて、悪露や傷を見てもらうも綺麗なまま。
「熱の高さからいっても産科関係じゃないと思われるので、再度感染症の検査をした方が良いと思われます。先生に相談してくるね。」
と言われて、再度痰の話をする。
戻ってきた助産師さんに検査をされ、とうとう溶連菌が陽性に。
抗生物質を投与され、夕方には解熱。

して終われればよかったんですが、その後結局、土曜の朝まで朝発熱→昼過ぎから夜に解熱の流れは続き、木曜夜には赤ちゃんまで発熱してNICU転院するなど、波瀾万丈な出産になりました。
帝王切開じゃないのに、最初の1日を除けば全て保険診療での入院になりました。
そんなことあるんだ💦

勝手ながら今回の出産を総括すると

・2人目で無痛したけりゃ上の子の健康管理に気を付けろ!
・溶連菌は強敵。毎日抗生物質を点滴してるのに、なんで毎日発熱するの😭
・痛みに弱いので無痛希望してたけど、自然分娩でも産めました。というか、めちゃくちゃ痛かったのが1時間程度だったから耐えられた気がする。
・色んな人に怒られそうだけど、胎盤用手剥離は女医に限る。手のサイズと腕の太さから考えて、女医さんにお願いしたい。男性医師の皆さんごめんなさい。
・用手剥離が痛すぎて、自然分娩はほぼ無痛だった気がしている。用手剥離、これまでの人生で味わった痛みの中で堂々のランク1位になりました。
・胎盤は癒着してなかったけど、臍帯がちぎれたため出てこなかった模様。若い方の助産師さん曰く、自分で体験するのは初めての事例だったそう。やっぱり高齢出産はいろいろありますね。
・赤ちゃんがNICUに運ばれたが、第一子も生後8日で大学病院送りになったため、両親とも動揺はなかった。人間2回目のことには動じない。髄液検査の腰椎穿刺の説明書に涙ぐんでた純情は、もう私には残ってなかった。

二、三ヶ月前に出産が命懸けでない云々の論争がありましたが、今回の件について自分でどう思ったか、という点について。
今回の出産は命懸けとは思わないけど、施設の規模によっては初動が遅れて大変だったのかなと思わないわけでもないです。
ベテラン助産師さんに言わせると、本件(胎盤出てこない→用手剥離)は私が産んだ施設では滅多にないけどちゃんと対処できるトラブルだったようです。
でも、それは産んだところが日勤の時間帯に複数の指導医クラスの医師が勤務していて、輸血にも迅速に対応できる規模の施設だから。
院長1人でやってるような施設だったらどうなってたかな?と思ってしまいました。
だからまあ、今回は命懸けとは言えなかったけど結構危ない事例だったんだなと納得してるところです。

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