【書くラジオ】#10 薄くてなぜ悪い

今日から、1日に2分間鼻をつまむことにした。
少しでも鼻を高くしたいという悪あがきのためにである。

なぜ急にそんなことを始めたのかというと、それは、私が自分の薄い顔を受け入れて生きていくことを決意したからだ。

二階堂ふみちゃんが大好きな私は、はっきりした美人顔に憧れがある。ぱっちりしたお目目。キラキラのハッピーオーラ。そんな女の子になりたかった。だから長年少しでも目を大きく見せたくて、目尻から5ミリははみ出す激太アイラインを引いた化粧をしていたのだけれど、どういう訳か、急にそれを止めてみたくなった。薄くても良いじゃん!という気持ちが芽生えたのだ。

それはとても良いことなのだけれど、そうなると顔の中での鼻の重要度が高まってくる。薄顔美人の鼻は、皆揃ってスッとしている。むしろ、スッとしているから薄顔美人だとも言える。そう、ハードルはとても高い。

小さい頃からずっと、団子鼻がコンプレックスだった。何を今更、というのは私が一番思っているのだけれど、一応悪あがきはしておこうと思った。だから、1日2分間鼻をつまむことを自分に課したのだ。

ふと気づいたのだけれど、1日2分間ということは、1週間で14分。1ヶ月で56分。月に約1時間も鼻をつまんでいる計算になる。1年だと12時間。何だかちょっと恐ろしい。

明日の私は、ちょっと憂鬱な業務連絡の電話をしなければいけない可能性が高い。嫌だな…とずっと頭の片隅で思っている。でも、せいぜい10分足らずで終わる電話だ。それが毎週続くわけでも、1年間に換算した時に12時間になるようなことでもない。あくまで明日、10分耐えるだけのこと。

大丈夫大丈夫。そうやって、鼻をつまんで目を逸らそう。


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