はりきる、がんばる、エプロンさん。
お店に立つときは、エプロンをつけています。
なんともないヘロンヘロンのエプロンですが、柳ヶ瀬商店街にある、お友達が店長をしているお店 " 四角商店 "さんで買ったもの。
どこかの国旗のように又先がふたつに裂けているような変わったデザインの、フラッグエプロン。お気に入りです。
このエプロンとの付き合いももうすぐ2年になります。
今日はそのエプロンにまつわるお話をします。
ここ最近はお店の目の前にある公園、学びの森もすっかり秋めいてきました。オレンジや黄色に木たちが色づいてきて、紅葉を見に連日公園にもひとが増えて、たくさんのお客さんがお店にも来てくれています。
基本キッチンはらくだのシェフと、ホールや片付けはわたしが。それぞれの持ち場は1人ずつです。忙しくなってきたら色々と課題が出てきます。
お客さんの通し方はあれでよかったか。あのタイミングではあの方達を待たせてしまう。もっとここはこうした方がいい。
お仕事として省くべきところと、省いてはダメなところ。そんな確認作業をお仕事の終わりの仕込中に1日を振り返りながら、ふたりで話しています。
特に繁忙期は課題がゴゴン、と出てきます。
それと同時にうまく2人でまわった日や、お客さまもお待たせしすぎずに、あの方気持ちよく帰っていただくことができたかも!と感じられた日は、その手応えを忘れずにヨシヨシ!と2人で確かめ合う。そしてまた次の日が始まる。日々そんなくり返しです。
そんな絶賛繁忙期のとある日に、わたしはエプロンを忘れてしまい、普段のコスチュームであるワンピースだけでお仕事をした日がありました。
その日も11時のオープンからドドっとまとまってお客さまがご来店くださいました。この時期にはよくある流れではあるのですが、不思議といつものような動きができません。
あれ、次はなにしたらいいんだっけ。
あれあれあれ。
ここをこうしたから次はあそこにいくんだよな。と、頭と体がチグハグ。
頭も回転はさせるけれど、普段なら体が勝手に動く部分もプラスで頭が必要になってきている。
そうなると余裕がなくなり笑顔が消えて必死さが出てきます。イメージで表現すると、いつもなら大きな波がきてもフィーっとサーフボードで乗れる波に、体ごとザッパーンとのみこまれて、何度もアレーっと波打ち際に打ち返されるような感じです。
なにをやっても空回ってうまくいかない。
そんな1日でした。
その日を振り返ると唯一いつもとちがったことは、エプロンを忘れてつけていなかったことでした。
そんなことで変わるかなー。とも思われてしまうかもしれませんがあるのかもしれない、と深く感じた1日でした。もうあのエプロンはわたしの相棒になっているのかも、と。
また仕込み中の振り返りのときにそのことをらくだのシェフに話すと、 笑って聞いてくれてましたが、わたしはわりと真剣でした。笑
あのエプロンをキュッとつける感覚が自然と自分の中のスイッチの切替になっていたのかもしれません。
そして毎日仕事の振り返りをするときにいつも、腰につけられていたエプロン。エプロンを忘れたその日は、いつもしていて積み重ねていたお仕事の振り返りをわたし自身がほとんど忘れてしまっているかのようでした。
また、お客さまと同じ目線になることはとても仕事を考えるうえでは大切なのですが、違う意味でお客さまとはちがう場所にもいなくてはいけないと思っています。
エプロンをしていないことで、楽しんでもらうお客さまと同じ場所にいることになってしまい、お店側としての立場との境がなくなってしまい、判断が鈍ったりなどもあったのかも。
その日自宅に戻りお布団の横にいたエプロンをジーッと見ると「ふふん。わたしがいないとダメダメだったんじゃなーい。」と言われてるようでした。
ちょっと生意気ですが、頼もしい相棒です。
道具には命が宿ると言いますが、本当にあるのかもなー。そんなことをひしひしと感じた日でした。
と、テイの良いことを書きましたがその日の自分自身のダメダメちゃんや、ミスたちをエプロン忘れたせいだったわ!と相棒に押しつけるわたしなのでした。
お店ではよもやわたしが働いてるのではなく、エプロンが働いていると言っても過言ではないのかもしれません、、。なんちゃって、、。
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