研究で使う「水」の話 〜純水、超純水とは?〜:#00048
前回は、水道水についての説明でした。水道水には不純物が大量に含まれているため、研究には適しません。そこで不純物をできるだけ除去したのが「純水・超純水」。実験にはこちらの水を使いましょう!(中富千尋)
どの研究室にも純水・超純水製造装置があると思います。この装置は水道水に含まれている大量の不純物を取り除くための装置です。装置によって、不純物を取り除く方法は様々。半透膜を使ったり、樹脂を用いたり…自分の研究室にある装置がどんな方法を使っているのか調べてみましょう。
純水と超純水の違いは、不純物の量です。純水に含まれる不純物量は水道水と比較してかなり少なくなっていますが、超純水は純粋からさらに不純物を除去した水です。限りなく純粋な水分子のみに近づけた水と言ってもいいでしょうか。
PCRなどDNAを扱うような実験では、水に含まれる不純物が反応に影響を与えてしまう可能性があります。また、細胞を用いた実験(例:刺激に対する神経細胞の応答を観察する実験)などでは、水に溶け込んでいるイオンが細胞の挙動に影響を与えてしまい、正確な実験データが得られなくなってしまう可能性があります。従って、このようなバイオ実験においては、超純水を用いることが基本となっています。実験器具の洗浄などは純水を用いれば十分です👌ちゃんと理由を考えて使いましょう。
01:06 純水の種類
01:24 純水の作り方
06:14 クイズ!純水・超純水にはどのくらいの不純物が含まれているでしょうか!
補足・訂正
今回もクイズに総突っ込みを入れられてグダグダでした…が、イメージは伝わったでしょうか。純水・超純水は、研究だけではなく、製薬、食品製造、工業などなど、身近な分野でも使われています。撮影後には、工学部出身の池田先生から水についての深い話も聞けて個人的には大変満足でした。水はじわりじわりと時間をかけて様々な物質を破壊していくんですね。いかに水による破壊に耐えられる物質を作るかが材料工学の永遠のテーマなんだとか。水って奥が深い!